リアル鬼ごっこ2 - 渡まち子

◆山田悠介原作の人気小説を映画化した前作は、思いがけない面白さを持つ小品だった(50点)

 前作のラストのオチから、続編はいくらでも作れそう…との予感はやはり当たった。日本で一番多い姓「佐藤さん」迫害のゲーム・鬼ごっこで勝利した佐藤翼は、謎の独裁者“将軍”が支配する世界で妹の愛や幼なじみの洋たちと共にレジスタンス活動を繰り広げていた。将軍から受けた提案で半ば強制的に鬼ごっこに参加し、必死で逃げ回る中、なぜか翼だけが突然現実世界に戻ってしまう。鬼たちまでも一緒に連れてきてしまった翼は、現実世界でも逃げ回ることになるのだが…。

 山田悠介原作の人気小説を映画化した前作は、思いがけない面白さを持つ小品だった。パラレルワールドというネタは定番だが、そこに、ただ佐藤姓というだけで命を狙われる不条理がからみ、強い訴求力があったためだ。「佐藤さんが虐げられる」と「捕まったら殺される」という2つの設定は同じ。だが今回は原作にはないオリジナル・ストーリーで、主人公はただ逃げ回るだけでなく、果敢に敵に立ち向かう。運命がつながっている現実とパラレルワールドで、なぜ翼だけが自由に行き来できるのかという謎と、二つの世界でのW鬼ごっこを逃げ切る展開、さらに謎の支配者の目的が鍵となる。前作は物語のスピード感が圧倒的で引き込まれたが、今回のベースはラブストーリー。おかげで少々迫力には欠けてしまった。ラストの翼の顛末は「またか」と思わせるものだが、まぁ、お約束のようなものだろう。登場人物たちがひたすら走る映像は、役者の生(ナマ)の頑張りが伝わってくるもので、石田卓也の走りっぷりは今回も見事だ。廃工場やトンネルなど、適度にリアルで身の丈にあった作りの美術が良い。

渡まち子

【おすすめサイト】