◆西部劇的面白さとゾンビ映画ならではの面白さが最大限に発揮された(70点)
ゾンビ映画界の名匠ジョージ・A・ロメロ監督の最新作で前作『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』(07)の四週間後を舞台に、ゾンビの生存と戦争がテーマとなっている。
◆西部劇的面白さとゾンビ映画ならではの面白さが最大限に発揮された(70点)
ゾンビ映画界の名匠ジョージ・A・ロメロ監督の最新作で前作『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』(07)の四週間後を舞台に、ゾンビの生存と戦争がテーマとなっている。
◆笑いもスプラッターもきっちり楽しめるホラー・コメディー(72点)
ゾンビは元々、ブードゥー教の呪術師によって魂を抜かれ、奴隷化された人々だった。このブードゥー・ゾンビは、早くからベラ・ルゴシ主演の「恐怖城」(「ホワイト・ゾンビ」)(1932)などでスクリーンに登場している。ゾンビ自体は自分の欲望を持たず、「支配者」の言いなりになって働くという点で、我々が悪い意味での「共産主義」をイメージするときの、「人民」に近いといえるだろう。
◆デジタルとアナログを巧みに使い分けた狼男のビジュアルは、いかにも着ぐるみ気分なB級路線とは一線を画し、狼男の野獣としての異様さを生々しく描き出す(70点)
1891年、ロンドン郊外の農村に建つタルボット城に、舞台俳優のローレンス(ベニチオ・デル・トロ)は帰ってきた。兄ベンの婚約者グエン(エミリー・ブラント)から、兄が行方不明になったとの連絡を受けたのだ。結局、兄は無惨に切り刻まれた死体となって発見された。ある満月の夜、ローレンスも野獣に襲われて重傷を負う。その日以来、ローレンスは満月の夜になると体が異状をきたす身となった。ローレンスは献身的なグエンに惹かれていく一方で、以前から確執のあった父ジョン(アンソニー・ホプキンス)の不可解な行動に疑念を抱きはじめる……。
◆重くてダークな雰囲気はサスペンス・ホラーらしい出来栄えだが、かなり重々しさを感じさせる(65点)
リチャード・マシスン原作の短編小説をリチャード・ケリー監督が映像化したサスペンス作品で、主演のキャメロン・ディアスにとってはこれがサスペンス初挑戦となった。
◆ドイツ・トラッシュ・ムービー界の巨匠、ウーリー・ロメル監督の代表作。スプラッター場面はそれなりだが、意味不明な展開が笑いを誘う(64点)
トラッシュ・ムービーの世界はとても広い。本作は1980年製作のB級ホラーだ。スプラッターともオカルトともつかない作品で、その分野では有名なドイツのウーリー・ロメル監督の代表作である。あるウェブサイトでは最低映画の一つにも挙げられているので、ご存じの方もいるかも知れない。いや、ほとんどの人が知らないだろうし、別に知らなくてもいい。
◆ある建物の心霊現象を扱ったフェイク・ドキュメンタリー。ハイビジョンとデジタル処理で浮かび上がってくる霊が怖い(48点)
映画監督・阿見松ノ介がある建物の心霊調査を依頼され、女優2人と撮影に訪れる。ハイビジョンで撮影した映像をデジタル処理すると、本物の心霊現象が浮かび上がってきた。
◆モダン・ゾンビの祖、ジョージ・A・ロメロのゾンビ・サーガ最新作。これまでの作品に比べ、緊迫感は薄れたが、人間同士の戦いをメーンに新しい切り口に挑戦している(79点)
すでに70歳を超えるジョージ・A・ロメロの新作を見ることが出来るのはとても嬉しい。「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」の製作は1968年。それから42年がたち、ロメロの生んだ(ブードゥーではない)モダン・ゾンビは世界中で様々に進化し、増殖してきた。その間、ロメロも常に新しいゾンビ映画を、一種のサーガとして作り続けてきた。本作はロメロの6本目のゾンビ映画だ。これまでの作品と大きく違うのは、人間とゾンビの戦いではなく、人間同士の戦いがメーンとなっていることだろう。人間もゾンビも、「攻撃してくる者」「戦う相手」として、同じように描かれている。
