傷ついた女性の再生物語(55点)
2003年に『死ぬまでにしたい10のこと』という作品が、ミニシアター系としては記録的な大ヒットとなった。本作はその監督&主演女優が再びタッグを組んだ人間ドラマ。『死ぬまでにしたい10のこと』については、作品の出来というより心に残る邦題が勝因だったのではないかと私は思っていたが、似たような邦題で公開するあたり、なるほどなと思う。
傷ついた女性の再生物語(55点)
2003年に『死ぬまでにしたい10のこと』という作品が、ミニシアター系としては記録的な大ヒットとなった。本作はその監督&主演女優が再びタッグを組んだ人間ドラマ。『死ぬまでにしたい10のこと』については、作品の出来というより心に残る邦題が勝因だったのではないかと私は思っていたが、似たような邦題で公開するあたり、なるほどなと思う。
ユマ・サーマン36歳のアイドル映画(75点)
この映画の魅力を知ってもらうにはどこかで予告編を見てもらうのが手っ取り早いのだろうが、残念ながら本編の面白いところをほとんど出してしまっているので、先に見るのはよしたほうがいい。予告編を事前に見るなとは矛盾もいいところだが、映画本体をより楽しむためには仕方がない。
主演二人のどちらかのファン向け(80点)
日本で大ヒットした『海猿』がハリウッドでリメイクされるという話をどこかで聞いて、それが頭の片隅にあったので、『守護神』のあらすじを聞いたときは「ああ、これがそうか」とずっと思っていた。……が、どうやらそれは違うらしい。沿岸警備隊の鬼教官に鍛えられる若き訓練生の訓練風景を主に描き、救命士としてデビューしたとたん、恐るべき難題に対峙するクライマックス。マジンガーZとテコンV程度のかすかな類似性は見受けられるものの、一応別物ということのようだ。
難易度の高い技に挑戦はしたが(45点)
『スターフィッシュホテル』は、いくつかの意欲的なチャレンジを行った個性的なドラマだ。すでに海外のいくつかの映画祭では高評価も得ている。在日英国人の監督と、同じく外国人撮影監督によるちょっと変わった日本の風景にも注目。
骨董品のごときバイクで無謀な記録に挑戦したオヤジの物語(80点)
最近、実話の映画化が多いような気がするがコレもそのひとつ。バイクいじり暦ウン十年、三度のメシよりバイクが好き。近所から変人扱いされているそんな爺ちゃんが、あろう事か世界最高峰のスピードレースに挑戦するという話。映画はロードムービー風味の、心温まるさわやかな感動ドラマになっている。
日本人の被害者、関根さんの不在ぶりに泣けた(55点)
2001年、JR新大久保駅のホームに転落した人を助けるべく、韓国人留学生と日本人のカメラマンが線路におり、そのままやってきた電車にひかれ亡くなったという痛ましい事件があった。本作はその映画化。日韓合作で、両国の変わらぬ友情を願う気持ちを込めて製作されたという。
白人視点から描くルワンダ事件(75点)
昨年話題になった『ホテル・ルワンダ』と同じルワンダ虐殺事件を、別の切り口で描いた劇映画。あれだけの傑作の後発という厳しい立場ではあるが、なかなかどうして見ごたえのある一本であった。
結末を知ってると面白さ半減(85点)
手遅れかもしれないが、この映画に興味を抱いた人に、私からひとつ重要事項をアドバイスしたい。それは、もしアナタがこの作品の元となったクリス・ガードナーという男の実話の、とくに結末について何も知らないのならば、何も読まず聞かず 先に映画館に行ってきなさいということだ。
VFXと妻夫木聡と柴咲コウを見る映画、ではあるが(45点)
「どろろ」は根強いファンを持つ手塚治虫の同名原作を、20億円という邦画としては巨額の予算をかけ、VFXの見せ場たっぷりで作られた妖怪アクション映画だ。大作だけに妻夫木聡&柴咲コウという金看板二枚を主演に据える万全の体勢。ヒットしてくれないと困りますよ、というわけだ。
すべての男が見るべき大傑作(98点)
2006年の総評でもちらと触れたが、昨年私が見た数百本の映画の中で、もっとも面白かった映画がこれである。痴漢冤罪という、誰にでも実感できる切り口で日本の刑事裁判の抱える問題点を描いた社会派映画。しかしながら堅苦しさはゼロで、娯楽度満点。先が気になる度がきわめて高いストーリーと、へぇ連発のディテール。どこをとっても完璧に限りなく近い、まさしく年度を代表する傑作といえる。
演技達者の二人に不満は感じないが、なにか物足りない(40点)
日経新聞朝刊に連載された渡辺淳一の同名小説は、朝から下半身を元気にさせてくれる描写が満載で、オジサマたちの間でひそかに話題となっていた。やがてそのブームは映画界にも飛び火し、このたびめでたく一級の役者をそろえて映像化されることになった。それがこの「愛の流刑地」、通称愛ルケである。
主人公の特殊な性格設定が効果をあげていない(40点)
塚本晋也監督は、個性的な作風が海外で高く評価されている映画作家だが、新作『悪夢探偵』は娯楽に徹して作ったという。ジャンルはサイコサスペンスで、主演は松田龍平。監督自身も重要な役柄で出演している。
子ども映画として見ればまあまあ(35点)
『バッテリー』の原作小説は、児童向け文学ながら大人の読者の心をもつかみ、全6巻が500万部を超えるベストセラーとなった。となれば人気コンテンツの常で、まずは漫画化、そしていよいよ実写映画化というわけである。
このドキュメンタリーだけではまだまだ説明不足(40点)
甲野善紀という人物について、知らない人のために説明しよう。この人は日本の古武術を独学で研究するストイックな武術家だが、その真髄、奥義を現代の日常生活や介護の場に応用するという、ユニーク試みをすることで知られている。