◆ディズニーが本気で送るネズミ映画(55点)
前代未聞の欠陥商品が多数登場するこのコメディー映画の後半を、決して笑ってみることはできないであろう。──世界でただ一人、トヨタ社長だけは。
◆ディズニーが本気で送るネズミ映画(55点)
前代未聞の欠陥商品が多数登場するこのコメディー映画の後半を、決して笑ってみることはできないであろう。──世界でただ一人、トヨタ社長だけは。
◆最後は暴力にものをいわせる豪快なホームズ映画(55点)
原作者アーサー・コナン・ドイルが19世紀に作り出した名探偵シャーロック・ホームズは、実写映画からテレビドラマ、はては犬アニメまで、何度も映像化されてきた。ミステリファンならずともその知名度は絶大で、彼が住んでいるベーカー街221B宛てに手紙を出せば、今でもちゃんと届くなどと言われている。本作はその、ドイルの原作に忠実な最新の実写映画化である。
◆平凡な時代劇だが、庶民を安心させるにはちょうどいい(45点)
いまは皆が苦しい時代である。ろくな仕事はなく、結婚も出来ない。ブログを書けば暇人に荒らされ、つぶやきを書き込んでもだれもフォローしてくれない。人々は時代のせいだという。いまの世の中が悪いのだ、と。
◆心を傷つけるおそれのある犯罪映画(70点)
少女を監禁して筆舌に尽くせぬ虐待をした事件といえば、日本人なら誰でもあの悲劇を思い出すことだろう。だが、世界に冠たる犯罪大国アメリカにも当然のこと、類似の事件がないはずはなく、シルヴィア・ライケンス事件という65年におきた痛ましいケースが有名である。かつてエレン・ペイジ主演で映画化もされているが、『隣の家の少女』はこの実在の事件を大きくアレンジした犯罪ドラマだ。
◆アニメ版でなく、大林監督版のファン限定作品(50点)
『時をかける少女』にしろ、『サマーウォーズ』にしろ、あるいは『耳をすませば』にしろ、その魅力はどこかノスタルジーを感じさせる点にある。「今では汚れきった俺にも、こういう純情だった時代あったよなぁ」などと感動するわけだ。
◆アカデミー賞受賞も当然の、いまアメリカに一番必要な映画(70点)
アカデミー賞はアメリカ映画界の業界人の政治的思惑で決まるものであり、作品の出来は二の次ですよと私は常日頃から言っているが、それを陰謀論だのユダヤのなんとかだのと批判する人がいる。
◆ドラえもんの魅力をまるでわかってない失敗作(35点)
春の風物詩、映画版ドラえもんの最新作だが、なにしろ今年は通算30本目ということで力の入れようが違う。原作はあれど映画としてはリメイクでないオリジナル、舞台は海底と、冒険のスケールも大きい。
◆自虐ネタと本格的スペクタクル(85点)
ギリシャ神話をネタに思い切り遊んだ『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』は、ほとんど確信的な「突っ込みどころ満載」映画といえる。
◆意外にも3Dがすごい(60点)
立体映画元年などともてはやされるデジタル3Dだが、『コララインとボタンの魔女 3D』はそれに昔ながらのストップモーション・アニメーションを組み合わせた一品。ストップモーション・アニメとは、被写体を1コマずつ撮影することで、粘土人形やぬいぐるみなどを、あたかも動いているように見せかける特撮技法のこと。CGで何でも動かせる現代においても、撮影者の技術や個性によって独特の「味」が出るこの手法の愛好者は多く、こうしてときおり新作が登場する。
◆ルームシェアする若者たちの、どこか異質な関係(55点)
日本の都市部の家賃は世界的にみても高額だが、欧米のようにルームシェアが普及することはあまり無い。間取りや国民気質の問題もあるが、不動産関連の慣例や契約が案外ガチガチで、居住者ががんじがらめにされているのも理由のひとつだろう。
◆メキシコを舞台に(55点)
ワールドカップ南ア大会も近いし、ここらでサッカー映画でも。──というわけで(もないだろうが)登場したのが『ルドandクルシ』。ノー天気な明るさに満ちたこのハートフルコメディは、しかしメキシコ映画界の誇る才能たちが本気で作った入魂の一本。
◆バレンタインデー、およびカップル専用(55点)
誰にでも、憎らしい奴というのはいるものである。その悪意は、ときに凶悪な事件となって社会を不安定化させ、人々を震撼させる。よって社会人ともなれば、いかに相手を憎んでいても、それを顔に出さぬよう我慢して生きるのが当然である。
◆カラヴァッジョの全集などとぜひ一緒に(45点)
休み時間のたびに女の子と図書室へ行って美術全集を眺めるという、奇妙な高校時代をすごした私であるが、そのとき本の中でひとり異彩を放つ画家がいた。素人目にもわかる、その異様な迫力は長く心に焼き付いていたが、いうまでもなくそれこそが、現在ブームでもあるカラヴァッジョであった。