冷たい雨に撃て、約束の銃弾を - 渡まち子

◆男たちの鮮烈で美しい生き様は横やりの言葉など許さず、見るものを黙らせる迫力がある(75点)

 フィルム・ノワールの本家フランスの香りと、香港ノワールの雄ジョニー・トーの独自の美学の出会いは、芸術的なハードボイルド映画を生んだ。凄腕の殺し屋だった過去を持つフランス人のコステロは、マカオに住む最愛の娘とその家族が何者かによって惨殺されたことを知る。異国の地で偶然出会ったクワイ、チュウ、フェイロクの3人の殺し屋を全財産をはたいて雇い、復讐を誓うコステロだったが、彼は徐々に記憶を失う脳の病を抱えていた…。

 記憶を失う1人の男と3人の殺し屋の男同士の絆。非常に魅力的な設定だが、ストーリーは少々甘く、安易な展開もある。だが、男たちの鮮烈で美しい生き様は、横やりの言葉など許さず、見るものを黙らせる迫力がある。寡黙なのは登場人物たちも同様だ。コステロと3人の殺し屋は、会った途端に、どこかに同じ世界の匂いを感じ取り互いを認め合う。さらに銃の扱いを確かめることで絆が生まれるという“熱くてクールな関係”は、その後、仕事を依頼した本人が復讐の意味さえ忘れてしまっても生き続けるのだ。ジョニー・トー作品ではおなじみのスタイリッシュで華麗なガン・アクションは本作でも健在。鬱蒼とした夜の森林の月明かり、狭い街中を疾走するときに降りしきる雨など、そこには周囲の人間の存在など無視した独自の世界が広がっている。圧巻は、強風が吹き荒れるゴミ置き場で繰り広げられる激しい銃撃戦だ。紙ごみを巨大なキューブ状に固めたものを盾にして戦う男たちが流す血は、まるで勲章のように誇らしげである。すべてを忘れてしまう男に復讐の意味があるのかとのセリフの答えは、映画を最後まで見れば明白に分かるはずだ。ジョニー・アリディが漂わす乾いたムードと哀愁、トー作品常連の俳優たちの不敵な面構えこそが、この映画最大の魅力と言えよう。

渡まち子

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