◆1話逃さず見ていたファンならもっと評価アップだとは思うが……(20点)
人気ドラマの完結編は、映画館にて有料でご視聴いただく。広告不況であえぐテレビ局の苦境がしのばれる苦渋のビジネスモデルである。しかも『のだめカンタービレ』の場合は、その映画版が前編後編と分かれている。当然、入場料も二回徴収されることになる。ファンの懐にとっても、テレビ局と不況気分を共有できる仕組みである。
◆1話逃さず見ていたファンならもっと評価アップだとは思うが……(20点)
人気ドラマの完結編は、映画館にて有料でご視聴いただく。広告不況であえぐテレビ局の苦境がしのばれる苦渋のビジネスモデルである。しかも『のだめカンタービレ』の場合は、その映画版が前編後編と分かれている。当然、入場料も二回徴収されることになる。ファンの懐にとっても、テレビ局と不況気分を共有できる仕組みである。
◆決して悪い作品ではないが(30点)
『アリス・イン・ワンダーランド』は、大ヒットを宿命として生まれてきた。なんといっても240億円をつぎ込んだ本年度を代表するディズニーの3D超大作。間違ってもコケるわけにはいかない。
◆感情を揺さぶる力は『火垂るの墓』より上(80点)
『クロッシング』はあまりに危険な内容および主張を含むことから、南北融和のノ・ムヒョン政権時代の韓国ではおおっぴらに製作ができなかった。そこでやむなく、監督らは内容を絶対極秘にして各国ロケを行い、なんとか完成にこぎつけた。そして政権交代した今、ようやく日の目を見たという執念の一本である。
◆漫画家を目指すイラストレーターの女性と、語学オタクの米国人が結婚するまでの奮闘を描くコメディー。国際結婚に限らない、普遍的な家族の物語になっているのが良かった(68点)
タイトルからして当然、国際結婚にまつわる様々な困難を乗り越えて結ばれるカップルの話だと思うだろう。ところが本作には、国際結婚に特有の困難は、ほとんど描かれていない。もっと普遍的な家族の物語になっている。そこがとても良かった。
◆たった一人、月で働く男を描いて、果てしない孤独を感じさせる本格SF。ひねりのきいたストーリーが、「存在」とは何かを問いかけてくる。(74点)
優れたSF映画は、常に哲学的な問いを内包している。本作もそうだ。「存在」とは何かという、根源的な問いを投げかけてくる。
◆仲里依紗が魅力的で、それだけで十分に楽しめる。哀川翔のデビュー25周年記念作でありながら、どこまでも仲里依紗のための作品になっている(75点)
三池崇史監督作「ヤッターマン」(2009)は、深田恭子が演じるドロンジョが余りにも魅力的だった。私も含め、もうストーリーなどどうでもいいから、ドロンジョだけを見ていたい、と思った人も多かったはずだ(と思う)。そんな人にとって、本作は理想の作品だ。ドロンジョよりもセクシーで魅力的な仲里依紗の「ゼブラクイーン」と「ゼブラウーマン」を、たっぷりと見ることが出来るからだ。
◆透下光の一種トランスライトの演出が、現実と物語の二つの異なった場面を同時に見せて、素晴らしい(70点)
天才音楽家モーツァルトのオペラの台本を書いた劇作家ロレンツォ・ダ・ポンテを主人公に、オペラ「ドン・ジョヴァンニ」誕生秘話を描く華麗な歴史劇だ。1763年・ベネチア。ユダヤ教からキリスト教へと改宗し、神父になったロレンツォは、放蕩生活のためベネチアから追放される。劇作家としてすでに名声を得ていたロレンツォは、友人のカサノヴァの紹介状を持って自由な気風の大都市ウィーンにやってくるが、そこで新進気鋭の音楽家モーツァルトと出会う…。
◆前半ではドタバタ風のコメディーが観られ、後半ではシリアスな雰囲気を漂わせたりといった見応えのある演出で楽しませてくれる(70点)
かつてはボリショイ交響楽団の天才的指揮者だったアンドレ(アレクセイ・グシュコフ)も今となっては、単なる劇場の清掃員。ある日、パリのシャトレ劇場から二週間後のLAフィル公演が中止になったため、代わりのオーケストラを探しているというFAXを発見し、かつての仲間を集めて楽団を結成し、この公演に出演することを思いつくのだが……。
◆歯切れのいいセリフの応酬から浮かび上がるお互いの主張の矛盾、暴かれていく秘密と嘘。過去が煮詰まっていく過程で、己をさらけ出す開放感が登場人物の心を浄化していく様子は、空が晴れわたるようなさわやかさをもたらす。(60点)
ひらめきを感じる映画で、最小限の素材で最大の効果を上げることに成功している。近未来。サムは、地球で必要なエネルギー源を採掘するために、たった一人で月の基地に滞在している。地球との直接通信はできず、話し相手は人工知能を持ったコンピューターのガーティだけという孤独な任務だ。会社からの契約期間は3年で、あと2週間で任務を終えて家族が待つ地球に帰ろうという時、頭痛や体調不良に襲われ、ついに基地の外で作業中に事故に遭ってしまう。なぜか基地の中の診療室で目覚めるサム。さらに、自分とガーティしかいないはずの基地内で自分そっくりの男に遭遇し驚愕する。これは幻覚なのか?
