僕たちのプレイボール - 渡まち子

◆野球は一人の力では勝てないスポーツで、チームワークが何よりも大切だとするテーマは、平凡に見えるが説得力のある展開で安心して見ていられる(50点)

 リトルリーグ誕生70周年を記念して作られたベースボール・ムービーには、エグゼクティブプロデューサーとして新庄剛志の名前がある。元メジャーリーガーの父親を持つ小学生の球児はアメリカで暮らしながら大好きな野球に熱中していた。だが、母親は球児の将来のために、母子だけで日本に帰ることを決意。帰国した球児は同級生の勧めで「東陽リトル」という少年野球チームに入団するが、野球に真剣に取り組まないチームメイトやコーチらとなじめずにいた。孤立する球児だったが、チームメイトの女の子・沙希が野球に打ち込む理由を聞いて、自分の態度をみつめ直し、リトルリーグの世界大会出場を目指して仲間と共に練習に励む。

 「がんばれ!ベアーズ」でも描かれていたリトルリーグは、女の子も一緒にプレーできることや、子供たちの大会とはいえ、ちゃんと硬球を使用することなど、新鮮な要素がたくさんある。私自身、ペンシルバニア州ウィリアムスポートが発祥の地であることは、本作で初めて知った。物語は、才能はあるが性格に問題ありの主人公の少年が、家族の絆や仲間との友情を通して成長するという、鉄板のストーリー。野球は一人の力では勝てないスポーツで、チームワークが何よりも大切だとするテーマは、平凡に見えるが説得力のある展開で安心して見ていられる。アメリカ帰りの球児が日本の下町で暮らす中で感じたカルチャーギャップも、さりげなく取り入れて微笑ましい。肩を壊してメジャーリーグからマイナーリーグへ落ちても、決してあきらめない父の背中は少年にとってどれだけ大きくたくましく見えただろうか。懸命に歌う「私を野球につれてって」はなるほどヘタクソだが、家族にとって何よりの応援歌だ。無名に近い子供たちは、演技は稚拙だが一生懸命さが伝わって、それが物語のテーマに合致している。リトルリーグの精神とは「何か大切な事を見つけよう」だそう。野球映画が今も昔もファンを熱くしてくれるのは「ピンチのときこそ仲間を信じる」スピリットがあるからに違いない。

渡まち子

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