監獄島 - 佐々木貴之

◆アウトローたちによるアウトロー映画(75点)

 アメリカの人気プロレス団体WWEの製作第三弾作品で、スコット・ワイパー監督がメガホンを取ったB級娯楽アクション。

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マイレージ、マイライフ - 岡本太陽

◆ジョージ・クルーニーが敏腕リストラ請負人に扮する問題作!(70点)

 ジョージ・クルーニー扮する映画『マイレージ、マイライフ(原題:UP IN THE AIR)』の主人公ライアン・ビンガムはリストラ請負人。企業に雇われ人のクビを切りまくる彼の仕事は不景気の今最盛期を迎えている。酒もあるし、食事もある雲に囲まれた飛行機の中が、アメリカ各地を飛び回る彼にとってはまるでホーム。そんな生活が快適過ぎて、地に足を付けず、ずっと1人で気ままに生きてきたビンガム。しかし、彼は予期せぬ問題に直面する。それは今まで避けてきた、人との「つながり」を持つと言う事。

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BANDAGE バンデイジ - 小梶勝男

◆90年代の音楽業界を、愛情を込めて描いた佳作。映画初出演の赤西仁が軽薄だが憎めないロッカーを好演している(73点)

 若い頃、誰でも音楽に夢中になった経験があるだろう。自分自身のそんな時代を思い出させてくれる作品だった。

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パブリック・エネミーズ - 福本次郎

◆銀行強盗と逮捕、脱獄を繰り返し、大恐慌に苦しむ米国で「公共の的No1」と呼ばれた犯罪者に、政府の無策や銀行家の強欲に鬱憤をため込んでいた民衆は共感を寄せる。映画は彼の最期の1年に焦点を当て、その人間像に迫る。(50点)

 自ら囮となって刑務所に忍びこみ仲間を救出する大胆、1分40秒で金庫のカネを奪い人質を取って逃走する早業、FBIの包囲をものともせず強行突破する強運。銀行強盗と逮捕、脱獄を繰り返し、大恐慌に苦しむ米国で「公共の的No1」と呼ばれた犯罪者、殺人や誘拐を厭い、汚れたカネしか奪わない彼の犯行スタイルに、政府の無策や銀行家の強欲に鬱憤をため込んでいた民衆は共感を寄せる。映画は彼の愛と逃亡に明け暮れた最期の1年に焦点を当て、その人間像に迫る。

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宇宙戦艦ヤマト 復活篇 - 福本次郎

◆第一作からもう30年以上の時を経たが、相変わらずそこで描かれるのは異星人と戦う地球人という古臭い構図。艦長に出世した主人公もあくまで武力で敵を制圧することしか考えず、映画の価値観は米ソ冷戦時代から進歩していない。(40点)

 「無限に広がる大宇宙~」のナレーションで始まる導入部に思わず懐かしさが込み上げてくる。第一作からもう30年以上の時を経たが、物語の設定も20年の時が下る。その間、宇宙物理学も発展しここではマルチバースの概念が取り入れられている。ところが、相変わらずそこで描かれるのは古いタイプの悪党と戦う正義感に燃える地球人という古臭い構図。艦長に出世した主人公や部下もあくまで武力で敵を制圧することしか考えず、映画の価値観は米ソ冷戦時代から進歩していない。

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スノープリンス 禁じられた恋のメロディ - 福本次郎

◆青白い月の光が窓から差し込む夜の音楽室で、ピアノに向かう少女の指がドビュッシーの名曲を奏でる。艶めかしいほどに情感的なシーンは、日々の食事にも事欠く貧しさの中でも正直に生きようとする少年に宿る希望のようだ。(40点)

 青白い月の光が窓から差し込む夜の音楽室で、ピアノに向かう少女の指がドビュッシーの名曲を奏でる。艶めかしいほどに情感的なシーンは、日々の食事にも事欠くほどの貧しさの中でも正直に生きようとする少年の心に宿る希望のよう。彼は彼女の姿を「夜空色」の絵具でスケッチし、その思いを永遠のものにしようとする。映画は、素封家の娘と木炭焼きの孫の、身分違いの幼い恋を描く。力ずくで奪うには弱すぎ、諦めるには若すぎるふたりの関係は、お互いの胸の中でしか成就できない。雪のように淡く消えた切ない愛は記憶の中でのみ美しさを保つのだ。

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人間失格 ディレクターズカット版 - 渡まち子

◆アニメーションという表現が抜群の効果を発揮した(60点)

 太宰治生誕100年を迎え、彼の作品が続々と映画化されている。「人間失格」は太宰の自伝ともいえる代表作だが、この作品の世界観を表すのにアニメーションという手法で臨んだのが本作だ。昭和4年、裕福な家の生まれである大庭葉蔵は、東京で左翼運動のまねごとをしながら、目的のない日々を送っていた。運動を取り締まる特高警察から追われた葉蔵は、逃げ込んだカフェで恒子という女給と出会い、一緒に暮らすようになる。生きることを恥ずかしいと感じる葉蔵と、生きるのに疲れた恒子は、どちらともなく「一緒に死のう」とつぶやくのだが…。

