◆映像よりも書物向きの内容ではないか(30点)
『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』の原作は、雑誌の海外ミステリランキングなどでも絶賛された作品で、全世界1500万部以上を売り上げたといわれるベストセラーである。3部作の第一部を映画化した本作は、本国スウェーデンや同時公開されたデンマークで期待通りの大ヒットを記録した。
◆映像よりも書物向きの内容ではないか(30点)
『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』の原作は、雑誌の海外ミステリランキングなどでも絶賛された作品で、全世界1500万部以上を売り上げたといわれるベストセラーである。3部作の第一部を映画化した本作は、本国スウェーデンや同時公開されたデンマークで期待通りの大ヒットを記録した。
◆水問題を、おどろおどろしい編集で危機感をあおりまくるドキュメンタリー(60点)
石油をめぐり、世界の国々が戦争も辞さぬ獲得競争をしていることは常識だが、そうした時代が永遠に続くことはない。エネルギー源としてのみ見るならば、石油の代替になるものはすでにいくつもあり、あとはコスト次第というところまで来ている。
◆「甘さ」に疲れる(40点)
子供のいない夫婦にとって、離婚のハードルはさほど高くない。男にとっては経済的な痛手だがそれは、別れなくとも似たようなもの。基本的には、それほどドラマチックなイベントではなく、むしろアチラから言い出してくれりゃ万々歳、てなものである。
◆霞のような敵と戦っているようなもの(55点)
マイケル・ムーア監督が「反資本主義!」を叫ぶ最新作『キャピタリズム マネーは踊る』の制作中、偶然にも例の金融危機が起きた。ムーアはそのとき内心しめた、と思ったという。自ら選んだ題材のタイムリーさを確信したというわけだ。
◆個別の動きは素晴らしいが……(55点)
『マッハ!』(03年)で世界のアクション映画ファンに衝撃を与えたトニー・ジャーも、気づいてみればはや33歳。類まれなる運動能力も、ほうっておけば陰りが見えだす年齢である。
◆凄い映画だが、その凄さが伝わることはないだろう(60点)
「タイタニック」のジェームズ・キャメロン監督、構想15年の大作「アバター」を見て思うのは、こういう作品を普通の映画館でみてもダメだな、という事だ。
◆全日本人がみるべき作品(90点)
『海角七号 君想う、国境の南』という映画を考えるときもっとも重要なポイントは、「この映画が台湾で爆発的にヒットした」(同国映画としては史上一位)という事実である。
◆多国籍スタッフによるが、中身はいかにも日本的(45点)
3DCGアニメーションというものは、本来映画作りのフォーマットの一つに過ぎないはずだった。ところがピクサーという会社が、その分野であまりに凄いものを連発してしまったために、逆に後発のクリエイターから自由を奪ってしまったのではないかと私は考えている。
◆長きにわたるコメディシリーズもこれで最後(35点)
『男はつらいよ』以来の、松竹を代表する大型シリーズもついに最終回。だが『釣りバカ日誌20』は、あきれるくらいいつもと変わらぬおバカ映画であった。
◆上野樹里&玉木宏は最高に面白い(55点)
映画「踊る大捜査線」が邦画史上に残る大ヒットを記録したので誤解している人が多いが、フジテレビはテレビドラマの映画化というものに、それほど熱心ではない。ちなみにその反対はTBSやテレビ朝日。彼らに比べればフジは、オリジナル脚本に力を入れるなど、きわめてまっとうな映画作りに力を注いできた。だが残念ながら彼らの勇気ある挑戦は、(われわれ批評家の責任でもあるが)人々に浸透せず、興収面では低調に終わった。
◆意外な社会派ものであることに注目してほしい(70点)
アメリカ最大のプロレス団体WWEは、かなり前から映画制作にも進出している。そこでは自団体の選手を積極的に起用しているわけだが、みな第二のザ・ロックを目指せとがんばっている。
◆敗戦のトラウマをヤマトが晴らす(65点)
『宇宙戦艦ヤマト』がなぜ中高年に人気があるかといえば、ぶっちゃけた話、この物語が日本人の敗戦のトラウマを晴らすものだからである。しかも、来年2010年の実写版を控えたこのアニメ版『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』の場合、敗戦コンプレックスの権化のような石原慎太郎が原案にクレジットされているのだから、なおさらだ。
◆不況になると登場するヒーロー(55点)
景気が悪くなり、世の中が殺伐としてくると、昔の犯罪者を肯定的に描く映画作品が作られる。かつては「社会の敵」といわれたほどの凶悪犯でも、手口が稚拙だったり、カタギに手を出さない律儀なところがあったりと、今どきの心無い連中に比べれば妙にのどかだ。人々はそれを見て、古きよき時代を懐かしんだりする。