マナに抱かれて - 前田有一

◆日本人ばなれしたスタイルの川原亜矢子が光る(45点)

 川原亜矢子が主演の、ハワイを舞台にした癒しのドラマ。パンフォーカスで写したハワイの景色が美しい。そこを跳ねまわる川原亜矢子はもっと美しい、という映画である。

 やたらと手足が長く、とんでもなくスタイルのいい彼女は、映画向きの女優だ。演技はあまり上手くないが、とてもがんばっているのが分かるし、何よりオーラを感じる。華があるのである。

 先が読め、いかにも作り話然としたストーリーだし、心情などを会話で説明しすぎてしまう演出にもやれやれ、といった感じだが、川原亜矢子が良いので救われる。白いパンツスーツがすごくよく似合ってて、ちょっとTバックが透けてるお尻には、迷わず1800円を払いたくなる。

 しかしお尻もいいが、彼女の最大の魅力は、どちらかというとコメディエンヌとしてのものである。男からみても女を感じさせない、さわやかな魅力があるのである。だから、彼女にはキスシーンなどは無用だと感じた。そういうのが無い、さわやかなラブコメに主演させてみたい。

 しかし、映画が進むにつれ、どんどん可愛くなっていく川原亜矢子に比べ、相手役ジュンは、どんどんダメ男に見えてくる。

 どう考えても、この二人は不釣合い。空港でのラストシーンも、ぜひ皆さんに1度みて欲しいくらいマヌケだ。

 ここでは誰もが「何いってんだよジュン! そこでそんなセリフはありえねーだろ!」と、スクリーンに叫びたくなること間違い無い。だいたい、このジュン役の演技がひどい。セリフ棒読み王の称号を与えたくなる。

 こういうと、ちょいと辛辣すぎる気もするが、批評家がヌルイ事言ってたら映画界のためにならないし、読者の参考にもならないのだから仕方ない。

 そんなわけで、あの演技とラストシーンのセンスの悪さのせいで、逆の意味で必見の一本となってしまった『マナ』であった。

前田有一

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