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宇宙戦艦ヤマト 復活篇 - 前田有一

◆敗戦のトラウマをヤマトが晴らす(65点)

 『宇宙戦艦ヤマト』がなぜ中高年に人気があるかといえば、ぶっちゃけた話、この物語が日本人の敗戦のトラウマを晴らすものだからである。しかも、来年2010年の実写版を控えたこのアニメ版『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』の場合、敗戦コンプレックスの権化のような石原慎太郎が原案にクレジットされているのだから、なおさらだ。

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パブリック・エネミーズ - 前田有一

◆不況になると登場するヒーロー(55点)

 景気が悪くなり、世の中が殺伐としてくると、昔の犯罪者を肯定的に描く映画作品が作られる。かつては「社会の敵」といわれたほどの凶悪犯でも、手口が稚拙だったり、カタギに手を出さない律儀なところがあったりと、今どきの心無い連中に比べれば妙にのどかだ。人々はそれを見て、古きよき時代を懐かしんだりする。

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ジュリー&ジュリア - 前田有一

◆カリスマブロガーの美味しい挑戦(60点)

 最近若い女の子と食事をすると、みなこぞって料理の写真をとる。合コン中だろうが一流レストランだろうが、彼女たちはおかまいなしだ。対面にいるこちらが相手にされていないという事実は置いておいて、可愛い若い子たちにも、その中にはあつかましいオバサンの要素が含まれるということかと思う瞬間である。

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人間失格 ディレクターズカット版 - 前田有一

◆アニメのレベルは高いのだが(45点)

 古典を含む文学作品というものは、そうそう爆発的に売れるものではない。誰だってエンタテイメントの方が楽しいのだから当たり前だが、それを覆し、出版業界を驚かせた事件が2007年に起こった。それは、週刊少年ジャンプの人気漫画家たちに、そうした小説の表紙を描いてもらったところバカ売れしたというものだ。

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スノープリンス 禁じられた恋のメロディ - 渡まち子

◆描くことへの喜びや熱意があまり伝わってこない(40点)

 悲しくも美しい物語は、子供と動物という最強の組合せで涙腺を刺激する。昭和初期、雪深い北国の村に住む草太は、貧しく両親もいないが、祖父と二人でつましく暮らしていた。愛犬チビと、幼馴染で仲良しの少女・早代と日々を過ごし、絵描きを夢見る草太だったが、実業家の早代の父から彼女と会うことを禁じられる。祖父の正吉が亡くなり、ひとりぼっちになった草太は、せめて早代に自ら描いた絵を見せたいと願い、吹雪の中、彼女に会いに行くが…。

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ジュリー&ジュリア - 渡まち子

◆「おいしい」の一言を聞く至福にはかなわない(75点)

 料理は食べるため。食べるのは生きるため。だが、料理とは、栄養補給や空腹を満たす以上に、生きる喜びに通じる行為ではなかろうか。映画は伝説の料理研究家と現代を悩みながら生きる女性の人生をクロスさせるという巧みな手法を取る。1949年、ジュリア・チャイルドは外交官の夫の赴任先パリで、仏料理の素晴らしさに目覚め、友人たちと料理本を出版する。その50年後の現代、作家になる夢をあきらめ、冴えない毎日を送る料理好きのジュリーは、憧れていたジュリア・チャイルドの本にある524のレシピすべてを1年で作ると宣言、ブログにつづることを思いつく。悪戦苦闘の日々の中、やがて彼女のブログは大評判になるが…。

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ジュリー&ジュリア - 佐々木貴之

◆二つのストーリーを面白可笑しいコメディーテイストを取り入れて描いている(75点)

 今から約五十年前、フランス料理を一般家庭でも作れるようにと524にも及ぶレシピを載せた本を出版して、“食卓の革命家”として話題になってTV料理番組にも出演するようになった伝説の料理研究家、ジュリア・チャイルド。そんな彼女に影響を受けて、524のレシピを一年間で制覇するべく日々料理に励んで、その都度ブログに掲載している現代の冴えないOLジュリー・パウエル。この二人の女性のドラマを並行して描いたノーラ・エフロン監督作品。

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ジュリー&ジュリア - 福本次郎

◆「ボナペティ!」の声に思わずよだれがこぼれそうになる映像は、料理は作り手の気持ちが煮詰められていることを思い出さてくれる。食べるという行為は胃袋を満たすだけでなく、作り手の人生観が込められたラブレターなのだ。(80点)

 「ボナペティ!」の声に思わずよだれがこぼれそうになるくらい食欲をそそる映像は、料理は作り手の気持ちが煮詰められていることを思い出さてくれる。舌がとろけるような甘さが糸を引くデザート、頬が落ちるほど濃厚なバター風味のソース、牛肉とワインが絶妙のハーモニーを奏でる煮込み……。料理とは、そのままでは動物や植物の「死体」でしかない食材に再び命を与えるテクニック、そしてそれらを味わいつくして生きていることに感謝する行為。フランスという、料理が芸術の域にまで昇華された国の真髄を2人の米国人女性が受け継ぐ過程で、食べるという日常が単に胃袋を満たすだけでなく、愛そのものであると映画は主張する。

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