決着をつけなければならない運命の糸に導かれた
4人の男たちの思いが、無数の銃弾とともに交錯する。(40点)
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固い友情で結ばれた男と男、愛と憎しみに翻弄される兄弟、二つの裏
切りと三つの復讐。決着をつけなければならない運命の糸に導かれた
4人の男たちの思いが、無数の銃弾とともに交錯する。流麗なカメラワ
ークが紡ぎだすスタイリッシュな映像は犯罪組織に生きる者たちの理
想を反映し、それを追う刑事の泥臭い人生と好対照をなす。だが、そ
こで描かれる物語はウエットな感情を強調し過ぎ、非常に重い。
脱北者のヒョクとヨンチュンはプサンの武器密輸組織の幹部としてタ
イの組織と取引するが、部下のテミンの内通でヒョクは逮捕される。
3年後、ヒョクがプサンに戻ると、組織の実権はテミンが握っていた。
ヒョクには北に残してきたチョルという弟がいるが、チョルは脱北後
刑事になってテミンを追っている。ヒョクは何度もチョルと和解しよ
うとするが、自分を見捨てたヒョクをチョルは許そうとしない。そん
な中、ヒョクはヨンチュンにテミンの組織のカネを奪う計画に協力を
求められる。
信頼と嫉妬、後悔と贖い、欲望と苦悩、ヒョクは3人の男の輪の中心で
もがき苦しみ、何をすべきか迷った末、己の信じた道を選ぶ。たとえ
先にあるのが破滅であるとわかっていても。そのあたりのヒョクのキ
ャラクターがいかにも愚直で、ストーリーは男としての筋を通そうと
するばかりに、人間関係とそれにまつわる因縁をいたずらに複雑にし
てしまっている。
お勧め度=★★ (★★★★★が最高)
(福本次郎)