ミレニアム・マンボ - 前田有一

◆台湾社会の現代を描くというが、説得力がない(25点)

 カンヌ国際映画祭の高等技術院賞を受賞した、現代の台湾を描く6つの物語の序章として企画された作品。

 ってことは、今後10年間だかで、あと5本の続編が作られるということか。なんでも、主演のスー・チーは、全作品に出演するとかいう話だ。だが、人気女優のスー・チーが、はたしてホントにこんな地味な映画にずっと出続けるのかどうか、大いに疑問だ。

 『クローサー』では、その美しさで、男性諸氏の心を奪ったスー・チーだが、この映画の冒頭では、ブサメイクで荒れ果てた女を表現。特に、櫛も入れていないようなヘンなヘアスタイルには衝撃を受ける。

 台湾の現在をリアルに切り取るため、手持ちカメラを多用。ただしあ、俳優の演技にはあまりリアリティを感じられない。台北の今を伝えるというのが本作の目的で、そのために長まわしや台本無しの即興演技だのをやってるのだが、演じている俳優に生活感が感じにくいのは皮肉なところ。

 また今回は、スーチーの脱ぎっぷりがいまいち悪い。肩から上だけ写すような濡れ場が、余計に演技くささを増す。セックス中の表情の演技も不自然にみえる。人間が描けていないのと、手法に凝っても映画に説得力は生まれないということがよくわかる。

前田有一

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