逃亡犯を父親に持つ少年の、変わらぬ親子愛(50点)
実話を基にした映画というのは、元ネタが強力な吸引力を持っている場合がほとんどで、よほど下手をうたなければそれなりに見られるものになる。──だが同時に、傑作レベルに昇華させるには相当な手腕が必要となる。
逃亡犯を父親に持つ少年の、変わらぬ親子愛(50点)
実話を基にした映画というのは、元ネタが強力な吸引力を持っている場合がほとんどで、よほど下手をうたなければそれなりに見られるものになる。──だが同時に、傑作レベルに昇華させるには相当な手腕が必要となる。
シングルマザーが味わう未曾有の苦しみ(80点)
脳性麻痺の女性の恋愛物語「オアシス」(02年、韓国)は、このサイトで絶賛したから覚えている方も多いかも知れない。『シークレット・サンシャイン』はそのイ・チャンドン監督の最新作で、これまた大いに引き込まれる本格ドラマだ。
花嫁付添い人を27回も務めたヒロインがウェディングドレスを着る日はくるのか(50点)
アメリカの結婚式には、新婦の身の回りの世話を焼く花嫁付添い人なる存在がいる。日本の場合はほとんど業者のサービスの範疇と思うが、あちらでは知り合いの女性に頼むのが普通らしい。『幸せになるための27のドレス』は、その花嫁付添い人ばかりを27回も繰り返しているお人よしなハイミスの恋愛物語。
井上和香&西川貴教が初主演でダメカップルに(30点)
青春合唱ムービー『うた魂(たま)♪』が公開されたばかりの田中誠監督最新作は、cinemusicaの第5弾。cinemusicaとは音楽と映画のコラボ企画で、プロモーションの相乗効果を狙ったビジネス企画だ。この『コラソン de メロン』は、女子高生バンドのSCANDALの主題歌とコンビを組んだラブコメ作品となる。
“財布が主人公”の宮部みゆきミステリを映像化(60点)
日本を代表するミステリ作家、宮部みゆき。その文章は比較的癖がない方だが、彼女はときおり強烈な変化球を投げる。本作の原作『長い長い殺人』もそのひとつで、11章立ての連作短編はすべて誰かの"財布"による一人称で語られる。各短編の主人公が異なるだけでも難しい構成だが、それが全部無生物の財布というのだから驚かされる。
サイボーグの綾瀬はるかとラブラブ同棲?(採点不能)
『僕の彼女はサイボーグ』は、『猟奇的な彼女』(01年、韓国)のクァク・ジェヨン監督が、綾瀬はるか&小出恵介の魅力をこれまでにないほど引き出したラブコメディの傑作である。しかも見終わった後、多くの人は言葉を失うほどの衝撃を受ける。
2夫婦が互いの相手と不倫してしまったら?(70点)
「他人の奥さんはかわいく見える」という人は、他人から自分の奥さんがかわいく見られているという事実に案外気づいていない。
S・スタローンのミリタリーアクション、20年ぶりの復活(70点)
不滅のアクションスター、シルベスター・スタローンは自身の代表シリーズたる「ランボー」を「現代の西部劇」と称したが、まさに言い得て妙だと思う。
タイ北部で隠遁生活を送るベトナム戦争の英雄ランボー(シルヴェスター・スタローン)は、迫害されているキリスト教徒らに医療物資を届けたいNGO職員サラ(ジュリー・ベンツ)から、ミャンマーまで船で送ってほしいと依頼される。危険すぎると反対するも、その熱意に打たれ無事送り届けたランボーだったが、その直後にサラと仲間の職員は襲われ政府軍に拉致されてしまう。
ケヴィン・コスナー演じる殺人鬼の正体は意外なことに……(70点)
ここ7、8年ぱっとしないケビン・コスナー(「ボディガード」(92)「ダンス・ウィズ・ウルブズ」(90)など)は、『羊たちの沈黙』のハンニバル・レクターに匹敵する個性的な殺人鬼キャラをなんとかこの作品で誕生させ、自らも表舞台に返り咲くべく並々ならぬ意気込みで挑んでいる。
あれから1300年が過ぎたナルニア国は滅亡の危機に瀕していた(55点)
© THE CHRONICLES OF NARNIA, NARNIA, and allbook titles, characters and locales original thereto are trademarksand are used with permission.
© Disney Enterprises Inc., andWalden Media LLC.
映画「ナルニア国物語」シリーズは見た目が子供じみているため、宗教的教訓要素を見出し楽しもうといった大人っぽい味わい方がどうもやりにくい。
イーサン・ホークの自伝的小説を映画化(55点)
個性的な作品に出演し続ける俳優で、小説や脚本も書けば監督もできる。そんな多才なイーサン・ホークの、集大成のような映画が『痛いほどきみが好きなのに』だ。
ネルソン・マンデラの公式半生記(65点)
ネルソン・マンデラといえば反アパルトヘイト運動。その偉大なる指導者にして、南アフリカ初の黒人大統領にまで登りつめた男だ。『マンデラの名もなき看守』は、99年に政界引退した彼がはじめて映画化を許可した伝記もの。現在のところ唯一の、ネルソン・マンデラ公式半生記といえる。
トム・ハンクスの新作は、世界を変えたエロ代議士のお話(70点)
"事実は小説より奇なり"というが、こと政治テーマにおいてはその"小説より奇なる事実"さえ、疑ってかかる必要がある。
黒澤明の名作を、長澤まさみ&ジャニーズ松本潤主演でリメイク(10点)
『隠し砦の三悪人』は黒澤明監督がのこした数々の傑作の中でも、特に「ファンに愛されている」作品ではないか。そんな、一定の年齢以上の日本人にとって大切な宝物のような映画作品のリメイクに、樋口真嗣(ひぐちしんじ)監督は『THE LAST PRINCESS』(ざ・らすとぷりんせす)というイカすタイトルをつけた。そのカッコよさはまるでポケモン映画のよう。思わず涙が出る。