レッドクリフ PartII - 山口拓朗

◆大作戦記映画と呼ぶにふさわしいスケール感(75点)

 西暦208年、魏、呉、蜀が争う中国・三国時代。曹操(チャン・フォンイー)率いる80万の魏軍に対抗するため、蜀を治める劉備(ユウ・ヨン)の軍師・孔明(金城武)は、知将・周瑜(トニー・レオン)を擁する呉と同盟を結ぶ。一度は蜀と呉の連合軍が優勢に立つも、巻き返しを図る曹操は、疫病で死んだ兵士の遺体を船に乗せて対岸へ送りつける。連合軍にも疫病が蔓延し、劉備は仕方なく自軍の兵を引き上げてしまう……。

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スラムドッグ$ミリオネア - 町田敦夫

◆生命力と一途な愛、インド的なるものと普遍なるものをバランスさせたダニー・ボイルの最高傑作(90点)

 ご存じ、アカデミー賞作品賞を初め、昨年の各種映画賞を総なめにした快作だ。インドで人気のクイズ番組に出場した青年ジャマールは、残り1問で大金を手にするところまでこぎ着けながら、不正を疑われて逮捕される。スラム出身の負け犬(=スラムドッグ)は、なぜ次々と難問に答えられたのか。そして何のために全問正解しなければならなかったのか……。

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SUGAR - 岡本太陽

◆名作『ハーフ・ネルソン』監督最新作、野球を通して繊細で感動的な物語を描く。(85点)

 ペドロ・マルティネス、サミー・ソーサ、マニー・ラミレス等、挙げれば切りがないドミニカ共和国出身の野球選手達。一流の選手を輩出するその国は現在メジャーリーグにとって欠かす事の出来ない国となっている。それゆえ、アメリカ野球界はダイヤモンドの原石を見つけるために、その国で選手育成を行っている(実は日本も)。映画『SUGAR』は野球でアメリカンドリームを夢見るドミニカ共和国に住むある若者がアメリカという地で自分の人生と向き合い成長していく物語だ。

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グッバイ・ソロ - 岡本太陽

◆夢が始まったばかりの男と人生をやめようとしている男の友情の物語(75点)

 タクシードライバーは毎日実に多くの人に出会う。ドライバーと乗客にとって彼らが共有する時間は人生のほんの一瞬にしか過ぎないが、それもまた一期一会。ラミン・バーラニの映画監督第3作目『グッバイ・ソロ』では、あるタクシードライバーが、1人の年老いた男性の乗客に出会うのだが、この出会いが彼ら人生を永久に変えてしまう。シンプルに綴られるミステリアスな物語がわたしたちに感動をもたらす作品だ。

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ハンガー - 岡本太陽

◆66日間の抵抗の末27歳で餓死したボビー・サンズの姿を描く問題作(90点)

 スティーヴ・マックイーンと聞くと『大脱走』等の名俳優を思い浮かべるだろう。それはさておき、イギリス・アイルランド映画『ハンガー』の監督の名もスティーヴ・マックイーン。彼は1969年イギリス生まれの新進気鋭の黒人ビジュアル・アーティストで、本作が彼の映画監督デビュー作となる。1981年のアイルランドの悪名高きメイズ刑務所が舞台の『ハンガー』はマックイーン氏の監督処女作でありながらも、カンヌ映画祭のカメラドール(監督新人賞)、ターナー賞受賞をはじめ、世界各国で高い評価を得ている。

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ストレンジャーズ/戦慄の訪問者 - 佐々木貴之

◆ホラー映画としての面白さは味わえるので良し(70点)

 2005年に実際に起きた未だに解明されていない事件を基に作られたショッキング系サスペンス・ホラーで、監督は新人ブライアン・ベルティノ。

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アライブ-生還者- - 町田敦夫

◆墜落事故の生還者、72日間に渡る極限の記録(70点)

 ウルグアイを飛び立ったチャーター機がアンデス山中に墜落。生き残った者たちが人肉を食べて72日間を生き抜いたという1972年のニュースは、当時の世界に衝撃を与え、イーサン・ホークの主演映画『生きてこそ』(93)の題材ともなった。本作は50代を迎えた生還者たちや、当時の救助関係者へのインタビューを通じ、現場で何が起きたのかを改めて伝えようと試みたドキュメンタリーだ。

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トワイライト?初恋? - 佐々木貴之

◆ヴァンパイア作品としては新味(70点)

 若い女性を中心に世界中でベストセラーとなった、ステファニー・メイヤー原作の小説三部作の第一作目「トワイライト」をキャサリン・ハードウィックが映像化。

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ザ・バンク 堕ちた巨像 - 佐々木貴之

◆観る者をハラハラさせると同時に大きな衝撃を与えてくれる(70点)

