◆深津絵里がモントリオール世界映画祭で最優秀女優賞を受賞した話題作だが、面白くない。誰が悪人かというテーマが、分かりやすすぎる(72点)
周囲の評価が相当に高い作品だが、私には、余り面白いとは思えない。確かに力作ではある。前半から中盤にかけては、実に丁寧に芝居を撮っている。深津絵里はモントリオール世界映画祭で最優秀女優賞を受賞した。それだけでも立派な映画なのだろう。だから面白いかというと、はっきり言って面白くない。
◆深津絵里がモントリオール世界映画祭で最優秀女優賞を受賞した話題作だが、面白くない。誰が悪人かというテーマが、分かりやすすぎる(72点)
周囲の評価が相当に高い作品だが、私には、余り面白いとは思えない。確かに力作ではある。前半から中盤にかけては、実に丁寧に芝居を撮っている。深津絵里はモントリオール世界映画祭で最優秀女優賞を受賞した。それだけでも立派な映画なのだろう。だから面白いかというと、はっきり言って面白くない。
◆売れっ子ファッションデザイナーが映画監督デビュー(70点)
ダニエル・クレイグ演じる007の衣装を担当するだけでは飽きたらなかったか、ファッションデザイナーのトム・フォードが映画監督業に進出。クリストファー・イシャーウッド(ミュージカル『キャバレー』の原作者)の同名小説を、余技とは思えない緻密さで映像化し、コリン・ファースに09年ベネチア国際映画祭の主演男優賞をもたらした。
◆ロバート・ロドリゲス監督による今まさにタイムリーな映画(75点)
2007年にクエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲスが監督した、70年代のB級映画を色濃く反映した映画『グラインドハウス』。その中に実際には存在しない映画の予告編がいくつかあったが、中でもとりわけぶっ飛んでいた事で話題をさらったのはロドリゲス氏が監督した予告編『マチェーテ(原題:MACHETE)』。その人気の高さからDVDスルーの映画として制作する企画があったが、なんとロドリゲス氏は長年彼の作品の編集等に携わったイーサン・マニキスと共同監督で、ファンのためと謳い同名の劇場用長編映画にしてしまったのである。
◆ワレンチン自身が実体験を通じて、愛の本質を見極めていく姿勢がいい(70点)
スターやヒーローは、遠くの人には愛されるが、近くの人には恨まれる。よく耳にする話だ。肥大化しながら世の中を一人歩きする自分の虚像と、現実の自分(実像)とのギャップが生み出す皮肉のようなものである。
◆黒幕はCIA?(75点)
『THE LAST MESSAGE 海猿』をみると、日本人も日本映画界も相変らず脳みその中は平和だなと感心する。
◆最後の最後まで、巧妙な仕掛けで悪を制裁するリスベットの知性に、溜飲を下げる(70点)
スウェーデン発ミステリー「ミレニアム」三部作の完結編。権力側の陰謀に決して負けないヒロインの反骨精神に尊敬の念を覚える。自分に罪をきせ命を狙った敵と対決し、瀕死の重傷を負ったリスベット。病院から退院後、収監されてしまう彼女はほとんど身動きがとれない“眠れる女”だ。だが彼女の無実を信じるジャーナリストのミカエルは、ひそかに連絡をとる術を見つけ出す。一方、ミカエルの妹で弁護士のアニカや、リスベットのハッカー仲間らも、独自の方法で調査を進める。なぜリスベットは12歳で精神病院に入れられ「無能力者」として後見人制度の下に置かれたのか。ついに始まった裁判で、リスベットは自分に起こった忌わしい出来事を話し始める…。
◆ひとつの殺人事件が重層的にあぶりだす人間の心の闇。愛を渇望する男女の逃避行が胸を打つ。(75点)
長崎在住の土木作業員の祐一と、佐賀に住む紳士服量販店店員の光代は、携帯の出会い系サイトで知り合い、強く惹かれ合う。だが祐一は、今世間を騒がせている女性保険外交員殺害事件の犯人が自分であることを告白する…。
◆実際にあるとしたら、一度は体験してみたいかも!?(85点)
「ダークナイト」などを手掛けた、クリストファー・ノーラン監督・脚本・製作で、10年程前から、構想を練って完成された作品だそうです。
◆胸に宿る復讐の炎に気づかぬ者は大やけどをし、明晰な頭脳をみくびる者は罠にはまる。さらに恐れを知らぬ勇敢さはどんな屈強な男でもぶちのめす。パンクファッションで法廷に現れる雄姿は、あらゆる権威・権力に対する抵抗だ。(80点)
