ザ・ホード 死霊の大群 - 佐々木貴之

◆フランス映画で本格的なゾンビ、スプラッターは珍しいと言われているが、それ以上にここまで面白く仕上がったということが何よりもスゴい(75点)

 ヤニック・ダアンとバンジャマン・ロシェが共同で監督を務めたフランス製ゾンビホラー・アクション。両監督ともに本作がデビュー作となる。

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ゾンビランド - 福本次郎

◆ゾンビに支配される世界に順応しようという開き直りが映画を明るい印象にする。もちろん、残酷描写はゾンビ映画の王道を行くのだが、主人公のある種間抜けなキャラクターが、かつてないコミカルでユニークな雰囲気を醸し出す。(50点)

 ゾンビに脅えて暮らすより、積極的にゾンビ殺しを楽しもう。国中いたるところでゾンビが群れをなし人間の肉を求めてさまようようになった世界、安全な場所が少ないのならばその境遇に順応しようという開き直りが映画を明るい印象にする。もちろん、血しぶきが舞い脳漿が吹き出し内臓が引きちぎられる残酷な描写はゾンビ映画の王道を行くのだが、主人公のある種間抜けなキャラクターと相まって、かつてないコミカルでユニークな雰囲気を醸し出す。

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ぼくのエリ 200歳の少女 - 渡まち子

◆映像は静謐で冷やかだが、12歳の初恋はぬくもりに満ちている(75点)

 北欧特有の冷気と幻想の中で繰り広げられる残酷で美しいメルヘン。孤独な少年とヴァンパイアの少女の結びつきを、ポエティックに描いていく。12歳のオスカーはストックホルム郊外の街で暮らす繊細で孤独な少年。学校で深刻ないじめにあっているが、親も教師も彼の状況に気付かない。ある日、アパートの隣に引っ越してきたエリという少女に出会う。一方、街では、残虐な殺人事件が連発していた。夜しか会えないエリに、オスカーは心惹かれていくが、ある時、エリが人の血を吸って生きるヴァンパイアだと気付いてしまう…。

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ゾンビランド - 渡まち子

◆これほど陽性のゾンビ映画は初めてで、大いに楽しんだ(65点)

 ゾンビものなのに妙にさわやかなところが魅力的。ホラー、コメディー、ラブストーリーと、複数のジャンルを盛り込むこの映画は、ゾンビ映画というより青春ロード・ムービーと呼びたい。人類の大半がゾンビと化したアメリカ。オタクで引きこもりの青年コロンバスは、生き残るために独自の32のルールを作って実践していた。故郷へ向かう旅の途中で、ゾンビを殺しまくるマッチョな男タラハシーや、詐欺師姉妹ウィチタとリトルロックらと出会う。4人は、ゾンビがいないと噂されるLAの遊園地“パシフィックランド”を目指すのだが…。

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ゾンビランド - 町田敦夫

◆アクションあり、ロマンスあり、笑いありの健全ホラー(70点)

 映画ライターがどんな映画でも観るかというと、決してそんなことはないわけで、たとえば私はホラーは観ない。理由は簡単、夜ひとりでトイレに行けなくなっちゃうから。今回はそんな恐がりでも安心して観にいけるゾンビ映画をご紹介しよう。何たってこれ、登場人物が不気味なゾンビに食い殺される不健全な映画ではなく、登場人物がゾンビをジャンジャンぶっ殺していく健全な(?)作品。おまけにアクションあり、ロマンスあり、胸を打たれるシーンありの痛快コメディなのですよ。

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ゾンビランド - 前田有一

◆気持ちのいい連中が活躍する、万人むけ大ヒットゾンビ映画(75点)

 ゾンビ映画といえば、娯楽映画のド定番。予算の大小にかかわらず面白いものが作れるし、コメディから恋愛、アクション、サスペンス、セクシー、そしてもちろんホラーと、どんなジャンルの要素も包み込む懐の深さがある。これはもう、ホラーではなく「ゾンビ」というジャンルで捉えたほうがよほどわかりやすい。

