ベンジャミン・バトン 数奇な人生 - スタッフ古庄

◆© 2008 Paramount Pictures Corporation and Warner Bros. Entertainment All Rights Reserved(70点)

 人間は皆、歳を重ねるごとにある時を境にだんだんと“生まれた時の状態”に戻っていく。

 手足の関節が弱り、歩く事も立つ事さえも困難になってくる。

 物事をどんどん忘れ、言葉も忘れていってしまう。

 細かく砕いた食べ物を食べさせてもらわなければならなくなる。

 生まれた時同様にオムツを使うようになる。

 当然、誰かの手をかりなければ生きてはいけない。

 寿命をまっとうする人ならば平等に訪れるであろうそんな日々。。

 あー・・・。

 わかっていますが、なんとも切ない。

 そんな人生・・・。

 しかし、もしもこの時間が逆に流れたなら・・・・?

 行き着く先は、“生まれた時の状態”に戻るという点で同じでも歳を増すたびに若返る外見(肉体)。

 おじいちゃんで生まれ、どんどん若返り、子供になり、赤ちゃんになり、生涯を終える。

 全人類が、皆同じならば、これはこれで問題ないような気もしますが、ただ一人がこんな運命になったなら・・?

 周囲と逆の時間が流れるベンジャミン・バトン。彼の人生を2時間47分という大作で描いた今作品。

 いろいろと考えさせられましたー。

 CMのイメージでは、ベンジャミン(ブラッド・ピット)と幼馴染み的存在:デイジー(ケイト・ブランシェット)との恋愛がほぼ中心で、老いてゆく彼女に、若返っていく彼・・と、これまたなんともいたたまれない運命に置かれた二人の行く末を見守る映画だと思っていたのですが、割とベンジャミンの人生をずーっと追っていくようなストーリー展開となっていました。

 あまりに詳細な内容だったので、実話なんじゃないかと思ってしまうほど。。

 今作品、今までにないストーリーにまず興味を魅かれますが、何より、若返っていくブラッド・ピットの映像が兎に角すごい!!

 冒頭のブラピは、どう見てもちゃんとおじいちゃん!!(表現がおかしいですけど。笑)どうやって撮影しているのか、おじいちゃんブラピの顔には小さい体が違和感なくくっついていて、ちゃんと動いている!!ある意味衝撃的映像だ!

 そしてだんだんと若返り、ブラピの実年齢を下回ったときには・・ぞわぁぁ!!鳥肌が立ったっ!!

 シワがなくツルんとハリのある肌、その質感には驚きと感動が入り混じります。

 数十年前の若いブラピがソコにいるんです!!その美しさと懐かしさに思わずうっとり。

 CG処理、特殊メイク、その両方を駆使したそうですが、どちらの技術にも見られるようなお面をつけたような、アニメのような?いかにも【作りました!】的な感じは全くなく、とってもナチュラル!!

 撮影に“光”を上手く使っていることもポイントでしょうか。

 柔らかいダウンライトの下ですと、シワがなく若く見えますからねぇ(笑)ですから私はダウンライト大好きですけど・・(話がそれました。スミマセン 笑)

 それにしても特殊メイクであんなことができるなら、自分もしたいですよ♪(笑)

 なーんて、ちょっとうらやましくビラピを眺めながら、一方デイジーにはシワが増え、目の下が黒くなり、スタイル抜群の体にも重力に逆らえなくなった弛んだ肉が下がり・・・

 おおおぅぅぅ。。いずれはそうなっていくんだと・・改めてショックとなんだかわからない焦りを感じました。。。(汗;)

 そんな運命に置かれた二人ですが、ちょうどお互いが同じ歳(見かけ年齢)に近づく30?40代のわずかな時間はずっと二人で好きなことをして“永遠ではない”時をいとおしむように過ごしていきます。二人の間には子供も生まれ、幸せな日々を過ごすのです。

 しかし、刻々と過ぎ去る時間は二人をそれぞれに成長させて行きます。。もちろん、彼女には老いを・・彼には若さを・・・。

 肉体の行き違いは、お互いを思う気持ちにも行き違いを生じさせます。

 ベンジャミンは「子供の為に普通の、一緒に歳をとっていける父親が必要だ」「デイジー、君に子供二人の世話はできない」と自分が一緒にいることへの罪悪感を抱き、デイジーは「私がどんどんとおばあさんになっていくのが嫌なのね・・・」っと(見かけが)若いベンジャミンを縛り付けておくことに苦しさを覚え始める。

 このあたりの切なさは、フィクションでしかも軽くSF、こんな事態絶対におこりえるわけがない!とわかっているのに、ベンジャミンとデイジーの心境は生生しく、心が痛む。

 同じように歳をとっていけるという当たり前のことに、感謝すらしたくなる。

 また、こうやって人生を見ていくと、人生約80年と永いようですが、有意義に過ごせる時間のなんとも短いこと、ここに改めて気づかされる。しかも、それが肉体的に老いていこうが、若返っていこうが同じ事なのだと・・・。

 “永遠なんてない!”今を大切にしていかなければいけない!としみじみ思いました。ラストでは生まれてくるときも死に行くときも一人なんだよなぁっとしんみり寂しさも感じながら。。。

 そんな内容の今作品でしたが、観終わってからは不思議と暗い気持ちになったり、後味が悪かったといったことはなかったです。それは、数奇な人生だったけれど、人生は人生!いい事もあれば悪い事もある、そんな当たり前のスタンスで終始ストーリーが展開していったからだと思います。

 今作品は、映画館まで観にいって損はないと思います!

 ただ、特殊な人生ではあるけれど、他人の人生をたんたんと追っていきますので、鑑賞前日睡眠不足であった場合は、うっかり寝てしまい、感動の場面を逃しかねません。

 ですので、鑑賞前は、充分に睡眠をお取りになることをお勧め致しますよ☆

スタッフ古庄

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