◆東京スポーツのトンデモ1面記事を映画化したらこんなふうになるだろうか。“記録映像”と再現映像を並べて見せる手法が面白い(65点)
東京スポーツに載った宇宙人の死体写真やゴム人間の記事を見て、新聞なのにウソを書くなと怒る人は無粋だろう。もし本作を見て怒る人がいたとしたら、同じように無粋だと思う。本作の"記録映像"の真偽については、この際、考えても意味がない。ただ、騙される楽しみを失わないためにも、あくまでも「超常ドキュメンタリー」として見るべきだろう。
◆東京スポーツのトンデモ1面記事を映画化したらこんなふうになるだろうか。“記録映像”と再現映像を並べて見せる手法が面白い(65点)
東京スポーツに載った宇宙人の死体写真やゴム人間の記事を見て、新聞なのにウソを書くなと怒る人は無粋だろう。もし本作を見て怒る人がいたとしたら、同じように無粋だと思う。本作の"記録映像"の真偽については、この際、考えても意味がない。ただ、騙される楽しみを失わないためにも、あくまでも「超常ドキュメンタリー」として見るべきだろう。
◆「ユーロ・トラッシュの帝王」ジェス・フランコのゾンビ映画。ユーロ・トラッシュとは何かを知るには格好の作品(20点)
最近、ヨーロッパのZ級映画を「ユーロ・トラッシュ」と呼んで再評価する傾向がある。言葉はお洒落な感じだが、要するにヨーロッパのクズ映画というわけだ。その代表格として有名なジェス・フランコ監督が1981年、当時のゾンビブームに乗って発表したのが本作。A・M・フランク監督との表記もあるが、フランコの変名の一つだ。「オアシスゾンビ」としても知られている。当然ながら日本で劇場公開はされていない。
◆ホラー&サスペンス好きのみならず、アーミーフリークにとっても見ごたえのある作品(60点)
スリルあふれるサバイバルゲーム「ペイントボール」に参加するため、深い森の中のフィールドへとやってきたデビッド(ブレンダン・マッキー)やアンナ(ジェニファー・マター)を含めた8人。ゲームがスタートするやいなや、あろうことか仲間のひとりが実弾で撃たれた。実弾を放ったのはいったい誰なのか? 次々と犠牲者が増えるなか、参加者たちは焦燥感を募らせていく……。
◆女子高生対狂女。ブレブレの手持ちビデオキャメラの映像に妙なリアリティーを感じさせられる(50点)
タイトルからしてZ級のにおいがプンプンしているが、本当にバカな映画だった。まずはDVDのジャケット。よくあることだが、映画と全く関係なし。美人でかっこいい女子高生たちが並んでいるが、本編には誰一人として、一切出てこない。
◆想像を超える最低映画。見どころは一つもないとも言えるし、驚きの連続とも言える。なぜか見た後、幸せな気持ちになってしまった。(35点)
「見たら頭が痛くなる」「目がチカチカする」などとウワサを聞いていたが、幸いそのような症状は出なかった。しかし、唖然としてなぜか多幸感に襲われ、寝付きが悪くなってしまった。1953年製作のモノクロ映画で、監督はフィル・タッカー。音楽はエルマー・バーンスタインだが、勿論、「大脱走」などを作曲したあの人とは別人だ。本当に安いテイストで、ジャケットに「チープSF代表作」とあるが、まさにそんな感じだ。
◆エイリアンによる誘拐を題材にした残念な映画(10点)
ドキュメンタリーとフィクションがスクリーン上で所どころ同時に進行するというスタイルをとった映画『THE 4TH KIND フォース・カインド(原題:THE FOURTH KIND)』。2000年に実際にあったアビゲイル・タイラー博士にまつわる事件の一部始終を、ビデオ撮影された『ブレアウィッチ・プロジェクト』の様なドキュメンタリー的映像として見せ、それを基に制作されたミラ・ジョヴォヴィッチがタイラー博士に扮するストーリーはビデオで撮影されていなかった裏の出来事を描いてゆく。そのトリックによる効果が人々の恐怖心と好奇心を煽る事を期待した本作だが…。
◆知られざる未公開映画の世界。日本的な伝説にゾンビのテイストを加え、「ブレアウィッチ」的な手法で撮ったゾンビ・スプラッター(55点)
