◆疎遠になった旧友に会いに行きたくなる(70点)
スランプ中の女流漫画化、高原菜都美(深津絵里)は、昼間からビールを飲み、ソファで昼寝をする体たらくな日々を送っていた。ある日、新人編集者の財前(福士誠治)が自宅に来た。財前は菜都美に仕事をするよう焚き付けるが、菜都美は意に介さず、ソファに寝転がる。夢に出てきたのは、12歳のころの自分だった……。
◆疎遠になった旧友に会いに行きたくなる(70点)
スランプ中の女流漫画化、高原菜都美(深津絵里)は、昼間からビールを飲み、ソファで昼寝をする体たらくな日々を送っていた。ある日、新人編集者の財前(福士誠治)が自宅に来た。財前は菜都美に仕事をするよう焚き付けるが、菜都美は意に介さず、ソファに寝転がる。夢に出てきたのは、12歳のころの自分だった……。
◆映画を愛する製作者の心意気が画面の端々まで行き届いている(75点)
さまざまな人種が入り乱れて混沌を極める1930年代の満州。沈着冷静な賞金ハンター"グッド"(チョン・ウソン)と冷酷な殺し屋"バッド"(イ・ビョンホン)とお調子者を気取るこそ泥"ウィアード"(ソン・ガンホ)が、宝の地図の争奪戦をくり広げる。果たして、ライバルから抜きん出て、最後に宝の地図を手にするのはダレだ?
◆むせび泣く姿が見る者の胸を打つ(90点)
バラエティに富んだ傑作を次々と生み出しているオリヴィエ・アサイヤス監督が、マギー・チャンを主演に据えた本作「クリーン」は、絶望のふちに立つシングルマザーが、苦悩を抱えながらも一歩一歩再生していく姿をリアルに描いた、見る者の心を揺さぶる魂の物語。マギー・チャンは第57回カンヌ国際映画祭において満場一致で女優賞を獲得した。
◆アーノルドの本音発言は爆笑必至(85点)
アメリカで70年代から80年代にかけてテレビ放映された伝説的な30分ホーム・コメディが、満を持して初のDVD化。日本でも「冗談は顔だけにしろよ?」の名セリフで一世を風靡。アラフォー世代以上であれば懐かしく思い出される人もいるだろう。
◆「能力低下キャンペーン」を実施するヴァンパイア(40点)
アメリカ最北端の北極圏に位置するアラスカ州のバロウ。厳冬期には氷点下30℃以下にもなるこの町には、24時間太陽が昇らない「極夜」が約30日続くシーズンがある。そんなシーズンの初日、住人が飼っていたハスキー犬十数頭が、何者かに惨殺された。保安官エバン(ジョシュ・ハートネット)はダイナーで不審人物を逮捕するが、その男は、ヨソ者の襲来をにおわせる不吉な予言を口にするのだった……。
◆親子で鑑賞するにふさわしい佳作(65点)
父とふたりで暮らす小学3年生の大志(武井証)は、パリに住む母(鈴木京香)から定期的に送られてくる手紙を楽しみにしていた。ところがある日、母がパリではなく、本当は瀬戸内海の小豆島にいることを知る。母に会いたくなった大志は、愛犬のアンと愛車の黄色い自転車と一緒に小豆島に向かう。小豆島で大志は母の秘密(記憶を失う病気)を知り……。
◆丸々2曲をフルコーラスで採用した制作者の心意気に敬意を表したい(65点)
仏教高校に通う高校1年生の純(渡辺大知)は、ボブ・ディランに憧れ、ギターでの曲作りを趣味にしている。文系男子の宿命なのか、学校では影が薄く、肩身の狭い思いをすることばかり。異性やロックに対する憧れと平凡な現実の差に悶々とする日々をすごしている。そんなある日、友人から「フリーセックスの島、行かへん?」と隠岐島旅行に誘われ……。
◆ひとりの女性の魅力と人間的な本質に真摯に迫ろうとした作品(75点)
舞台は1954年のフランス。15年の沈黙を破って、ガブリエル"ココ"シャネル(シャーリー・マクレーン)は復帰コレクションを開催するも、評論家たちから酷評されてしまう。彼女は改めて、孤児だった自分がファッション界のトップに上り詰めるまでのキャリアを振り返る。そこには、愛と創造の挟間で生き抜いてきた自分自身の姿があった……。
◆アンチ竹中派なら食あたり必至(55点)
個性派俳優としての枠を超えて、現れる場所場所でマニアックな笑いをふりまく希代のエンターテイナー。初監督作品「無能の人」(91年)以来、監督としては叙情的な作品を撮り続けてきた竹中直人が、監督6作目にして初めて娯楽作品にチャレンジした。
◆オリジナルを完全に凌駕している(85点)
舞台は香港。シングルマザーのグレイス(バービー・スー)が、見ず知らずの男たちに突然拉致された。グレイスは監禁先で、壊れた電話の配線をつなぎ、偶然にもアボン(ルイス・クー)という経理マンとの通話に成功。アボンはグレイスを救出しようと携帯を片手に奔走するが……。
◆人間の奇跡を描いた物語(75点)
ニューヨークの郵便局で、ひとりのベテラン局員が、突然、窓口に切手を買いに来た男を射殺した。前科もない品行方正を絵に描いたような局員がなぜ? 警察が彼の部屋を家宅捜索すると、1944年にイタリアで行方不明になった歴史的価値の高い彫像が見つかった。果たしてこの彫像と殺人の接点はあるのだろうか……?
◆歴史を見つめる視点はあくまでもフラット(75点)
社会変革を希求する女性ジャーナリスト、マインホフ(マルティナ・ゲデック)は、ある日、目の前で反米デモ中の学生が警官に射殺される現場を目撃する。正義と理想を掲げて行動するカップル、バーダー(モーリッツ・ブライプトロイ)とエンスリン(ヨハンナ・ヴォカレク)に出会った彼女は、その後、彼らと極左組織「ドイツ赤軍(RAF)」を結成し、武力闘争を始める……。
◆小劇場での公開から口コミで240館へ(70点)
北イタリアののどかな村の美しい湖のほとりで、少女アンナの他殺体が発見された。殺人事件として捜査の指揮をとるのは、村に引っ越してきたばかりのベテラン警部のサンツィオ(トニ・セルヴィッロ)。彼は、現場の状況から、顔見知りの犯行ではないかと推測するが……。
◆"孤独の影"がすっかりワンパターン化したニコラス・ケイジ(60点)
大学教授で宇宙物理学者のジョン(ニコラス・ケイジ)は、ある日、息子ケイレブ(チャンドラー・カンタベリー)が学校から持ち帰った、ギッシリと数字が羅列された不可解な手紙を目にする。それは、息子が通う小学校で掘り起こされた50年前のタイムカプセルに入っていたものだという。ジョンが手紙に書かれた数字の意味を調べると、その数字が未来に起こるさまざまな大惨事を予言したものであることが分かった……。
◆人間の本質に肉迫した力作(70点)
過疎化が進むとある小さな村で、ただひとりの医者として村人から慕われていた伊野医師(笑福亭鶴瓶)が失踪した。警察の捜査が進むに連れて、伊野という人間の不可解な正体が浮かび上がっていく。どうやら彼は経歴を詐称していたようなのだ……。