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ザ・ホード 死霊の大群 - 福本次郎

◆いかに残酷に倒しまくるかを競うかつてのゾンビ映画と比較して、ゾンビに素手の格闘を挑むところが目新しい。ゾンビ相手に洗練されたマーシャルアーツを見せる登場人物の身のこなしには、格闘ゲームのような爽快感を覚える。(50点)

 十数発の銃弾を撃ち込んでもひるまないゾンビに対して、パンチやキックを見舞った上に関節技で首をへし折ろうとする。いかに残酷に倒しまくるかを競うかつてのゾンビ映画と比較して、ゾンビに素手の格闘を挑むところが目新しい。ゾンビたちも昔ながらの動きの鈍い種族とは違い、格闘技こそ身につけていないもののいくら殴られても蹴られてもすぐに反撃する打たれ強さと敏捷さを発揮する。対ゾンビ戦法としては無駄の多い闘い方だが、数体のゾンビ相手に洗練されたマーシャルアーツを見せるギャングの用心棒や女刑事の身のこなしには、格闘ゲームのような爽快感を覚える。

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恐怖 - 福本次郎

◆大脳の特定部位に電気的刺激を与えると、幽体離脱が起きる。幻覚なのか現実なのか、新たな進化のステージととらえる女医とその誘惑から逃れられない若い研修医の葛藤がホラー映画の常識を超えた衝撃を生む、はずだったが・・・。(40点)

 大脳の特定部位に電気的刺激を与えると、幽体離脱が起こる。意識は体内から乖離し、遠く離れた場所の情報を集めて戻ってくる。幻覚なのか現実なのか、人間の新たな進化のステージととらえる女医とその誘惑から逃れられない若い研修医。霊界と現世、生と死のはざまで繰り広げられる母娘の葛藤がホラー映画の常識を超えた衝撃を生む、はずだった。しかし、科学と心霊現象の混同が著しく、肉体と魂の定義も曖昧。何より死後の世界を真っ白な光でごまかしてしまったのがいけなかった。

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恐怖 - 渡まち子

◆本当に怖いのは学問や名声より“見えない何かを知りたい”という欲望を膨らませて、家族やついには自分まで使ってタブーの領域に踏み込んでいく母親の狂気(55点)

 世界が認めるジャパニーズ・ホラーの特徴は、何か分からないものが迫ってくる、核のない恐怖を描く点にあるが、本作もその系譜につながる作品だ。脳科学の研究者である太田夫妻は、戦前の満州で行なわれた脳の人体実験のフィルムに映った真っ白で不気味な光を目にするが、二人の幼い娘も偶然にその光を見てしまう。17年後、死への誘惑に取りつかれた姉・みゆきが失踪。姉の行方を捜す妹のかおりは、違法の脳実験を繰り返す母親・悦子と再会する。狂気の母親と二人の姉妹を待ち受けているのは、恐ろしい“もうひとつの現実”だった…。

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ぼくのエリ 200歳の少女 - 福本次郎

◆体温のない体にも心は宿り、好きという気持ちに応えようとする。最初は相いれない禁断の関係に少年を拒絶していたヴァンパイアの少女の、空白を埋めてくれる彼が愛おしくなっていく様子が、寡黙かつ繊細な映像で描かれる。(60点)

 永遠の若さと命を手に入れた代償は太陽を拝めない人生。昼間は暗くしたバスルームで息をひそめ、夜になると欲望を満たすために街を徘徊する。そんなヴァンパイアの少女が、誰にも愛されない少年と知り合いお互いに惹かれあっていく。体温のない体にも心は宿り、好きという気持ちに応えようとする。最初は相いれない禁断の関係に彼を拒絶していた彼女も、己の空白を埋めてくれる少年の存在が愛おしくなっていく様子が寡黙かつ繊細、余白をたっぷり取った寂寥感あふれる映像で描かれる。少年も少女も、感情表現を抑えることで不気味さの中に切なさを醸し出す。

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エルム街の悪夢 - 福本次郎

エルム街の悪夢

© MMX NEW LINE PRODUCTIONS, INC.