劇場公開されず、DVDのみで発売されるような自主制作、インディペンデントの作品の中にも、意外に面白かったり、驚かされたり、呆れたり、マニア心をくすぐられたり・・・・とにかく、無視するには惜しいものがある。「B級」どころか、時には「Z級」かも知れない作品群だが、そこにも映画の楽しさは確実に存在する。そんな作品を少しでも伝えたいというのも、「映画ジャッジ!」に参加した理由の一つだ。もちろん、劇場公開作と比べ、予算も人手も時間もかけられていないので、同じように評価は出来ない。そこで、<未公開作としての評価>と明記して点数を付けることにした。「知られざる未公開映画の世界」を少しずつ紹介していきたい。
◆「ホラー映画向上委員会」第1回上映作。日本的な恐怖を描いて、自主映画としては驚くほど出来がいい。(85点)
今年8月、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)のホラー映画コミュニティで知り合ったファンらが「ホラー映画向上委員会」というグループを結成した。名前の通り、ホラー映画の地位向上のため、良質のホラーを選んで上映するのが目的だ。
◆B級映画らしい面白さの中に、Z級映画のバカバカしさが顔を出し、意外に楽しめるSFコメディー(66点)
本作は元々、超低予算で撮影する予定がどんどん規模が膨らんでいったという。結果、大作とはいえないがそれなりの格好になった。もっとも、Z級がB級になった程度ではある。だが、Z級らしいバカバカしさが消えずに残っているのがかえっていい。それがスパイスとなって、独特のテイストに仕上がっている。
◆そのボタンを押すか押さないか、とんでもない結末を招く選択!(70点)
全ての原因は結果を伴う。始まりはどんなに小さな事象であっても、後にとてつもなく巨大な何かに繋がってしまう事もあるのだ。若手映画監督リチャード・ケリー最新作『運命のボタン』はそんな普遍の真理を扱った意欲作。本作の主人公のとある夫婦は、ある日突然、実に奇妙で辛辣な選択に直面する。そして同時に、本作は「あなただったらどうする?」と、観る側にもその選択を突きつける。
◆恐ろしさと同時に面白さも漂わせる(70点)
ドイツのある高校で教師ベンガー(ユルゲン・フォーゲル)は、独裁政治の特別授業を担当することになる。ベンガーは自ら指導者となり、独裁制の体験学習を実行する。最初はやる気のなかった生徒たちも次第に魅了され、学校外でも様々な活動をやらかしていく。その活動は、ベンガーの予想を遥かに超越するほどエスカレートしていく……。
◆家族向け? いやいや、これは実はパニック・ホラー映画だ(65点)
『Disney’s クリスマス・キャロル(原題:DISNEY’S A CHRISTMAS CAROL)』は言わずと知れたイギリスの文豪チャールズ・ディケンズの名作を映画化したもの。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『フォレスト・ガンプ』で知られるロバート・ゼメキス監督が贈る本作は、『ポーラー・エクスプレス』以降ゼメキス監督が制作し続けているモーション・キャプチャーCGアニメーション映画第3弾だ。また『ベオウルフ/呪われし勇者』でも好評だった3Dプロジェクションで、クリスマス・シーズンに驚きと感動を届ける。
◆衝撃的なクライマックス(70点)
「es【エス】」(2002年)といえば、1971年にスタンフォード大学で行われた「刑務所を舞台にした権力への服従実験」を下敷きにしたシチュエーション・ムービーだが、本作「THE WAVE ウェイヴ」は、その実験以前の1967年にカリフォルニア州の高校で実際に起きた事件を下敷きにした作品。本国ドイツでは240万人を動員し、2008年ドイツ映画興行成績No.1に輝いた話題作だ。
◆予測がつかない展開と心理描写の鋭さで観客を魅了する(80点)
心理実験に参加するために集まった4人の男女。担当の博士に案内された小さな部屋で彼らは、この実験が、人間の精神と忍耐力の限界を調査するためのものだという説明を受ける。報酬は1日250ドル。実験は4段階に分かれており、1名ずつ脱落者が出るという。説明を終えると、突然、博士が4人のうち1人の頭を拳銃で撃ち抜いた! そして部屋から出て行くとドアにカギをかけてしまった……。一体何が起きたのか? 残された3人の運命は!?