究極の密室型アクション映画(点数 80点)
(C)2011 EUROPACORP
あまり話題にもなっていませんが、
リュック・ベッソン監督が『フィフスエレメント』以来
約15年ぶりにSF映画に挑んだ作品というので、
見ないわけにはいきません。
この映画を見てある作品が思い出されました。
私の大好きな作品なのですが、
ジョン・カーペンター監督の『ニューヨーク1997』です。
『ロックアウト』は、宇宙空間に作られた脱獄成功率0%の刑務所
MS-1から、囚人たちに囚われた大統領の娘を、
凄腕元CIAエージェントで監獄に収監されるはずの男スノーが、
救出に向かう話。
『ニューヨーク1997』は、監獄と化したマンハッタン島から、
そこに不時着して囚われた大統領を、
終身刑を受けた男スネークが救出に向かう話。
『ロックアウト』は、『ニューヨーク1997』のSF版とでもいいましょうか。
あるいは、孤立した監獄で無線を頼り天井裏などを動きまわるシーンは、
『ダイハード』にも似ています。
本作はリュック・ベッソンの発案ということですが、
オリジナルというよりは、様々なアクション映画の
いいとこどりになっていて、そういうところも楽しめます。
密室。閉鎖空間というのは、緊迫感を生みます。
宇宙空間に漂う宇宙刑務所は、ある意味、究極的な密室であり、
全囚人500人を敵に回して、スノーが孤軍奮闘するという設定も
ワクワクします。
『フィフスエレメント』のような深いテーマ性はありませんが、
エンタメと割り切ればおもしろい作品です。
(樺沢 紫苑)