気軽に楽しめるあっさりとした大人向け映像童話(点数 60点)

(C)2011 – FLACH FILM PRODUCTION – ARTE France
フランスの詩人シャルル・ペローがまとめた童話「親指トム」の原作に織り込まれた残酷描写をそのまま映像化したダーク・ファンタジー作品。
飢饉に見舞われた17世紀のヨーロッパのある国。親指トムと称される子は、5人兄弟の一番末っ子。食べることもままならないほどの貧乏に困った両親に捨てられた5人兄弟は、森の奥でさ迷っているうちに、立派な屋敷を発見。だが、この屋敷には恐ろしき人喰い鬼(トニ・ラヴァン)とその妻、可愛い5人の娘たちが住んでいた。5人兄弟は娘たちの部屋に宿泊することを許されるが……。
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金塊を強奪するという前時代的なクライムサスペンスだが、だからこそ描ける濃密な人間ドラマがあるのかもしれない。(点数 75点)

(C)2012「黄金を抱いて翔べ」製作委員会
高村薫氏の小説は『マークスの山』しか読んだことが無いが、緻密な文体は分かるのだけれど、その硬質な文章と、群雄割拠する主要なキャラクタたちの活躍に目が追われるうちに内容を把握するのに疲れてしまい、いまいち私には馴染むことが出来なかった。
だが映画は錯綜したストーリーを上手く纏めた印象がする。その代わりとして相当想像力を働かせないと登場人物の背景が見えてこない。とくに幸田と彼の父との邂逅は偶然過ぎて言葉を喪う程だ。でも、たしかにいちいち登場人物のバックグラウンドを説明していたら尺が2時間そこそこでは収ら無い。だから人によってはちゃんと編集していると評価するのではないだろうか。
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反抗と迎合のせめぎあい(点数 90点)

(C)2012 LIONS GATE FILMS INC. ALL RIGHTS RESERVED.
公開当時、公開週の興行収入で史上第3位を記録した
大ヒット映画。その原作も累計80万部以上を売り上げる
大ベストセラーになっています。
アメリカ人をこれだけ熱狂させた『ハンガー・ゲーム』って
どんな作品なんだろう、という期待感を持ちながら見てきました。
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我々は会社や組織の駒じゃない (点数 80点)

(C)2012 Universal Studios. All Rights Reserved.
最近、映画本の執筆もあり旧作のDVDはかなりの本数を見ていますが、劇場に足を運んでいなかったので、気分転換にエンタメ色の強い作品を見よう、ということで『ボーン・レガシー』を見てきました。
想像以上によかった。
いわゆるジェット・コースター・ムービーで、
ファーストシーンから、手に汗握るシーンの連続で、
最後まで突っ走ってくれます。
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冴えない人生を送る人間が大きな夢にぶつかって信じる心を取り戻す“希望”についてのものがたり。(点数 88点)

(C)2011 Yemen Distributions Ltd., BBC and The British Film Institute. All Rights Reserved.
荒唐無稽な夢ほど人を惹きつける。
主人公である水産学者のジョーンズ博士(ユアン・マクレガー)はイエメンで鮭を釣ることをよく「人類が火星へ行くことくらいの可能性」と喩えるのだが、迂回した言い方になるけれど、荒唐無稽な夢であっても、それこそが人間をまた前に進ませる原動力になっているのだと思う。
人間は希望を持たされなければ前へ進もうとしない生物だ。否、全ての動物にその原理は当て嵌まるといえるだろう。
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広末涼子の演技に胸キュンっ! 堺雅人のダメ男っぶりと香川照之のラブリィさにときめく!?(点数 95点)

(C)2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会
伏線とどんでん返しがてんこ盛りになっている作品が大好きです。
だから、内田監督の劇場デビュー作『運命じゃない人』には、完全にノックアウトされました。
この作品もプロットがよく練られていて、めちゃくちゃ楽しいです。もう、笑いっぱなし。
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性癖は人それぞれ。そんな情報溢れかえる日常に潜む「奇憚クラブ」を現代視点でみせます。(点数 50点)

(C)角川書店
累計35万部を突破した、サタミシュウの新官能小説の代表作の映画化です。ごく普通の生活を送るワーキングウーマンが、あるきっかけでドMに変貌……。ハードな描写から主演女優をみつけることが出来るのかと危惧された本編は、史上最強のエロス神(笑)檀蜜の存在によって映画化が実現されました。
葬儀関係の仕事を経て29歳での遅咲きデビューのグラビアアイドルで、最近ではちょくちょくテレビにも顔をだしています。その彼女が初演技でもってフルヌードでスクリーンデビューを果したのです。
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エドガー・アラン・ポーの死の謎に大胆な解釈を盛り込んだ意欲作。だが、作家への愛が強過ぎて観る者にそれなりの知識を要請する映画といえそう。(点数 75点)

(C)2011 Incentive Film Productions, LLC. All rights reserved.
Everything you can imagine is real.(あなたが想像することは全て現実になる)
ピカソはそう言い残したのだそうだ。ポーの書いた猟奇小説が模倣犯の手によって現実化していくくだりは何もポーひとりの責任だとは言い切れない。人間は想像することを止められない動物だ。物理学者はアインシュタインの仮説から原爆を建造した。
この映画の中に登場するポーの小説を実現化する殺人鬼はそんな科学者の宿業の双生児なのである。
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気軽に楽しみたいゾンビ映画。(点数 55点)

