自分探しをテーマにした映画は数多く有るが、それは人にとって自分自身が最大の謎であることの裏返しなのかも知れない。この映画はそんな多くの人が持つ疑問を起動させる。(点数 83点)
(C)2011 Lions Gate Films Inc. All Rights Reserved.
主人公であるネイサン(テイラー・ロートナー)の生い立ちの謎が後半まで解き明かされないので気になり、集中力を持続させて観ることが出来た。ストーリーを牽引する謎はそれほど不可解なものでもなく、全編を通して見ると腑に落ちる謎ばかりで、置いてけぼりを食らったような居心地の悪さを感じずに済んだ。但し、ストーリーの進行上、映画的なご都合主義的展開が有るのだが、そもそも虚構にもっともらしい結末を用意するためには避けては通れないことなので、多少の粗には目をつむることが出来る。
この映画の批評を読む »
絶妙な演技によって、言葉にならない複雑な感情を見事に表現する(点数 90点)
(C)La Petite Reine – Studio 37 – La Classe Américaine – JD Prod – France 3 Cinéma – Jouror Productions – uFilm
気軽に楽しめるエンターテインメントというのは、日本ではヒットしやすい。ご丁寧な説明、分かりやすいキャラクター、教科書通りの展開。日本人の映画館での平均映画鑑賞数が「年間=1本」という現実を考えると、「年に1度の映画鑑賞くらい頭を使わずに楽しませておくれ~」という方々の気持ちも分からなくはない。
この映画の批評を読む »
この映画を見ると「言葉がなくても、こんなに気持ちは伝わるんだ」ということを、再確認できます。(点数 80点)
(C)La Petite Reine – Studio 37 – La Classe Américaine – JD Prod – France 3 Cinéma – Jouror Productions – uFilm
アカデミー作品賞、監督賞、主演男優賞ほか5部門を受賞した
話題作『アーティスト』。
公開直後に、見てきました!
もっとエンタメ色の強い映画かと思いましたが、
実験映画とエンタメのギリギリのライン。
よくこの作品がアカデミー作品賞を受賞したな、と驚きます。
この映画の批評を読む »
アメリカのジャイアニズムに加担する日本に複雑な気分になったが、あまり深く考えすぎなければ楽しめる作品。(点数 80点)
(C)2012 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
NASAからの友好的なメッセージに呼応してやってきたエイリアンが好意を踏みにじり世界を襲う戦争アクション。
アクションが中心だが、自衛艦艦長のナガタ(浅野忠信)と、はみ出し者だが、闘いのセンスに光るものを持つ主人公の海軍士官アレックス・ホッパー(テイラー・キッチュ)の逆境の中で生まれる友情も描かれている。
【ネタバレ注意】
この映画の批評を読む »
歳は30歳を超えても、精神年齢は20歳くらいのまま、という人は日本人でも多いのではないでしょうか。大人になるって、どういうことなのでしょう?(点数 80点)
(c)2011 Paramount Pictures and Mercury Productions, LLC. All Rights Reserved.
私が注目する監督は何人かいますが、
30代の若手監督ということでいえば、
ジェイソン・ライトマン監督ははずせません。
『JUNO/ジュノ』『マイレージ・マイライフ』と、
強烈な作家性とテーマ性を持った作品を作っています。
この2本の映画は、どうしても見ておきたい映画です。
この映画の批評を読む »
サイレント映画にはトーキーとはまた違った良さがあることに気づかされる一品。(点数 85点)
(C)La Petite Reine – Studio 37 – La Classe Américaine – JD Prod – France 3 Cinéma – Jouror Productions – uFilm
サイレントでモノクロなのだが、それはあくまで表現法としてこの手法を採用しているのであって、旧来のままのサイレント映画では無い。
サイレントの縛りをメタフォリカルするようなシーンもあって、だからトーキーがすばらしいとか、ではサイレントが至高であるとかの議論を超えて、新しい時代の到来を固辞した男のプライドが過不足なく描かれている。
この映画の批評を読む »
子供と一緒に見る映画ではないと思いますが、ディープな映画ファンほど心に引っかかるでしょう。(点数 80点)
(C)Paramount Pictures 2011
マーティン・スコセッシの映画というのは、非常によく作りこまれています。
しかしながら、あまり深い部分まで作られているので、
映画ファンではない、普段あまり映画を見ない人たちにとっては、
敷居が高すぎる気がします。
この映画の批評を読む »
20代の若者が見ても、「老い」と「孤独」のテーマを強く感じるでしょう。(点数 80点)
(C)2011 Pathe Productions Limited , Channel Four Television Corporation and The British Film Institute.
最近、「老い」と「孤独」のテーマにする映画が多いような気がします。
でもそれは、私自身が「老い」と「孤独」について、
いろいろと考えているせいでそのテーマに目が行ってしまうという
可能性も否定できませんが、
映画『マーガレット・サッチャー 』は、20代の若者が見ても、
「老い」と「孤独」のテーマを強く感じるでしょう。
この映画の批評を読む »
やっぱりネコは最強? 3Dファンタジーの世界にひたっちゃおう!(点数 80点)
PUSS IN BOOTS (R) and (C) 2011 DreamWorks Animation LLC. All Rights Reserved.