◆夢であることが分かっていても、そこから逃れるには誰かに起こしてもらうしかない。映画は夢を見ている本人をその夢の中で追い詰めて刃をふるう殺人鬼を通じて、人間の潜在意識に巣食う悔恨の念に取りついた悪霊の執念を描く。(40点)

 耐えがたいほどの睡魔に襲われ、目を開けているつもりでもつい意識が飛んでしまう。睡眠と覚醒のグレイゾーンで何とか正気を保とうとする若者たちは、いつの間にか夢の中に引きずり込まれている。そして、夢の中では夢であることが分かっていても、そこから逃れるためには誰かに起こしてもらうしかない。映画は夢を見ている本人をその夢の中で追い詰めて刃をふるう殺人鬼を通じて、人間の潜在意識に巣食う悔恨の念に取りついた悪霊の執念を描く。

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エルム街の悪夢 - 前田有一

エルム街の悪夢

© MMX NEW LINE PRODUCTIONS, INC.

◆マニア受けが悪そうな分、一般人には普通に楽しい(70点)

 多くのホラーヒーローが活躍した80年代。ここ数年はあたかもブームのように、「ハロウィン」のブギーマンや「13日の金曜日」のジェイソンが、リメイクによりカムバックを果たした。そしていよいよ『エルム街の悪夢』のフレディが、満を持して登場する。

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エルム街の悪夢 - 渡まち子

エルム街の悪夢

© MMX NEW LINE PRODUCTIONS, INC.

◆フレディを演じるジャッキー・アール・ヘイリーは、ほとんど素顔を見せないが、それでも存在感は抜群(50点)

 1984年の同名ホラー映画のリメイクだが、本作は、夢の中に現われる殺人鬼で、最強のホラーキャラ・フレディの新たな物語だ。郊外のエルム街に住むティーンエイジャーのナンシーやジェシーたち5人の男女は毎晩同じ悪夢に悩まされてた。それは、顔にはやけど、フェドーラ帽、赤と緑のストライプのセーターを着た醜悪な殺人鬼フレディ・クルーガーから襲われる夢だった。夢の中で執拗に襲い掛かるフレディだが、やがて仲間の一人が死んだことで、悪夢は現実とつながっていることを知る。なぜ自分たちが? 眠らずにいるにはどうすれば? やがて彼らは自分たちの両親がひた隠す、ある恐ろしい事実を知ることになる…。

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サバイバル・オブ・ザ・デッド - 渡まち子

◆これはまさしくゾンビ版「大いなる西部」である(65点)

 ゾンビ映画のマエストロ、ロメロの新作は、まるで西部劇のようでワクワクする。突如、死者が蘇り、人々を襲いはじめて4週間。世界は地獄と化していた。混乱状態の中、元州兵のサージと仲間たちは、強盗を繰り返す日々を嫌悪しながら安全な場所を求めてさまよっていた。ある時、ゾンビのいない島があるとの情報を耳にする。わずかな望みをかけて島に辿り着いた彼らだったが、そこで目にしたのはさらなる衝撃の現実だった…。

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サバイバル・オブ・ザ・デッド - 岡本太陽

◆今回のロメロ作品はゾンビ西部劇だ!(70点)

 『ドーン・オブ・ザ・デッド』や『ザ・クレイジーズ』等ジョージ・A・ロメロ監督作のリメイクがチラホラ見当たる昨今。彼の作品に影響を受けた映画監督は数多くいるが、若い世代にはゾンビ映画の巨匠の生み出した世界観を体現するのは難しく、リメイクものはどれも芳しくない印象。それを余所見に巨匠は70歳の今もなおゾンビ映画にこだわり作品を作り続ける。そして新しく彼のライフワークの仲間入りを果たしたのが『サバイバル・オブ・ザ・デッド(原題:SURVIVAL OF THE DEAD)』。各地で議論を巻き起こした前作『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』のその後を描く。

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