◆ユニバーサルの名作「狼男」のリメーク。リック・ベイカーの特殊メークは素晴らしいがストーリーが中途半端(72点)
ロン・チェイニー・Jr主演の「狼男」(1941)は日本未公開だが、ユニバーサルの怪奇映画の名作だ。後に、「狼男の殺人」のタイトルでTV放映され、多くのファンを生んだ。「フランケンシュタイン」(1931)なども担当したメークアップ・アーティストの巨匠、ジャック・ピアースの特殊メークが素晴らしく、森の中を狼男がさまよう場面の怪奇ムードは、今見てもわくわくさせられる。
◆イタリアン・ホラーの巨匠ダリオ・アルジェントの「動物3部作」最終章。日本では1973年に公開されたものの、その後ソフト化されず、再公開が待たれていた。アルジェントらしいトリッキーなカメラワークが駆使されたジャーロの秀作だ(80点)
日本劇場初公開から37年ぶりに本作がリバイバル・ロードショーされるというのは、衝撃的なニュースだ。「サスペリア」(1977)などで知られるイタリアン・ホラーの巨匠、ダリオ・アルジェントは、日本では非常に人気が高く、その作品のほとんどがソフト化されている。だが、1971年に発表された本作だけは、何故かこれまでソフト化されていないため、もう一度見たくても見ることが出来なかったのだ。
◆もう少しホラー、スリラー作品ならではの恐怖やショッキングな描写を用意していたらもっと面白く仕上がっていただろう(60点)
スペインのアレックスとダビのパストール兄弟の長編映画デビュー作となるサスペンス・スリラー。
◆足が大きくなり、毛むくじゃらになり、顔が狼化するシーンに観る者は釘付けになること間違いなし(75点)
狼男を題材にした作品が21世紀に甦った!! 監督はジョー・ジョンストン、狼男=ウルフマンに変身する主人公をベニチオ・デル・トロが演じる。
◆くるくると人格を変える患者の正体に迫る展開は、観客の興味と好奇心を刺激する(55点)
精神分析医のカーラ(ジュリアン・ムーア)は、ある日、同じく精神科医の父ハーディング(ジェフリー・デマン)に、デヴィッド(ジョナサン・リス・マイヤーズ)という青年の患者を紹介される。下半身不随のデヴィッドは礼儀正しく、カーラの質問への受け答えもしっかりしている。
◆「プロムナイト」をリメークしたネルソン・マコーミックが、今度は「Wステップファーザー」をリメークした。米国ではそれなりにヒットしたが、地味で日本では劇場未公開に。スリラーとしてはまずまずの出来(76点)
ホラーファンの間では知られている1987年公開のジョセフ・ルーベン監督作「Wステップファーザー」のリメークだ。2009年の米映画で、米国でそれなりにヒットしたにもかかわらず、日本では劇場未公開で、DVDのリリースのみとなってしまったサイコ・サスペンス。
◆1972年スペイン製ホラーの米国編集版である。日本では未公開で、これまでソフト化もされていないという。余りの残酷描写に世界中で公開中止が相次ぎ、映画館では「嘔吐用パック」が配られたとされるが、今見ると、それほど過激な描写があるわけではない。だが、全体にどうにも奇妙な雰囲気が漂っていて、それが一種の「味」になっている(66点)
冒頭、精肉工場で牛から血がドクドクと流れる場面が、ドキュメンタリーのように映し出される。ここで何だか嫌な感じになるのだが、この「嫌な感じ」は、ラストまで続くことになる。工場で働く主人公マルコス(ヴィセンテ・パラ)は恋人とデート中、タクシー運転手とトラブルを起こし、つい殴ってしてしまう。後になって、運転手が死んだことを知った恋人が、主人公に自首を迫る。またしてもつい恋人を殺してしまった主人公は、さらについ兄を殺し、兄を探しに来た兄の恋人をつい殺し・・・・と、最初の殺人を隠すため、何となく成り行きで次々と殺人を重ねてしまう。そして死体の処分に困り、精肉工場の牛の肉に混ぜるようになる。