捨て猫だったプス(声の出演:アントニオ・バンデラス)
は、孤児院で、卵のハンプティ・ダンプティ(声の出演:
ザック・ガリフィアナキス)と幸せに暮らしていました。
ふたりの夢は、「魔法の豆」を入手し、木を育て、雲の中
にある巨人の城から「金の卵を産む伝説のガチョウ」を盗
み出すことでした。
ある日、ブスは、突進してくる猛牛から、女性を助け、村
の英雄となりますが、ハンプティを助けようとして、無実
の罪をきせられてしまいます。故郷を追い出され、おたず
ね者になったプスは、ある町で久しぶりにハンプティと再
会しますが……。
この映画の批評を読む »
ディズニーの抱く理想が主人公の反骨精神に重ねられているように思う。(点数 85点)
(C)Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
火星人自らが住む星を『バルスーム』と呼ぶ火星にひとり迷い込んだ地球人のジョン・カーター(テイラー・キッチュ)が火星人間の対立に巻き込まれ種族を超えた民の力を糾合して真の邪悪な存在と戦っていく姿を描く。
この映画の批評を読む »
疑問が多い問題のラストシーンですが、私はストレートに感動しました。(点数 80点)
(C)2011 GROVE HILL PRODUCTIONS LLC All Rights Reserved.
前回紹介した『メランコリア』は世界の終末の映画でしたが、
今回の『テイク・シェルター』も同様に世界の終末を暗示させる作品ですが、
その雰囲気は大きく異なります。
この映画の批評を読む »
ラストシーンの衝撃に酔いしれた(点数 80点)
(C)2011 Zentropa Entertainments ApS27
あと一日で世界が終わるとしたら、あなたは何をしますか?
映画『メランコリア』。すでに紹介したと思っていたら
まだ当サイトで紹介していなかったことに気付きまして、
もうすぐ公開終了なので、あわてて紹介させていただきます(笑)。
キルスティン・ダンスト主演、で第24回ヨーロッパ映画賞にて
最優秀作品賞を受賞した『メランコリア』。
この映画の批評を読む »
祝メリル・ストリープ、3度目のオスカー受賞っ! なりきり演技に
感動!(点数 80点)
(C)2011 Pathe Productions Limited , Channel Four Television Corporation and The British Film Institute.
英国初の女性首相となって、国内だけでなく、世界に影響
をあたえ続けたマーガレット・サッチャー(メリル・ストリープ)。
強い信念と力強いリーダーシップから、人は彼女を「鉄の女」
とよびました。
彼女をかげから、ずっと支え続けた最愛の夫・デニス(ジム・
ブロードベント)が他界し、彼女は、静かにこれまで
の人生をふりかえります。
貧しい雑貨商の娘に生まれ、戦い抜いた現役時代。そして、
キャリアの為になにを犠牲にしてしまったのかを。
この映画の批評を読む »
スタイリッシュなクライムムービーを目当てにしている人には期待に沿えると思う(点数 80点)
(C)2011 CATCH44 AP LLC ALL RIGHTS RESERVED.
ギャング同士がラスベガス郊外にある場末のダイナーで三つどもえの抗争をするストーリーなのだが、ターンテーブルでスクラッチをしているような編集・場面構成が面白い。時系列を崩した構成は過去に何作もあるが今作ではそれを多用することで新しい意味を持ち始めている。場面を小出しに見せることで観客の興味を持続させるストーリーテリング。
また、ひききり無しに流れるカントリーやポップスがラジオをザッピングしているような忙しなさがあるが、登場人物の心象風景にマッチするとむしろそれが心地よさを誘う。
そして、寓意を含んだ譬え話など奥行きのある台詞。
そのどれもが既視感を拭えないものであることは認めるが、それを敢えてしてしまうのはそれを超えるだけの面白さが用意されているからだ。
この映画の批評を読む »
人種差別問題を真正面から扱った映画だが、現代でも根強く残る問題であることに気付かさせられる一品。(点数 83点)
(C)2011 DreamWorks II Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.
ジョン・F・ケネディが大統領に就任していた時代のミシシッピー州の州都が舞台なのだけれど、ミシシッピー州が映画の舞台になると多くの場合、人種差別がテーマになる。失踪した公民権活動家の行方を捜査するうちに根強い人種差別の壁に阻まれる捜査官の葛藤を描いた『ミッシシッピー・バーニング』(1988)、『評決のとき』(1996)も舞台は架空の街ではあったが設定ではミシシッピー州にあった。今作もその法則に漏れず、低賃金で働く”ヘルプ”と呼ばれる黒人のメイドと雇用主である裕福な白人女性との確執のはなし。
この映画の批評を読む »