◆成海璃子と北乃きいの若手実力派2人が繰り広げる女子剣道の世界。他人と真っ直ぐに向き合い、ぶつかり合うことの大切さを描いた青春映画の佳作(78点)
ネット社会は一見、それまでより人と人とを簡単に結びつけるようになったと思える。だが実は、自分に都合のいいときに、都合のいい相手を見つけて、つながっていると思っているだけなのかも知れない。それはどこまで行っても自分が一方的に拡大しているだけで、他人と「関わっている」とは言えないのではないか。男女間の体の売り買いが恋愛とは違うようなものだ。友達、あるいは恋人同士で一緒にいても、お互いに向き合わず、自分の携帯ばかりを見ている人たちが増えている気がする。ネット社会は逆に、人と人との関係性を希薄にしている部分があるようにも思う。
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© 2008 - MNP ENTREPRISE - EXPLICIT FILMS
◆“狂気”という名の鼓動が聞こえてくる傑作だ(85点)
「ホテル・ルワンダ」(2004年)然り、「ツォツィ」(2005年)然りだが、貧困や紛争、暴力といったアフリカのリアルな社会問題に迫った映画には、しばしば打ちのめされる。それは、アジアの片隅で、貧困や紛争とは無縁の生活を送る私たちにとって、アフリカで起きている厳しい現実がまるで絵空事のように見えてしまう、その無自覚さに対する衝撃を含んでもいるのかもしれない。いずれにせよ、これほど強いインパクトをもつ作品が、全国の5つの劇場でしか見られないというのは、なんとも哀しいことである(現時点ではシアターN渋谷のみ)。
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© 2009 EUROPACORP-TF1 FILMS PRODUCTION-APIPOULAI PROD-AVALANCHE PRODUCTIONS Images et Effets 3D-BUF
◆とにかく最終作が待ち遠しい(70点)
リュック・べッソン監督の実写と3DCGアニメを融合させた三部作の第二部。
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◆イタリアン・ホラーの巨匠ダリオ・アルジェントの「動物3部作」最終章。日本では1973年に公開されたものの、その後ソフト化されず、再公開が待たれていた。アルジェントらしいトリッキーなカメラワークが駆使されたジャーロの秀作だ(80点)
日本劇場初公開から37年ぶりに本作がリバイバル・ロードショーされるというのは、衝撃的なニュースだ。「サスペリア」(1977)などで知られるイタリアン・ホラーの巨匠、ダリオ・アルジェントは、日本では非常に人気が高く、その作品のほとんどがソフト化されている。だが、1971年に発表された本作だけは、何故かこれまでソフト化されていないため、もう一度見たくても見ることが出来なかったのだ。
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◆意外性のあるミステリーのタネ明かしに加え、人類の未来に警鐘を鳴らしたストーリーテリングは、大胆な舞台設定の後押しもあって、ひねりの利いた作品を好む映画ファンを満足させるだろう(80点)
各地のインディペンデント映画祭で高い評価を受けた本作「月に囚われた男」は、かのロックスター、デヴィッド・ボーイの息子、ダンカン・ジョーンズが撮影した初長編監督作品。月で独りで暮らす男を主人公にしたサスペンスフルなSFミステリーだ。
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第9地区 - スタッフ加納
© 2009 District 9 Ltd All Rights Reserved.
◆人が窮地に立たされた時の行動がリアルに表現されている!(75点)
今回、日頃観ないSFアクションを観たんですが・・・“後悔”・・・(涙;)
心臓の弱い方・純粋な心をお持ちの方には、正直・・・あまりオススメできません。。。(汗;)
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◆シリアスかつコミカル、本作でも映画監督ノア・バームバックの才能が光る(85点)
『イカとクジラ』や『マーゴット・ウェディング』で知られる映画監督ノア・バームバックの新作『GREENBERG』の主人公は無職の40歳、ロジャー・グリーンバーグ(ベン・スティラー)。ニューヨークの生活の中で精神的に疲れ果て病院に入院していた彼は、15年の後に出身地ロサンゼルスに戻り、とりあえずは職は探さず、しばらく休暇で家族とベトナムに行く弟フィリップ(クリス・メッシーナ)の豪邸の留守番役を受け持つ事にする。家の玄関のドアを修理したり、マメに苦情の手紙を書いたり、犬の世話をしたりしながら、旧友アイヴァン(リス・エヴァンス)やフィリップのパーソナル・アシスタントであるフローレンス(グレタ・ガーウィグ)らに会い、一度は去った土地に再び繋がりが芽生える。
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© 2009 by PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.
