SAW6 - 前田有一

◆それでもそこらのB級スプラッターよりはマシか(50点)

 『ソウ』シリーズは、傑作だった1作目の残滓をどこまで搾り出すつもりなのか、それが個人的には一番気になる「謎」である。

 <以下、パート5までの内容を含むため、未見の方はご注意ください>

 FBI捜査官ストラムの死体が発見され、状況からジグゾウの後継者は彼ということで事件捜査は一旦終結を見た。だが、ストラムの上司エリクソン(マーク・ロルストン)だけはそれを信じず、いよいよホフマン(コスタス・マンディロア)の正体に迫りつつあった。一方ジョン(トビン・ベル)の妻ジル(ベッツィ・ラッセル)は、その遺品の扱いに頭を悩ませていた。

 ガチンコ恐怖映画として楽しめた1作目から5年、さすがに真面目に怖がるのはもう無理だ。登場する大掛かりなゲーム装置はもはやギャグで、過激さがエスカレートするほど苦笑度が増すばかり。アイデアとしても、シンプルながらエグかった前作のラスト(肋骨&前腕骨飛び出し)を超えるものはなく、その再掲シーンが一番イタタ感がある始末。

 シリーズもうひとつの特徴である「どんでん返し」や「謎解き」もさすがにネタ切れか。ここにきて残る謎といえば、もうどうでもいいような重箱の隅ネタで、勝手にやってろと思うようなものばかりだ。そのくせ、またさらに瑣末な「解き残し」をこれ見よがしに温存するのだからたまらない。

 このシリーズは、うな丼でいえばすでにウナギもご飯も残っていない状況。タレのカスを見せられて「コレ、いいタレの残りですよ!」と言われているような、そんな感覚である。

 もっとも、この6作目ならではの面白さもある。個人的には元祖ジグソウが、後継者のホフマンにOJTをする場面などは愉快であった。例の残酷ゲームの準備作業の地味っぷりときたら、なかなか笑えるものがある。ジグソウの細部へのこだわりはまさに職人、それを受け継ぐ弟子たちも大変だ。これぞ人殺し界のプロジェクトX。

 いまどきの世相を取り入れた、社会派な脚本も興味深い。ソウ6をみれば、きもちわるい人体破壊をたっぷり堪能できる上、政治問題に目覚めることもできる。ソウで社会問題をやってどうするんだという根本的な疑問はあれど、それもまた味わいであろう。

前田有一

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