◆歯切れのいいセリフの応酬から浮かび上がるお互いの主張の矛盾、暴かれていく秘密と嘘。過去が煮詰まっていく過程で、己をさらけ出す開放感が登場人物の心を浄化していく様子は、空が晴れわたるようなさわやかさをもたらす。(60点)
限定された狭い空間で繰り広げられる十数人による会話劇は、中劇場の一幕芝居を見ているよう。歯切れのいいセリフの応酬から浮かび上がるお互いの主張の矛盾、暴かれていく秘密と嘘。過去が煮詰まっていく過程でおのおの本性が明らかになっていく。それは嫉妬や怒り、疑いといった負の感情ではなく、他人を信じてみようというささやかな希望。正直に己をさらけ出して得られる開放感が登場人物の心を浄化していく様子は、雲が切れ空が晴れわたるようなさわやかさをもたらす。真実を告白することでしか人は救われないのだ。
◆侵略者ではないが、友情をはぐくめる相手でもない醜悪なエイリアンとのトラブルに対して、人間はどこまで寛容になれるか。予想を裏切る展開の連続はオリジナリティにあふれ、まさに「アイデアの勝利」と言える出来栄えだ。(80点)
宇宙を遠く旅する科学力があるはずなのに思慮がまったくなく、凶悪ではないけれど凶暴でマナーが欠如している。侵略者のような悪意はないが、友情をはぐくめる相手でもない。故障した巨大UFOに乗った異星からの招かれざる客、われわれの美的基準からみれば醜悪な外見をした彼らを最初は人道的に援助していた地球人も、地球のルールを守ろうとしないエイリアンに差別意識を持ち排斥の動きを見せ始める。映画は価値観の違う者とのトラブルに対して、人間はどこまで寛容になれるかを問う。予想を裏切る展開の連続はオリジナリティにあふれ、まさに「アイデアの勝利」と言える出来栄えだ。
◆社会性と娯楽性をブレンドした斬新なSF。ジャンルの垣根を越えた展開は先読みできない面白さだ。(80点)
南アフリカ共和国のヨハネスブルグ上空に、突如巨大な宇宙船が現われる。船内には難民と化した無数のエイリアンがいた。困った南ア政府は、第9地区に彼らを強制移住させるが、そこはやがてスラム化する。ヴィカスは、エイリアンに立ち退きを迫る現場責任者として、政府から地区に派遣されるが…。
◆自分よりも大きなモノ(敵)に立ち向かう勇気に感動!!(60点)
タイトルでも、お分かり頂けると思いますが・・・スパイが人間ではなく、アニマル(動物)なんですっ!
しかもっ! この映画は、今話題の3D映画です!! (専用めがねをつけると、スクリーンからモノや人が飛び出て 見える映画です♪)
◆ストーリーはありきたりだが、奥深い仕上がりになっている。。(65点)
CMでおなじみの、“「浮気したけど、妻が好き」そんなのアリですか?”です! ・・・・皆さまは、アリですか?ナシですか?
◆デンゼル・ワシントン主演のアクション大作。最終戦争後の荒廃した世界を舞台に、「ある本」を運ぶ男をスタイリッシュな映像で描く。驚きのラストまで、ドラマとアクションがうまく噛み合っているが、「ある本」の意味が日本人にはピンとこないかも知れない(79点)
監督のアルバート・ヒューズとアレン・ヒューズは双子の兄弟だという。製作がジョエル・シルバーで監督が兄弟と聞けば、「マトリックス」シリーズのウォシャウスキー兄弟を思い出すが、ヒューズ兄弟も彼らに負けないくらい映画マニアであるようだ。様々な映画へのオマージュを感じさせる。それがストーリーにうまい具合にはまっているのに感心した。日本の「あの映画」へもオマージュが捧げられているが、「落ち」に関わることなので、タイトルが言えないのが残念だ。