父親探しの映画が多すぎる!?(点数 80点)
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あなたは、映画に何を一番求めるますか?
「おもしいろ」かどうか? エンタメ性。
あるいは、共感し感動する、深いテーマ性でしょうか?
私は欲張りなので、エンタメ性とテーマ性の両方を求めます。
先日、『アメイジング・スパイダーマン』を見ましたが、
これも、エンタメ性とテーマ性の両方の要素が含まれている作品だと
感じました。
特に、幼少時に亡くなった父親の秘密を探るという
「父親探し」のテーマと、「自分は誰か?」という自分探しのテーマ。
実は、このテーマは表裏一体なのですが、
「自己存在のアイデンティティ」や「承認欲求」といった、
かなり深い部分まで、テーマ性が深く描かれていて、引きこまれました。
3Dというのは私は大嫌いなのですが、本作では、
編集など細かい部分に関しても、3Dの観客を意識して作られていますし、
ビルの谷間を移動するシーンや、糸を発射するシーンなど、
3D向けの映像で構成されているため、
久しぶりに「3Dで見たほうがいい」3Dと言えそうです。
主演のアンドリュー・ガーフィールド
(『ソーシャルネットワーク』のエドゥアルド・サベリン役)も、
「孤独」をうまく演じていたと思います。
それにしても、「父親探し」の映画というのは、昔からありますが、
ここ最近、本当に多いです。
『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』
『ヒューゴの不思議な発明』『虹色ほたる』
『ももへの手紙』など、どれもが亡き父のメッセージを探し、
それを受け取る「父親探し」の物語。
『アメイジング・スパイダーマン』もまさに、そういう話でした。
日本もアメリカも、「父性」不在というのが、
社会的な問題になりつつあるのかもしれません。
(樺沢 紫苑)