◆年上女は奪わない(70点)
太平洋のあちらとこちらで時ならぬ“年の差恋愛”ブームが起きている。つい先日、サンドラ・ブロックがライアン・レイノルズを婿にしたと思ったら、TBSでは観月ありさが小池徹平を前におひとりさまの我が身を顧み、NHKでは黒木瞳が向井理をつかまえた。そして今度はキャサリン・ゼタ=ジョーンズが、ジャスティン・バーサ(『ナショナル・トレジャー』シリーズでニコラス・ケイジの手伝いをしていたお調子者ですね)の中に理想の彼氏を見出そうとしている。
◆年上女は奪わない(70点)
太平洋のあちらとこちらで時ならぬ“年の差恋愛”ブームが起きている。つい先日、サンドラ・ブロックがライアン・レイノルズを婿にしたと思ったら、TBSでは観月ありさが小池徹平を前におひとりさまの我が身を顧み、NHKでは黒木瞳が向井理をつかまえた。そして今度はキャサリン・ゼタ=ジョーンズが、ジャスティン・バーサ(『ナショナル・トレジャー』シリーズでニコラス・ケイジの手伝いをしていたお調子者ですね)の中に理想の彼氏を見出そうとしている。
◆そのボタンを押すか押さないか、とんでもない結末を招く選択!(70点)
全ての原因は結果を伴う。始まりはどんなに小さな事象であっても、後にとてつもなく巨大な何かに繋がってしまう事もあるのだ。若手映画監督リチャード・ケリー最新作『運命のボタン』はそんな普遍の真理を扱った意欲作。本作の主人公のとある夫婦は、ある日突然、実に奇妙で辛辣な選択に直面する。そして同時に、本作は「あなただったらどうする?」と、観る側にもその選択を突きつける。
◆問題企業の実態が、誇張とも現実ともとれるディテールで描かれるのが笑える(65点)
過酷な職場で煉獄のような日々を送る人に、元気を与えるユニークな物語は、2ちゃんねるの書込みから生まれた実話を基にしている。ニート生活から母親の死で一念発起した26歳のマ男は、プログラマーとして就職活動を行なう。だが、中卒の彼をようやく採用してくれたIT企業は、サービス残業・徹夜・ありえない仕事量など、超過酷でトンデモナイ職場。いわゆるブラック会社での毎日に、マ男は心身ともに限界に達していく。
◆人間の命の軽さを延々と描き、壮大な毒を持ったコミカルな寓話の体裁で鮮やかな反戦メッセージを謳いあげる。さらに、延々と続く会話の端々に忍ばせた蘊蓄に富んだディテールと緻密に計算された伏線が、緊張感を盛り上げる。(80点)
250人の敵を倒したドイツ兵は英雄に祭り上げられて、その活躍はプロパガンダ映画になる。米軍特殊部隊はドイツ兵をバットで殴り、頭皮を剥ぎ、額にカギ十字を刻む。独軍・連合国軍兵ともに敵の命を奪うことが快感という戦時の心理状態。そこには戦争の悲惨さや個人の思いなど微塵もなく、スリルを楽しむかのようにゲーム感覚で人を殺し人が殺されていく。映画は、人間の命などこれほどまでに軽いものであることを延々と描き、戦争が人間性を奪っていく現実を突きつけ、壮大な毒を持ったコミカルな寓話の体裁で鮮やかな反戦メッセージを謳いあげる。さらに、延々と続く会話の端々に忍ばせた蘊蓄に富んだディテールと緻密に計算された伏線が、いつ爆発するのかという緊張感に彩られ、片時も目が離せない。
◆田舎の農家で育った少女と、都会から来た転校生の間に芽生える友情を中心に、彼らの豊かな想像力と繊細な感受性が描かれる過程で、遠い記憶と記録の中にしか残っていない時代の家屋や風景、人々の生活が精密に再現される。(60点)
ガス式の冷蔵庫はあっても電話やテレビはまだ普及しておらず、子供たちのおやつはポン菓子。食べることに精いっぱいだった「戦後」は終わり、農村の生活は平穏を取り戻している。それでも、まだまだ便利さとは程遠く、人々は濃い人間関係に縛られて生きている。そんな田舎の農家で育った少女と、都会から来た転校生の間に芽生える友情を中心に、彼らの豊かな想像力と繊細な感受性が描かれる。もはや遠い記憶と記録の中にしか残っていない時代の家屋や風景、そして人々の生活が精密に再現され、知らないはずなのになぜか懐かしく、しばし子供のころに戻ったような感覚になる。
