◆あっけにとられながら見ているうちに、不条理な暴力の世界と、呪術や異文化が混在する南部のニューオリンズの混沌が合致していく(60点)
バイオレンスと宗教描写で問題になった同名映画のリメイクである本作は、悪徳と幻想が絡み合う異色のクライム・ムービーだ。ハリケーン襲撃直後のニューオリンズ。刑事のテレンスは、逃げ遅れた囚人を助けたことで表彰され昇進する。だがそんな華々しさとは別に、テレンスは、ドラッグに溺れ、ギャンブルに入れ込み、高級娼婦と関係するなど裏の顔を持っていた。不法移民一家の惨殺事件の担当になったテレンスは、捜査を続けていたが、愛人のフランキーが巻き込まれたトラブルから、ギャングから大金を要求され窮地に立たされる…。
この映画の批評を読む »
◆銀行強盗、ヤクザ、警察、そして謎の美女。逃げては追い、信じては裏切られる複雑に入り組んだ人間関係の中でのスリリングな男の冒険は、スピーディで見る者に考える間を与えず、細かい矛盾や疑問点の芽を強引に引き抜いていく。(40点)
銀行強盗、ヤクザ、警察、そして謎の美女。突然主人公に降りかかった非日常が彼の人生を変えていく。逃げては追い、信じては裏切られる複雑に入り組んだ人間関係の中で、男のスリリングかつミステリアスな冒険がスピーディに描かれる。次々に立ちはだかる謎と難題を体当たりで解決して行く過程は、見る者に考える間を与えず、細かい矛盾や疑問点の芽を強引に引き抜いていく。だが、余りにも多くの登場人物に様々な意味を持たせ過ぎたため整理がつかなくなり、ストーリーは全体像が見えにくくなってしまった。
この映画の批評を読む »
◆両親の愛を知らない少年が裕福な家庭に引き取られ、才能を開花させていく。恵まれない子供に手を差し伸べ自立させるのは、決して気まぐれな自己満足でできるものではなく、その子の人生に全責任を負う覚悟を伴う行為なのだ。(60点)
父に捨てられ、母とも引き離された孤独な少年はたぐいまれなる運動能力を持ち合わせている。そんな彼が裕福な家庭に引き取られ、アメフトで才能を開花させていく。映画はNFLからドラフト1位で指名されるまでになった主人公の、篤志家との出会いから大学入学までの2年間の交流を通じ、米国に根付く善意と良心の懐深さを描く。恵まれない子供に手を差し伸べ自立させるのは、決して気まぐれな自己満足でできるものではなく、その子の人生に全責任を負うという崇高な覚悟を伴う行為なのだ。
この映画の批評を読む »
◆すれ違いの恋、痛みを伴う愛、忘れられない恋に永遠に続く愛。さまざまな物語を、世界各国から集まった監督たちが独創的なタッチで描いていく(65点)
「パリ、ジュテーム」のNY版であるアンサンブル・ムービーは、豪華キャストと気の利いたオチがおしゃれだ。大勢の人々が暮らし、夢を追う大都会ニューヨーク。そこには無数の出会いが生まれる。すれ違いの恋、痛みを伴う愛、忘れられない恋に永遠に続く愛。さまざまな物語を、世界各国から集まった監督たちが独創的なタッチで描いていく。
この映画の批評を読む »
◆時代にマッチしている上、脚本の骨格がきわめて頑健(90点)
たぶんこの映画についてほとんどの方は、こんな風に考えているだろう。
この映画の批評を読む »
◆自虐ネタと本格的スペクタクル(85点)
ギリシャ神話をネタに思い切り遊んだ『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』は、ほとんど確信的な「突っ込みどころ満載」映画といえる。
この映画の批評を読む »
◆無実の罪で投獄された妻のため、夫は全てを投げ打って行動に出る。夫婦愛というより、運命に立ち向かう男をリアルに描いたサスペンスの秀作だ(81点)
暗闇の中、人が争う音だけが聞こえてくる。そして、血で濡れた手で車を運転する男。その表情は、もう後戻りできない不安と、突き進んでいくしかないという意思を、見事に物語っている。冒頭から、ただならぬ緊迫感。この場面だけで十分に、「いい映画」の予感がする。それは裏切られなかった。
この映画の批評を読む »
◆閉塞したビターな時代の膿をかき出すような鋭い刃をもった社会派作品(65点)