(C)2011 Chiller Films. All Rights Reserved.
コリン・ゼイルズ監督がスティーヴ・ナイルズのグラフィック・ノベル「Remains」を実写映像化したゾンビ映画。
ネバダ州リノのカジノに勤務するディーラーのトム(グラント・バウラー)は、従業員のトーリー(エヴァレナ・マリー)と倉庫で性行為に興じている最中に突然大きな振動を感じて2人が店内に戻ると、周囲は荒れ果てた状態の上に客や店員は見当たらなかった。
なんとか警備室にたどり着いた2人が外の様子を写した防犯カメラの映像を観ると、街では人々がゾンビに食い殺されているという衝撃的な状況を知る。ゾンビに支配された街から生きて帰ることが出来るのか?!というお話。
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プロレス格闘技のファンでなおかつホラー映画のファンという方にとってはたまらなく嬉しい作品。(点数 75点)

(C)2011 MONSTER BRAWL INC & FORESIGHT FEATURES INC.
フランケンシュタイン、ミイラ男、狼男、レディ・ヴァンパイア、ゾンビマン、スワンプ・ガット、サイクロプスと言った8体の有名モンスターがリング上で激突する模様を描いた格闘系ホラー映画で、ジェシー・T・クックという方が監督、脚本、製作の三役を担った。
「モンスターの中で誰が世界最強なのか?!」、「モンスターたちの夢の対決」といった頭と心が大人になりきれていないようなボンクラ男児が思いつきそうなことを映像化した本作。見所は、当然の如くモンスター同士の身体のぶつかり合いであり、誰が優勝するのかが最大の気掛かりとなる。
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四つどもえのコカイン争奪戦! ノアールとアクションの融合が見事です。(点数 85点)

(C)Chic Films – PTD – Saga Film
実生活では、殴ったり、殴られたりする機会は少ないから、(あったら怖いけど)、テンポのいいアクションものって、好き。
実生活では、シンプルな方がいいけれど、映画は細かく伏線が張られ、大どんでん返しの数々が好き。
ダブルのアイスクリームみたいに、そんなふたつの要素が楽しめるのが、本作です。
車が襲われ、大量のコカインが強奪されます。犯人は、なんと! ふたりの刑事。
ドラッグの転売を企んだ犯行でしたが、首謀者の刑事・ヴァンサン (トメル・シスレー)は、腹部を刺され、傷を負ってしまいます。
その直後、別れた妻から「一人息子のトマと連絡がとれない」という電話が入って……。
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小国の小品である本作、なかなかの拾いモノだ!(点数 60点)

(C)2011 CACTUS FLOWER PRODUCCIONES S.L. / AVALON PRODUCTORA CINEMATOGRAFICA S.L. / BUNKER PRODUCCIONES LTDA
コロンビアとスペインの合作で、アンドレ・バイズという方が監督と脚本を担当したサスペンス・スリラー。
コロンビアの交響楽団に招かれたスペイン人指揮者アドリアンは、恋人ベレンを連れてコロンビアへやってくる。
2人はナチスの残党だった男が所有していた別荘を借りて生活をはじめる。
そんな折、ベレンがアドリアンの浮気を疑ったことで口論し、ベレンは出て行ってしまう。
バーへ飲みにいったアドリアンは店員ファビアナと恋におち、彼女を家に招き入れて2人で暮らし始めるが、家の中では不可解な出来事が連続することになる……というお話。
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ホラー映画らしさを存分に醸し出すことに成功しているが、ショック描写や恐怖感はうす味。(点数 50点)

(C)2011 Rhayuela Cine S.A. – Sudestada Cine S.R.L. – Alta Produccion S.L.U.
コロンビアを舞台にした戦争ホラー映画で監督はハイメ・オソリオ・マルケス。
ゲリラによる襲撃が原因で山間部の基地との連絡が途切れ、現地に派遣された9人の特殊部隊員。
そこには兵士たちの姿はなく、鎖でつながれた女と驚くべき記録が書かれた業務日誌が残されていた。
9人の兵士たちは、得体の知れない恐怖によって次第に疑心暗鬼にかられていく……というお話。
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ちょっと変わった戦争映画を観たいという方にオススメの一作(点数 70点)

(C) 2011 METRO-GOLDWYN-MAYER STUDIOS INC.
安全な戦争体験ツアーに参加した大富豪たちと彼らを保護する元アメリカ軍特殊部隊の傭兵が実際の戦争に巻き込まれてしまうというサバイバル系ミリタリー・アクションで監督はマキシム・コロスティシェフキー。
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ジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロ両監督がデビュー作『屋敷女』から4年後に完成させたホラー映画。(点数 75点)

(C)2011 LA FABRIQUE 2 / SND / PLUG EFFECTS / LA FERME PRODUCTION
母親の自殺によるショックから立ち直るべく訪問介護ヘルパーの職に就き、彼女の指導担当者ウィルソンと古い豪邸を訪れる。
そこには、かつては厳格なバレエ教師だった女主人ジェセルが昏睡状態のままで生かされ、眠り続けている。
この豪邸には彼女が貯めていた財宝が隠されているとの噂を聞き、リュシーが彼氏のウィルにそのことを話すと、ウィルがワル仲間のベンを誘って強盗計画へと発展してしまう。
深夜に3人がジェセル邸に忍び込み、1つだけ固く閉ざされたままの開かずの間を発見し、鍵を入手して扉を開けると、そこには死んだはずのジェセルの一人娘アナがバレエ衣装に身を包んで佇んでいた。これが凄まじき惨劇の始まりであった……。
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