◆今回登場するFBIの凄腕女性捜査官の描写はベタだが、いちいち大げさでけれん味があるのがこのシリーズの良いところ（55点）

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　約10年ぶりに復活したバイオレンス映画の続編は、前作以上に過激なアクションが炸裂し、ファンの喜ぶ顔が目に浮かぶようだ。コナーとマーフィーは神の啓示を受けて、悪人に制裁を下す“処刑人”となった双子の兄弟。父と共に、ボストンを牛耳るイタリアン・マフィアのボスを法廷内で殺してから国外で暮らしていた。ある時、彼らの知人の善良な神父が殺害される事件がボストンで発生する。マフィアの挑発と知りながら、兄弟は途中で仲間になったメキシコ人のロミオと共に、再び戦いを開始する…。

　映画「処刑人」は、悪人たちをブチ殺すのが敬虔な信者という意外性がウケたアクション映画で、今や伝説のカルト・ムービーだ。壮絶かつ華麗なガン・アクションは男性に人気だが、女性にもファンが多いのは、ショーン・パトリック・フラナリーとノーマン・リーダスというイケメン俳優の存在のため。そんな二人もすっかりフケたが、その分シブい味わいが出た。ピーコートをはおり聖書の言葉を引用しながら悪人に向かって銃をブッ放すスタイルは懐かしくて嬉しくなる。今回登場するFBIの凄腕女性捜査官の描写はベタだが、いちいち大げさでけれん味があるのがこのシリーズの良いところだ。この際10年分たっぷりとはしゃいでもらいたい。前作と同様、いや、それ以上に活躍するのは兄弟の父イル・ドゥーチェ。過去の因縁にきっちりと落とし前をつけるその姿は、息子たちより過激で熱い。それから最後の最後にウィレム・デフォーが重要な役どころで登場する。前作で彼がみせた異様な女装姿は、私の映画的トラウマとして五指に入っている。本作で顔をみせてくれなければ承知しない！　との思いは報われた。前作を見ておくと数倍楽しめるので、未見の方はぜひ予習してから臨んでほしい。

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（渡まち子）