映画会社に勤める健康オタクの直樹(藤原竜也)、酒好きな自称イラストレーターの未来(香里奈)、恋愛依存のフリーターの琴美(貫地谷しほり)、先輩の彼女に思いを寄せる大学生の良介(小出恵介)の4人はマンションの一室をシェアして生活していた。そこにある夜から、男娼のサトル(林遺都)までもが居着くようになる。リビングに置かれたテレビは、連日、そんな彼らが住む町で多発している女性を狙った無差別暴行事件のニュースを流していた……。
この映画の批評を読む »
◆細心の脱獄計画はサスペンスとして楽しめるが、基本はヒューマン・ドラマだ(70点)
無実の妻を救うためすべてを捨てる夫の覚悟が感動を呼ぶヒューマン・ドラマの佳作。平凡ながら幸せに暮らすジュリアンとリザ夫妻。だがある日突然、身に覚えのない殺人罪でリザが逮捕、投獄されてしまう。必死で無罪を主張するが、状況証拠は彼女に不利なものばかりで、3年の時が過ぎる。妻の無実を信じるジュリアンは、絶望し自殺未遂まで図ったリザの姿をみて、ある計画を実行する決意をする…。
この映画の批評を読む »
◆オリジナルが過激なバイオレンスと宗教色で話題となったが、このリメイク版は控えめなクライムドラマで宗教色は一切ない。(60点)
ドイツの奇才ヴェルナー・ヘルツォーク監督が問題作『バッド・ルーテナント 刑事とドラッグとキリスト』(92)をリメイク。
この映画の批評を読む »
◆濡れ衣を着せられた妻を救うために、周到に準備し実行に移す男。それは真面目な教育者としての人生を捨て、犯罪者になる決意だ。国家という強大な権力に個人で立ち向かう主人公の姿は緊迫感がみなぎり一時も予断を許さない。(60点)
濡れ衣を着せられた妻を救うために、周到に準備し実行に移す男。彼のベクトルは冤罪を晴らすための証拠集めや真犯人捜しといった過去に向かうのではなく、刑務所から妻を奪還して再び自由を手に入れようとする未来に向かっている。それは真面目な教育者としての人生を捨て、犯罪者になる決意をすること。国家という強大な権力に個人で立ち向かう主人公の姿は最初は滑稽ですらあるが、やがて経験が勇気と判断力を養い動きに無駄がなくなっていく。その妻を思う一念が彼に力を与え孤独な戦いを支える様子は、緊迫感がみなぎり一時も予断を許さない。
この映画の批評を読む »
◆まるで発展途上国の警官のように権力を振りかざし、横暴の限りを尽くす悪徳刑事。自分の欲望に忠実でありながら、山積する問題に忙しく立ち回る姿には、仏の手のひらの上で踊らされているようなシニカルなはかなさが漂う。(60点)
留置場の容疑者を弄び、ギャンブル狂で借金漬け、ドラッグを若者から脅し取ったり証拠品保管室からくすねたり、さらには娼婦を愛人にし、挙句の果てはギャングに情報を流して高額の賄賂を受け取る。まるで発展途上国の警官のように権力を振りかざし、横暴の限りを尽くす悪徳刑事。自分の欲望に忠実でありながら、山積する問題に忙しく立ち回る姿には、仏の手のひらの上で踊らされているごときシニカルなはかなさもうかがえる。映画は、麻薬ディーラーとギャングの狭間でドツボにはまっていく主人公が心理的に追い詰められていく様子をコミカルに描く。
この映画の批評を読む »
◆孤独な黒人少年とある白人家族の絆を描く実話。サンドラ・ブロックの熱演に圧倒される。(65点)
裕福な白人女性リー・アンは、ある日、ホームレス同然の黒人少年マイケルに声をかける。彼の境遇を知って自宅に連れ帰り面倒を見るが、ある時、マイケルにアメリカン・フットボールの適性があることを知る…。
この映画の批評を読む »
◆飲み会で、みんなが出来上がっている中、自分だけがシラフという状況! に近い!(58点)
人はいくつになっても恋をして恋をすると輝きだす。男も女も。イキイキと♪
それが、たとえ..不道徳な恋だとしても…。
この映画の批評を読む »
◆パーシーがその手で操る水の動きは激しくも洗練されていて、高度なCGによる描写はさすがのひと言(60点)
現代のNYにギリシャの神々が現れる奇想天外なファンタジー。落ちこぼれの高校生パーシー・ジャクソンは、ある日突然、自分はギリシャ神話の神ポセイドンの息子であることを告げられる。神と人間の子であるデミゴットである彼は、仲間のアナベスとグローバーと共に、万能の神ゼウスのもとから盗まれた最強の武器・稲妻を探す旅に出る。この稲妻がみつからなければ神々の間で戦争が起きてしまうのだ。だが泥棒の濡れ衣を着せられたパーシーの前には数多くの危険が待ち受けていた…。
この映画の批評を読む »