実験室KR-13 - 前田有一

◆密室サスペンスとしては、充分楽しめる(65点)

 「MKウルトラ」計画は、陰謀論好きやオカルト方面では有名な洗脳実験である。冷戦時代にCIAにより行われたが、資料がすべて破棄されたことから公式に認めさせるのは難しい。だが奴らならこうした非人道的な実験もやりかねない。おおむねそんな感じに認識されている。ネタにした映画も複数ある。『実験室KR-13』は、そんな定番ネタを、現代を舞台に蘇らせたサスペンス作。

 若き研究者エミリー(クロエ・セヴィニー)は、ある政府機関に志願しやってきた。そこで彼女は、今後の任務にかかわるビデオ映像を見せられる。そこには明るい実験室内部が写っており、やがて部屋に若い女性ケリー(クレア・デュヴァル)ら4人の男女がやってくる。彼らは治験バイトに応募してきた若者で、最初に質問表に回答したあと博士(ピーター・ストーメア)の説明を受けるが、その最後に驚くべき光景を目にすることになる。

 のっけから重苦しい音楽とムードで、こいつは意外といいかもと思わせる。その期待は裏切られることなく、「SAW」のような密室恐怖劇が94分間ノンストップで繰り広げられる。開始18分あたりで起こる出来事に、たぶん観客のほとんどは度肝を抜かれ、そこから心拍数はあがりっぱなしとなるだろう。

 議会の公聴会などで明らかになったというが、内容については憶測に憶測を重ね、今ではほとんど与太話としてしか扱われないMKウルトラ。普通に描けばバカ映画にしかならないが、この映画はその生かし方が上手かった。911後の世相を脚本に取り込み、それなりに説得力のある理屈づけを行った。とはいえ、メインはあくまで密室内におけるサスペンスなので、一般人も充分楽しめる内容となっている。

 クロエ・セヴィニーやニック・キャノンら、個性的なキャストが揃ったことも、生々しいムード作りの成功に寄与している。ワンセットだから予算も節約できただろうし、その分脚本と雰囲気づくりに注力できたのではないだろうか。

 もっとも、ここで起きる事件の動機じたいは、アホかと思うようなトンデモ具合。実験責任者の博士の話に説得力は皆無。そんなバカな、と苦笑するほかない。

 ただそれがマイナスと感じないほど、テンポよく進行するし、またイチイチ気にしてはいけないのだろう。細かい事は無視して、「被害者」の運命を案じてハラハラしてればそれでいい。1時間半、入場料分は十分楽しませてくれる。

前田有一

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