結局、一番恐ろしいのは人間? 韓国発の超弩級ホラーです。(点数 85点)
(C)2013 CJ E&M CORPORATION, ALL RIGHTS RESERVED
WEBには、いいことや悪いことが無秩序にあふれていますが、日々の生活には、なくてはならないものになっています。
そんなWEBに、けしてのぞいてはいけないサイトがあるとしたら?
WEB漫画“パート”の編集長が無惨に殺害されますが、外部からの侵入の形跡はなく、警察は自殺と断定。
しかし、担当刑事・ギチョル(オム・ギジュン)は疑いを持っていました。
編集長は死の直前、担当作家であるジユン(イ・シヨン)のWEB漫画を見ていて、そこには殺される編集長の姿が予言のように描かれていたのです。
その後、次々に彼女のWEB漫画で描かれたとおりの死体が発見され、ギチョルはジユンを真犯人として追いつめますが……。
WEB漫画家のジユンは、デビュー作 『狂気の歴史』で大成功を手にしますが、次作へのストレスで悪夢を見るようになります。
たびたび、現実と想像が区別できなくなる彼女を観ていると、現実と妄想の揺らぎの中に引き込まれ、彼女が犯人なのか、真実はどうなのか、混乱していきます。
WEBで自分の死の予告が公開されると謎の死を遂げるなんて、こわすぎます。
ありえそうな状況がさらに恐怖を倍増させるんですよね。
しかも、ネット大国である韓国では、さらにリアルに感じられるはず。
一つとして同じではない殺し方が、またゾクゾクしちゃうんです。
スネに傷がある人々が復讐されるのですが、観ていて爽快というよりは、「悪いことをすると、こういうたたりがある」という教訓がちらついてしまいます。
アジア特有のねちっこーい、どろどろとした恨みをはらしていくさまに、思わず、まじめに生きていこうと決意してしまうほどです。
恨みと情念の世界にあふれていますが、結局、一番こわいのは、人間の欲と業ではないでしょうか。
やっぱり、人が一番こわいですね。
(小泉 浩子)