◆ひとりでは寂しすぎる、でもそこに行けば必ず誰かがいて、孤独ではないことが確認できる。昭和の面影が色濃く残る古い一軒家の食堂に集まる人々の小さな夢が少しだけ叶うとき、その心にろうそくの火のような暖かさが灯る。(50点)
ココではないどこかに行こうとしても、結局ココに戻ってきてしまう。自分が今いるところから離れようとしても、やっぱり癒され落ち着けるのは慣れ親しんだ場所。ひとりでは寂しすぎる、でもそこに行けば必ず誰かがいて、孤独ではないことが確認できる。昭和の面影が色濃く残る古い一軒家の食堂に集まる人々の小さな夢が少しだけ叶うとき、その心にろうそくの火のような暖かさが灯る。万歩計、ベレー帽、路面電車、タイプライター、エスプレッソマシン、石油ストーブ、古本屋…。つややかな映像からは電子機器に頼らない人間の温もりが伝わってくるようだ。
◆悲惨な死がサスペンスを盛り上げ、洞窟の閉塞感と迷路のような暗闇で奮い立たせる勇気、逃げ場がなくなり死が待つだけの絶望感、恐怖に立ち向かう過程で人間のエゴと生存本能、自己犠牲の精神が混然一体となって描かれる。(50点)
その正体が最初からわかっていながら見ているので、この続編は「いつ、どんな形でそれが姿を現すのか」という点が最初の楽しみ。そして、何の知識も持たない新しいキャラクターを登場させ、彼らが悲惨な死を遂げるうちにサスペンスを盛り上げる手法はここでも健在。洞窟の閉塞感と迷路のような暗闇で奮い立たせる勇気、逃げ場がなくなり死が待つだけの絶望感、迫りくる恐怖に立ち向かう過程で人間のエゴと生存本能、自己犠牲の精神が混然一体となって描かれる。
◆ナチス兵がぶち殺されるさまを皆で見る(60点)
ロッテリアの絶品バーガーのヒットを受け、本作も「つまらなくて途中退場した人は無料」キャンペーン(公開から4日間限定)を行うという。
◆どう考えても映画史上ナンバーワンのスペクタクル(80点)
『2012』には、人々がローランド・エメリッヒ(「デイ・アフター・トゥモロー」(04)、「インデペンデンス・デイ」(96)監督)に望むものがすべてある。彼の映画を好きな人なら、この秋必見の超大作である。
◆高校生に授業で見せるべき映画(70点)
この秀逸なタイトルは、原作となった2ちゃんねるのニュース速報(VIP)板におけるスレッドの名前から取ったという。とくに「ブラック会社」という、最近よく聞く用語の名づけが上手いと思う。
◆映像の迫力には圧倒させられる(80点)
2009年。惑星が直列に並ぶ現象を受けて、太陽の活動が活発化。強い放射線によって地球内部の熱が上昇していた。この異状をいち早く察知したアメリカの地質学者(キウェテル・イジョフォー)は、3年後の2012年に地球が終末を迎えると政府に警告。アメリカ大統領(ダニー・グローヴァー)は、各国の首脳の協力を取り付けて、あるプロジェクトを秘密裏にスタートさせた……。
◆先読みできない展開がすごい(75点)
ナチスやヒトラーと、その打倒を描いた映画は多いが、この作品はスタンスといい、切り口といい、まったくもって奇想天外だ。歴史的な事実を背景にしてはいるが、史実通りに描く気など、タランティーノには微塵もない。1941年、ナチス占領下のフランスで、家族を虐殺されたユダヤ人少女ショーシャナは、間一髪で逃げ延びる。成長した彼女は映画館を経営しながらナチスへの復讐を誓っていた。一方、イングロリアス・バスターズと呼ばれる連合軍のならずもので構成された極秘部隊は、レイン中尉をリーダーに次々にナチスを血祭りにあげて独軍をふるえあがらせる。独人美人女優で二重スパイであるブリジットの情報をもとに、ある極秘ミッションが計画されていたが、それはショーシャナにも復讐のチャンスとなる。