告白シーンが変(10点)
ドリームズ・カム・トゥルーの名曲『未来予想図』そして『未来予想図II』は、カラオケ上手な女の子の最終兵器として当時は絶大な人気を誇っていた。安い中古車で彼女を送っていったあと、ブレーキをカクカク5回も踏んで、毎晩ムチ打ち気味になっていたかつての貧乏学生たちにとって、その映画化となればこれはもう、「多少の齟齬は目をつぶるから泣かせて頂戴」てな気持ちで前売り券を買うこと決定な一本である。
告白シーンが変(10点)
ドリームズ・カム・トゥルーの名曲『未来予想図』そして『未来予想図II』は、カラオケ上手な女の子の最終兵器として当時は絶大な人気を誇っていた。安い中古車で彼女を送っていったあと、ブレーキをカクカク5回も踏んで、毎晩ムチ打ち気味になっていたかつての貧乏学生たちにとって、その映画化となればこれはもう、「多少の齟齬は目をつぶるから泣かせて頂戴」てな気持ちで前売り券を買うこと決定な一本である。
『ALWAYS 続・三丁目?』に対抗しようとしても無理(40点)
東宝による横綱級の話題作『ALWAYS 続・三丁目の夕日』に対し、東映はなんと同じ昭和30年代を舞台にした浅田次郎の感動小説『オリヲン座からの招待状』映画版を同日公開でぶつけてきた。『ALWAYS』ほどではないにしろ豪華セットやVFXで当時の街並みを再現し、真っ向対決の構えである。
沢尻エリカは弱点ばかりが露見して気の毒(35点)
賃貸住宅に入居すると、まれに以前の住民の忘れ物(?)に遭遇する。大抵は、(解除し忘れたのであろう)定期的に送られてくる通販下着カタログの類であり、宛名がかわいらしい女性の名前でもない限りは迷惑の極みであるが、これがもし洗面所の鏡の裏に隠された分厚い日記帳だとしたらどうだろう。はたしてあなたは、見知らぬ誰かの物語に入り込む欲求を抑えることができるだろうか。
シナリオは平凡だが、演出には光るものあり(70点)
劇場用アニメーションにおける時代劇アクションは、まだまだ開拓の余地があるジャンルの一つだ。少なくとも、ファンタジーやロボット、近未来ものに比べたら、ただそれだけで新鮮さを感じさせるだけの鮮度がある。『ストレンヂア -無皇刃譚-』を制作したアニメ会社のボンズは、そのあたりを重々理解したうえで、自分たちの作風をしっかりとこの個性的な映画に反映させた。
ジャン=クロード・ヴァン・ダムがあんな姿に(40点)
ジャン=クロード・ヴァン・ダムといえば、レンタルビデオ店のヒーロー。わざわざ電車に乗って映画館に出かけてまで見たいわけではないけれど、一杯引っ掛けての帰宅途中、ビデオ店で何を借りていいか選ぶのも面倒になったとき、なぜか目に入ってくる男である。苦虫を噛み潰したようなその顔をブラウン管で眺め、回し蹴りのひとつも出てくるころにはこちらもグッスリ眠っているという、そんなB級アクション映画ばかりを作り続ける男。独身サラリーマンの映画ライフには欠かせない存在といえるだろう。
ハル・ベリー、再びラジー賞候補か(30点)
魅力的な宣伝コピーを見ると、いやがうえにも期待が高まる。そして、それが過剰宣伝だとわかったときの落胆は、果てしなく大きい。『パーフェクト・ストレンジャー』のコピー「ラスト7分11秒、想像を遥かに超える"衝撃の真実"が明かされる」などは、その最たるものといえる。
あたふたする完璧女はかわいらしい(65点)
私たちの日常生活においては、出産にせよ恋人にせよその前段階で心の準備をする余裕があるものだ。たとえば、友人関係から徐々に盛り上がっていくとか、10ヶ月の妊娠期間中に精神的にも母となっていったりという具合に。しかし映画の中では、突然それらがやってくるシチュエーションを設定し、意図的にドラマを作り出していくのが常道である。ドイツ映画『マーサの幸せレシピ』(01年)を丁寧にリメイクした『幸せのレシピ』も、その例に漏れない。
タランティーノ版とセットで見比べるのも一興(70点)
9月1日から公開されている『デス・プルーフ in グラインドハウス』(クエンティン・タランティーノ監督)に続く、「往年のB級アクション映画の復刻版」第二弾。本来この2本は同時上映するために作られたが、日本ではディレクターズカットとして長めに再編集され、おのおの単独で上映されることになった。こちらの監督はタランティーノの盟友、ロバート・ロドリゲス。
ベッソンの個人的趣味を反映したヒロインが気持ち悪い(30点)
映画作りに疲れきったフランスの映画監督リュック・ベッソンは、この子供向けファンタジーアニメ三部作を最後に引退を宣言している。
ヒーローものとしてのツボを押さえつつ、無理に背伸びせずまとめた(70点)
スパイダーマンやX-メンをはじめとするマーベル社のアメコミヒーローの中でも最古参であるファンタスティックフォーは、本国での人気がきわめて高い。
面白くて飽きないが、それだけ(60点)
スリラーやサスペンスでは、脚本が映画そのものの出来を大きく左右することについては異論のないところだろう。ベテラン脚本家のラリー・コーエンの場合、このサイトでもオススメした『フォーンブース』(02年)、『セルラー』(04年)と、近年その分野で変わらぬアイデアマンぶりを発揮しており、その最新作である本作にかかる期待もおのずと大きいものになる。
衝撃的なオープニングと至福のラスト(85点)
『ニュー・シネマ・パラダイス』(89年、伊/仏)は、公開当時都内のミニシアターで驚異的な長期間上映が行われ、単館系の作品としては例外的な大ヒットを記録した。その名監督ジュゼッペ・トルナトーレによる、本格的なミステリードラマがこの『題名のない子守唄』。邦題を見て、どうせテレ朝の長寿番組にあやかった流行のクラシック音楽映画だろと考えていた私は、あやうくこの傑作を見逃すところであった。
柳楽優弥の押尾学化に驚かされる(55点)
柳楽優弥は、『誰も知らない』(04年)で、カンヌ国際映画祭男優賞を史上最年少(14歳)で受賞した華麗な経歴を持つ。ピュアな風貌のこの子供が、この先どんな方向に進むのか、当時の映画関係者は期待と不安をもってみていたものだ。あれからわずか3年、彼は本作で早くも役者としてのターニングポイントを迎えた。そして、あのときのあどけない少年は、意外な方向へと歩き始めた。
怖さから面白さへチェンジ(70点)
全身を金粉メイクした芸人が"皮膚呼吸"できずに死んだとか、中国の見世物小屋で両手両足を切断されたダルマ女性が日本語で助けを求めてきたとか、殺人場面を収録したスナッフビデオが高額で取引されているといった数々の都市伝説。そのほとんどは根拠のない嘘っぱちだが、「もしかしたらあるかもしれない」シンプルなリアリティが、我々の興味をひきつけてやまない。
コンテンツを育てようという気がない(40点)
私はテレビ局が人気ドラマを映画化することについては全面的に肯定する立場だが、その出来がダメダメな場合は容赦なく批判させてもらう。フジテレビドラマ史上最高の視聴率を誇る"最強"コンテンツ『HERO』は、残念ながらそれにあたる。