精神病院で手足を縛められ、「無能力者」のレッテルを張られたヒロイン。彼女を社会から抹殺しようとする男たちは、統合失調症として片付ける。その虐げられた胸に宿る復讐の炎に気づかぬ者は大やけどをし、明晰な頭脳をみくびる者は罠にはまる。さらに恐れを知らぬ勇敢さはどんな屈強な男でもぶちのめしてしまう。鼻ピアスにパンクファッション、髪を逆立てて法廷に現れる雄姿は、あらゆる権威・権力に対する抵抗。反面、今回はハッカーの友人や弁護士、そしてジャーナリストや医者など、味方をしてくれるものには少しだけ胸襟を開くという成長も垣間見せる。
◆忌まわしい過去と巨大な秘密に対峙するヒロイン。壮大な仕掛けと張り巡らされた伏線、よりミステリー色を前面に出し、ダークサイドに堕ちた人間の魂をのぞきこむような映像と意表を突く展開に、スクリーンから目を離せない。(80点)
小柄で華奢、まるで世界を敵に回すかのごとき憎悪をむき出しにする反面、ハッカーとしての天才的能力、何ものをも恐れぬ勇気と行動力を持つヒロインの強烈な個性はこの続編でも健在。まともに言葉を交わせないほどの他人に対する圧倒的な不信感を、なぜ彼女は抱くようになったのか。今回は偶然巻き込まれた殺人事件をきっかけに、彼女は封印されていた忌まわしい過去と巨大な秘密に対峙せざるを得ない状況に陥っていく。壮大な仕掛けと張り巡らされた伏線、よりミステリー色を前面に出し、ダークサイドに堕ちた人間の魂の奥をのぞきこむような映像と意表を突く展開の連続は一瞬たりともスクリーンから目を離せない。
◆観客の想像を超えられないものを、描かないことによって、観客の想像を超えようとした意欲作(72点)
次々と大作、話題作を手掛け、ヒットを飛ばしている堤幸彦監督は、一般の観客に支持されていると言っていいだろう。しかし、周囲の映画記者や関係者にそう言うと、強烈に反論され、バカにされることが多々ある。コアな映画ファンの一部には、堤作品が大嫌いな人たちが存在するのである。堤監督が一般の映画ファンに受け入れられるのに、一部のコアな映画ファンに嫌われるのは、なぜなのだろうか。
◆真の孤独を知る人におすすめのラブストーリー(75点)
尽くす女、と呼ばれる女性がいる。遠方に住む異性の友人から窮状を知らされると、いてもたってもいられず送金の準備を始めたり、明らかに身の立つ可能性のないロックミュージシャンを食わせる事に生きがいを見出すタイプである。外部から見れば、どうみても堕ちる一方なのになぜそんな事をするのか。
◆エドガー・ライトのハリウッド進出第一弾(85点)
男の子達に人気のゲームや漫画の醍醐味は襲ってくる敵を次々と倒してゆくというもの。ブライアン・リー・オマーリー原作で、『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-』のエドガー・ライト監督が映画化した『THE SCOTT PILGRIM VS. THE WORLD』はまさにそんな作品。映画で人気のゲームと同じ様なスタイルを取ってしまったら惰性により飽きてしまうのが通常。しかし、本作はコメディ、アクション、ミュージカル、そしてラブストーリーと、いろんな要素がミックスされて作られた一瞬たりとも飽きさせない傑作なのだ。
◆薄型テレビと携帯電話と宮崎あおいという小顔の女優が出てこなければ、40年前のホームドラマを見ているような錯覚を起こしかねない舞台設定。家族の絆と近隣同士の交流が盛んだったころの暮らしの原風景を見ている気にさせる。(70点)
同じ敷地内に母と娘が生活する家と大家のばあさんが住む古い木造家屋が庭を挟んで立っている。高度成長期以前に建てられたのか、時代から取り残された佇まいは、この3人の長く深く濃い人間関係を象徴している。訪れるのも近所の主婦だけの女の世界、薄型テレビと携帯電話と宮崎あおいという顔の小さな女優が出てこなければ、40年前のホームドラマを見ているような錯覚を起こしかねない舞台設定と交わされる会話の内容は、家族の絆と近隣同士の交流が盛んだったころの庶民の暮らしの原風景を見ている気にさせる。
◆ノリの良い楽曲を歌うシーンが随所に散りばめられているので、観る者をゴキゲンな気分に浸らせてくれる(70点)
コンゴの首都キンシャサで活動するバンド“スタッフ・ベンダ・ビリリ”に迫る音楽ドキュメンタリー。監督は、フランス出身のフローラン・ドゥ・ラ・テューレとルノー・バレのお二人。