◆謎解きのプロットや結末に新味はないものの、「トラウマ」という人間心理を利用したミステリアスなストーリー展開と、スコセッシらしい力強い演出力が功を奏し、作品自体は手堅くまとまっている(75点)
「ギャング・オブ・ニューヨーク」(2002年)「アビエイター」(2004年)「ディパーテッド」(2006年)で3度コンビを組んだマーティン・スコセッシ監督×レオナルド・ディカプリオが、4度目のコンビ作品「シャッター アイランド」を完成させた。ふたりが挑んだのは「精神障害×犯罪者×孤島」をキーワードにしたサスペンス&ミステリー。「ミスティック・リバー」原作者デニス・ルヘインのミステリー小説を映画化したものだ。
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◆ティム・バートンが3Dで描く「不思議の国のアリス」の後日譚。独特の映像世界はさすがだが、ロールプレイングゲームのような話が理に落ちすぎている(78点)
試写に行きそびれ、近くのシネコンで見た。日本語吹き替え版、3D吹き替え版、3D字幕版の3パターンが上映されていたが、字幕版はちょうどお昼とか、遅い回とか、鑑賞しにくい時間帯だけ。専ら子供向けの作品というわけではないのに、メーンは吹き替えだった。「シャッターアイランド」がきっかけで、吹き替えの時代が本格的にやってくると言われているが、3D作品に限って言えば、すでに上映は吹き替えが中心になってしまったようだ。
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© 2010 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
◆足が大きくなり、毛むくじゃらになり、顔が狼化するシーンに観る者は釘付けになること間違いなし(75点)
狼男を題材にした作品が21世紀に甦った!! 監督はジョー・ジョンストン、狼男=ウルフマンに変身する主人公をベニチオ・デル・トロが演じる。
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© 2010「ダーリンは外国人」フィルムパートナーズ
◆外国人は習慣が違うから合わないなんて、そんなの言い訳!(80点)
この映画を観て、確かにその通りだと思いました!
こちらの原作は、2002年の発売以来、4作品で累計250万部を超える大ヒットとなった小栗左多里(おぐりさおり)さんのエッセーマンガ「ダーリンは外国人」を映画化したものです。
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◆ビートルズ登場以前のイギリス・ロンドンで、大人の世界に憧れる中流階級の少女を描く。主演のキャリー・マリガンの魅力と、少女の気持ちにぴったりと寄り添った演出で、新鮮で心を打つ作品となった(91点)
世間知らずの少女が、年上の男性とロマンチックな恋に落ち、大人の社会を体験していく。よくあるストーリーだが、魅力的なキャストで時代背景などを丁寧に描いて作ると、これほど新鮮で心を打つ作品になるのかと驚いた。
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© 2010 浅野いにお・小学館/「ソラニン」製作委員会/写真:太田好治
◆映画が語るのは、夢と現実の板挟みにあいながら、悩み、傷つき、振り子のように心を揺らす若者たちの「命」そのもの(75点)
スタジオ練習を欠かさないバンドマンにしてフリーターの種田(高良健吾)。会社になじめずに入社2年目で辞表を提出した芽衣子(宮崎あおい)。ふたりは将来に不安を感じながらも、寄り添うように同棲している。あるとき、芽衣子に背中を押してもらうカタチで、種田は新曲「ソラニン」を創作。デモ音源をレコード会社に送るが、会社側の反応は厳しかった。追い打ちをかけるように種田の身に不幸がふりかかり……。
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© 2009 District 9 Ltd All Rights Reserved.
◆アカデミー賞4部門にノミネートされたピーター・ジャクソン製作のSF映画。エイリアンを「難民」と捉える視点が面白い(81点)
ある意味、「裏・アバター」と言えるかも知れない。「アバター」では人間が他の星に行って、姿形を宇宙人に変えてコミュニティーに入り込もうとする。本作では逆に、宇宙人が突然、地球にやってきて、主人公は自分の意思とは無関係に宇宙人に姿を変えられてしまうのである。どちらに真実味があるかと言えば、明らかに本作の方だろう。
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© PUSH PICTURES, LLC
◆ヒロインのどん底が観客の勇気にすり替わる(70点)
この春、私たちはスクリーン上で、2人の素晴らしい教師と出会うことになる。1人は『17歳の肖像』でオリヴィア・ウィリアムズが演じたスタッブス先生、そしてもう1人は『プレシャス』でポーラ・パットンが演じたレイン先生だ。
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