敵は、30年後の自分っ!?(点数 90点)
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未来や過去の自分と出会う。
そのことにより、人生がよい方向に進んでいく。
ブルース・ウィリス演じる独身オトコが、40歳目前に、8歳の自分と出会って、人生をやり直していく作品『キッド』は、その好例です。
でも、もし、未来からきた自分と戦うことになったら?
2074年。人間の体内には、生命管理のため、マイクロマシンがうめこまれ、殺人が不可能になっていました。
犯罪組織は、敵を消したいとき、法で使用が禁じられているタイムマシンを使い、生命管理が出来ない30年前に標的を転送。「ルーパー」と呼ばれる暗殺者が待ち構えていて、標的を殺していました。
ある日、凄腕ルーパーのジョー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)の元に、ターゲットの抹殺指令が入ります。
ところが、送られてきた男は「30年後の自分」(ブルース・ウィリス)。
びっくりして、引き金を引くことをためらったジョーのふいをついて、未来のジョーは、街へと消えていきました。
彼を殺さなければ、自分が殺されるため、未来の自分を必死に追跡しますが……。
ジョセフ・ゴードン=レヴィットは、30年後の自分・ブルース・ウィリスとまるで似ていないため、毎日、3時間もかけて特殊メイクを施したと
か。
しぐさも徹底的にリサーチしたため、とてもリアルで、息子とオヤジに見えてしまうほどです。
未来に何の展望もなく、ドラッグまみれで、自己中心的な殺し屋・「若いジョー」の視点で物語は進んでいきます。
「若いジョー」は、「未来のジョー」を殺そうとします。
対して「未来のジョー」は、妻を殺した独裁者を消すため、この時代に来て、目的を遂行しつつ、「若いジョー」も守らなければいけません。こちらの方が数倍大変です。
「若いジョー」は、「未来のジョー」を追い、ケガをして、若い女性(エミリー・ブラント)と少年にかくまわれます。
この女性との出会いで、「若いジョー」は、変わっていきます。
愛は、人を変えるのだと、とても自然に納得できました。
ラストシーンは、驚愕でした。
こうなったら、いやだな。
まさか、そうはならないよねと祈るように思っていたのとどんぴしゃだったので、せつなかったです。
大切な人と観て欲しい作品です。
(小泉 浩子)