ミッシング・ガン - 前田有一

田舎の方言がいい味を出している、のどかなサスペンス(50点)

 警官が、ある日起きたら拳銃をなくしたことに気づき、捜索を始めるという中国映画。

 なんか、アメリカ人が大都市を舞台に作りそうなストーリーだ。だが、この映画は中国映画だし、舞台はのどかな田舎である。このアンバランス加減は、口では説明しようのない不思議感覚だ。

 で、主人公の警官は、昨日出席した村の結婚式の会場に落としたのかと探しにいったり、村人(全員知り合い)に聞きまわったりする。

 なんというのどかな映画であろう。そこでこんなシリアスなサスペンス調の話を成立させてしまうのだから、ある意味この監督の才能は恐るべしだ。

 音楽はアジア的で、ド田舎の風景と合わせて、いかにも中国の朴訥としたムードが心地よい。低予算だからなのだろうが、登場人物も最小限で、わかりやすい。

 でも、なんで銃を盗まれて逮捕されるんだろう? といった、観客の素朴な疑問についての説明はない。中国ってああなのかなあと思うしかない。

 あと、オート拳銃なのになんで弾が3発しか入って無いのか? というのも、最後まで分からなかった。中国の警察官には3発しか支給されないのか?

 あと、なにもあんな方法をとらなくても、張り込みだけしてりゃ、犯人逮捕できるのだが、それはいわない約束なのであろう。

 ま、中国だから許せるって感じ。リアリティなどは幼稚なレベルだ。犯人との対決シーンも、緊迫感は多少あるものの、のどかさのほうが目に付く。最後まで不思議な映画であった。

前田有一

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