 ドイツはベルリンに存在する国際的な大銀行IBBC。経営破綻したこの銀行にはマネーロンダリング、武器密輸といった違法取引の疑いがある。インターポール捜査官サリンジャー(クライヴ・オーウェン)と検事補ホイットマン(ナオミ・ワッツ)が共同で捜査に乗り出し、ベルリン、リヨン、ミラノ、ニューヨーク、イスタンブールへと次々と国境を越えて追跡していく。だが、証人は次々と殺害され、証拠も消されてしまう。

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フロスト×ニクソン - 山口拓朗

◆観客の興味を最後の最後まで引きつける(80点)

 イギリスとオーストラリアで活躍する人気司会者デビッド・フロスト(マイケル・シーン)が、アメリカ進出の足がかりにしようと、ウォーターゲート事件で辞職した元米国大統領リチャード・ニクソン(フランク・ランジェラ)のインタビュー番組を企画する。一方のニクソンは、政界復帰をにらんでインタビューのオファーを受けるが……。

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ノウイング - 岡本太陽

◆賢く、そして不気味なSF映画好き熱狂のニコラス・ケイジ主演最新作。(75点)

 この映画は予想外だった。SF映画『ノウイング(原題:KNOWING)』はニコラス・ケイジを主演に迎え地球存続の危機を描く。何故予想外なのかというと、近年のニコラス・ケイジ主演映画は正直どれもイマイチ。わたしは彼の出演作品に期待すら抱かなくなっていたのだが、本作は違った。『ダークシティ』『アイ、ロボット』のアレックス・プロイヤスが監督を務めるこの物語は始めから最後まで観客を引き込む演出がなされ、賢くそして怖い、特にSF映画好きを興奮させる映画となっているのだ。

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ザ・バンク 堕ちた巨像 - 町田敦夫

◆グッゲンハイム美術館での壮絶な銃撃戦に興奮!(70点)

 『パフューム ある人殺しの物語』(06)のトム・ティクヴァ監督が、不正な手段で巨利をむさぼる巨大銀行と、その摘発に人生をかけたインターポール捜査官との攻防を描いたクライム・サスペンス。複雑でわかりにくい経済事犯ではなく、古典的な謀略と暗殺の物語に徹した構成が成功し、緊迫感あふれる一作に仕上がった。インターポール捜査官のサリンジャー(クライブ・オーウェン)は、ニューヨーク検事局のホイットマン(ナオミ・ワッツ)の協力を得てIBBC銀行の不正を暴こうとするが、重要証人や捜査官が次々と殺害されて……。

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フロスト×ニクソン - 町田敦夫

◆ニクソンとテレビ司会者の起死回生を欠けた大勝負(70点)

 ジョージ・W・ブッシュが登場する以前、最も不人気な米国大統領といえば、それはリチャード・ニクソンのことだった。なんたって米国史上初めて弾劾裁判にかけられ、辞任を余儀なくされた大統領だったのだから。そのニクソンが表舞台への復帰を狙って出演した1977年のテレビインタビューは、4500万人もの視聴者を集めたという。インタビュアーを務めたデビッド・フロストはコメディアン上がりのテレビ司会者で、こちらも人気の先細り感に焦りを抱えていた。『フロスト×ニクソン』は、そんな2人がそれぞれの起死回生をかけて臨んだ伝説のインタビュー番組と、その舞台裏で繰り広げられる虚々実々のかけひきを描いた実録のドラマだ。

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デュプリシティ ?スパイは、スパイに嘘をつく? - 岡本太陽

◆ハリウッドの2大スター共演のスパイ映画(75点)

 新製品開発。例えば、アップル社がアイフォーンを発表した時の様に、それは会社にとって世界を揺るがしかねない一大事、またライバル社にとっては存亡の危機にも繋がる事。そんな新製品を巡って『デュプリシティ/スパイは、スパイに嘘をつく(原題:DUPLICITY)』では、ライバル同士の2つ会社がそれぞれ腕利きのスパイを雇い、対立する。『フィクサー』でアカデミー賞にノミネートされたトニー・ギルロイ監督2作目である本作は、なんとなくお決まりのスパイ映画の雰囲気を漂わせているのだが、実は一味も二味も違う新感覚スパイ映画なのだ。

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フロスト×ニクソン - 佐々木貴之

◆インタビューという名の格闘技(75点)

 ウォーターゲート事件が原因で自ら大統領を辞任したリチャード・ニクソンを、コメディアン出身のイギリス人司会者デヴィッド・フロストがTV番組でインタビューし、事件の真実を探り出す。

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