スティーブン・キングの原作を変更、凌駕した大傑作(90点)
フランク・ダラボン監督とスティーヴン・キング原作のコンビには、「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」という傑作がある。鬼門とさえ言われるほど難しいキング作品の映画化を、ほとんど唯一成功させているのがこの監督なのだ。だから、ファンに人気の中篇『霧』をフランク・ダラボンが手がけたのはある意味必然。そしてその期待に彼は、三たび完璧にこたえた。映画『ミスト』は、必見の衝撃作である。
スティーブン・キングの原作を変更、凌駕した大傑作(90点)
フランク・ダラボン監督とスティーヴン・キング原作のコンビには、「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」という傑作がある。鬼門とさえ言われるほど難しいキング作品の映画化を、ほとんど唯一成功させているのがこの監督なのだ。だから、ファンに人気の中篇『霧』をフランク・ダラボンが手がけたのはある意味必然。そしてその期待に彼は、三たび完璧にこたえた。映画『ミスト』は、必見の衝撃作である。
ジャーナリスト3人が踏み込んだ先は……(60点)
チベット問題について一貫して中国批判の態度をとり、積極的に発言もしているリチャード・ギアの日本最新作は、その社会派としての面を強調する作品となった。
OL必見のオフィスビル内閉じ込めサスペンス(70点)
外敵をシャットアウトする鉄壁のセキュリティの内側に犯人がいた場合、ガードの強さはそのまま脱出の困難さに変貌する。『P2』は、その防犯設備があだとなり、勤め先のビルに閉じ込められてしまう哀れな女の子の話だ。
大ヒット同人ゲームがついに映画化(10点)
爆発的人気を誇る原作の同人ゲームを未プレイのままこの実写版を見た私は、終映後になってもいったいこの話の何が面白いのか、さっぱりわからなかった。「いや、コレから初めて原作全部(ゲーム8本)やれば面白いんですよ」と映画会社の人はいうが、それならゲームだけやればいいじゃないかと正直思った。
靖国神社参拝問題を扱った話題沸騰のドキュメンタリー(0点)
右翼勢力の妨害行動により一部の映画館が上映を取りやめた件で、「表現の自由の危機」うんぬんを語り大騒ぎしている団体・メディア等は、表現の自由というものを根本的に勘違いしている上、問題の本質について不理解あるいは意図的に隠そうとしている。
東京ビッグシティマラソンで爆弾テロ発生か(30点)
テレビドラマの映画版について批評するのは難しい。本来テレビのファンだけが楽しみに見るものだから、個人的にはあまりうるさい事は言いたくない。だが映画として評価すれば、たいてい厳しいものになってしまうのは避けられぬ。あらすじと見所だけ書いてお茶を濁せばいいのだろうが、批評家を標榜する以上それもどうかと思う。ようは、どう書いても他人に恨まれるだけで、ろくな事にはならない。私などは、批評家なんぞ嫌われてなんぼと開き直っているから良いが、他の同業者の方はいったいどうしているのだろう。
ラブホテルの屋上にちっぽけな公園が?!(55点)
カンヌ、トロントに並ぶ世界三大映画祭のひとつベルリン国際映画祭(08年)で、日本人初となる最優秀新人作品賞を受賞した『パーク アンド ラブホテル』は、熊坂出(くまさかいずる)監督の長編デビュー作。
フジ&東宝が柴咲コウにすべてをかけた話題作(4点)
いま日本で一番客を呼べる女優・柴咲コウを主演にすえた『少林少女』は、まぎれもない2008年ゴールデンウイークの目玉。しかし、その出来ばえはまるで、剪定せずに荒れ、伸びきった盆栽。いったいどの方向から見ればよいのかわからず、またどこから見てもどうしようもない。
ゲームブックやファンタジー小説でおなじみのモンスターが(75点)
『スパイダーウィックの謎』は、やたらと大風呂敷を広げたがるファンタジー映画が多い中、身の程をわきまえた堅実なつくりの好編。小学生くらいの子供たちはもちろん、TRPGやゲームブック世代のファンタジーファンにもすすめられるいくつかの要素を持っている。
2分先の未来予知ができる男は核危機を救えるのか?(30点)
ニコラス・ケイジ(『シティ・オブ・エンジェル』(98))にしろジュリアン・ムーア(『フォーガットン』(04))にしろ、演技力と存在感を併せ持つスターだというのに、いまだにこの手の迷作珍作またはB級作に出演してくれるというのは、妙におちゃめで好感がもてる。
マンモスと人が共存した時代のアドベンチャー(65点)
バイオリズムがマゾ期に突入しているアメリカ映画界は、愛国プロパガンダの雄ローランド・エメリッヒ監督にさえ、古代アドベンチャーの形を借りて反省ゴメンナサイ映画を作らせるほど絶好調である。
ロバート・レッドフォードらしい社会派政治ドラマ(70点)
ここ最近、政治的なアメリカ映画が多いのは、ひとえに今年が大統領選挙の年だから。その意味では、それらの政治映画がことごとくプロパガンダであるという見方は決して間違ってはいない。
堂本光一が好演「お前なんか、握ってやる!」(20点)
当初から映画版の製作を考え、ドラマ版の内容とも密接な関係を持つ『銀幕版 スシ王子!』。テレビドラマの映画化は数あれど、本作ほど「一見さんお断り」な作品はほかにない。