◆© 2008 Paramount Pictures Corporation and Warner Bros. Entertainment All Rights Reserved(70点)
人間は皆、歳を重ねるごとにある時を境にだんだんと“生まれた時の状態”に戻っていく。
◆© 2008 Paramount Pictures Corporation and Warner Bros. Entertainment All Rights Reserved(70点)
人間は皆、歳を重ねるごとにある時を境にだんだんと“生まれた時の状態”に戻っていく。
◆複雑な心情を抱く主人公ベンの心理描写が巧み(70点)
『アイ・アム・レジェンド』、『ハンコック』とお得意のSFアクションが続いたウィル・スミス。そんな彼が再びドラマ作品に挑戦した。二年前に主演した『幸せのちから』のガブリエレ・ムッチーノ監督と再びタッグを組んで「贖罪」をテーマにした感動系人間ドラマだ。
◆アンジェリーナ・ジョリーが不屈の母性愛を熱演(70点)
母ひとり子ひとりの家庭から9歳の息子が姿を消し、母親は眠れぬ日々を過ごす。5ヵ月後、警察から息子が発見されたとの報が入るが、名乗り出てきた子供は明らかに別人で……。1928年に実際に起きた事件を元にした、クリント・イーストウッド監督の入魂作だ。不屈の母性愛を見せたアンジェリーナ・ジョリーは、本作でアカデミー賞主演女優賞へのノミネートを勝ち取った。当時の町並みや衣装が見事に再現されているのにも驚く(20年代の実物を見たことはないのだけれど)。
◆ウィル・スミスが究極の贖罪を敢行(70点)
通販会社の電話オペレーターとして働く盲人にしつこくクレームをつける。入居者を虐待する老人ホームの経営者に、「お前には、やらない!」と謎の言葉をぶつける。『7つの贈り物』は、主人公のこんなシーンから幕を開ける。どうやら彼は「いい人間」を探しているらしい。でも、いったいなぜ?――と思った時点で、あなたは作り手の術中にはまっている。
◆『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』の監督が贈る話題の最新作!(75点)
これはギリギリの映画だ。映画『コララインとボタンの魔女 3D(原題:Coraline)』には不気味で怖い映像があり、本作は小さな子供に観せる事の出来る映画の境界線スレスレの所に位置している。しかしそれはネガティブな意見ではない。必要以上に暴力が描かれることはなく、ギリギリの映画であるゆえに、『コララインとボタンの魔女 3D』に大人も子供も映画に魅了されてしまうのだ。
◆オペラに少しでも興味のある方にとっては、一見ならぬ一聴の価値がある(70点)
舞台は19世紀半ばのパリ。ボヘミアン詩人のロドルフォ(ローランド・ビリャソン)とお針子のミミ(アンナ・ネトレプコ)は、クリスマスイブの夜に恋に落ちる。ふたりは芸術家仲間に囲まれながら、貧しくも希望に満ちた暮らしを送るが、ミミは不治の病を患っており……。
◆素直なベンジャミンの人間性に、多くの観客は共感を寄せるだろう(90点)
老人として生を受け、年月の経過とともに若返っていく。そんな摩訶不思議な運命のもとに生まれたベンジャミン・バトン(ブラッド・ピット)。彼は老人施設で育てられたのちに家を出て、さまざまな人々と出会いながら人生経験を積む。顔中にあったシワがなくなったころ、ようやく愛する幼なじみのデイジー(ケイト・ブランシェット)と一緒になるが……。
◆露骨な性描写がカンヌ映画祭他で注目を集めた話題の作品(75点)
1人の少女が鏡の前で濡れた髪をタオルで拭っている。彼女の裸の体も水に濡れており、風呂上がりである事が伺える。そして彼女はセクシーに鏡の中の自分に「I Love you」と囁く。それは何かの練習なのだろうか、彼女は鏡に向かって何度もその言葉を繰り返す。その部屋のドアの隙間から彼女の小さな甥が叔母の裸を眺めている。それでも彼女は気付かずに練習を続ける。こうやって物語が始まるフィリピン映画『サービス(原題:Serbis)』は、街の喧噪や熱気、空気の質感、そして臭いまで伝わって来てしまう様な「生」という言葉が相応しい特別な映画である。
◆アルノー・デプレシャン監督最高傑作誕生!(85点)
日本では恋人たちの日として親しまれているクリスマス。しかしキリスト教を重んじる国にとっては日本の正月同様、その日は家族の集まる日である。家族が集まるとなると何かしらのドラマが生まれる。2008年のカンヌ国際映画祭のコンペ作品として選出されたフランス映画『クリスマス・ストーリー(原題:Un conte de Noe"l)(英題:A Christmas Tale)』はクリスマスを舞台にしたある1つの家族の物語である。
◆制作者が伝えようとするメッセージに迷いがない(75点)
入場者数の低迷により、廃園に追い込まれかけていた北海道の旭山動物園。状況を打開すべく滝沢園長(西田敏行)と飼育係たちは、動物本来の(野生に近い)生き生きとした姿をお客に見せる"行動展示"を発案。滝沢園長はここ一番でリーダーシップを発揮するが……。
◆サンフランシスコの空の下2人の男女が恋に落ちる(75点)
インディーズ作品と聞くと、映画であれ音楽であれアメリカでは白人が中心となっている場合が多い。それに対し黒人のインディー作品は影を潜めており、あまり市場に出回る事はない。映画『Medicine for Melancholy』はその流れに反するかの様に黒人の男女が主演のインディー作品で、本作はこれまで多くの映画祭で上映され絶賛されている。2008 年のインディペンデント・スピリット・アワードでもノミネートされ、その新鮮な存在は止まるところを知らない。
◆観る者をベンジャミンの世界へグイグイと引き込ませる(75点)
産まれたときの見た目が老人で年齢を重ねるごとに若返っていく男ベンジャミン・バトンの、文字通り“数奇な人生”を描いたデヴィッド・フィンチャー監督作品。主人公ベンジャミンを演じるのはブラッド・ピット。フィンチャー監督とブラピが『セブン』(95)、『ファイト・クラブ』(99)に続いて三度目のタッグを組んだ。原作は、F・スコット・フィッツジェラルドが1920年代に書き上げた同名の短編小説。
◆生真面目な初老の男が抱腹絶倒の冒険へ(80点)
「判で押したような人生」という表現は、どちらかといえば自嘲的なニュアンスで使われることが多いけど、雇用環境がこれだけ悪化してくると、「判で押したような人生」を送れる人はむしろ幸せなのではないかしらんと思えてくる。本作の主人公のホルテンさんも、ノルウェー鉄道の運転士として、つましくも規則正しい毎日を送っていた。ところが定年退職の前日になって、彼の人生は予想もしなかった脱線をし始めて……。
◆ブラピが驚異の老けメイク(70点)
老人のような肉体を持って生まれ、年齢を重ねるごとに若返っていく男。鬼才デビッド・フィンチャーは、そんなワン・アイデアを元に、2時間47分の堂々たる大河ドラマを撮り上げた。原作はF・スコット・フィッツジェラルドが1920年代に書いた短編。主人公のベンジャミン・バトンには、『セブン』『ファイト・クラブ』に続き、フィンチャーとは3度目のコラボレートとなるブラッド・ピットが扮している。