ストリープとロバーツのガチンコ勝負にときめく!(点数 90点)
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家族というのは、かけがえのない大切なものです。
大切だからこそ、何かうまくかみ合わなかったりすると、大変ですよね。
8月の真夏日。父親の失踪の報を受け、オクラホマの片田舎の実家に、3人の娘が久しぶりに集まります。
迎えるのは、病気のため、薬漬けの日々を送り、さらに毒舌に磨きがかかった母・ヴァイオレット。
母の妹も加わり、本音丸出しの辛辣な会話の中で、今まで隠されていた秘密が次々と明らかになって……。
とにかく、キャストが豪華です。
あのメリル・ストリープとジュリア・ロバーツが母娘役で初共演し、ガチンコのどつきあいをみせてくれます。
女たちの戦いのすさまじさは必見です。
さらに、ユアン・マクレガー、クリス・クーパー、アビゲイル・ブレスリン、ベネディクト・カンバーバッチ、ジュリエット・ルイスら豪華キャストが共演。密度の濃い舞台劇のようです。
それもそのはず、ピュリッツァー賞とトニー賞をダブルで受賞したトレイシー・レッツ自らが脚本を手がけたんです。
薬がここまで言わせているのか。それとも心底嫌みで、救いようのないエゴイストなのか。
目を背けたくなるようなあまりに凄惨な姿に、メリル・ストリープの役者魂を感じました。
家族なのに愛することができない。理解できない。許せない。
そんな様々な負の感情が喚起される作品です。
見ていてせつなくなってしまうほど!
単純に感動して、ハッピーエンドというわけにはいかないけれど、ラストのジュリア・ロバーツに救われました。
しみじみ家族のことを考えたい方に、特にオススメです。
(小泉 浩子)