プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂 - 福本次郎

◆放たれた矢を足場にして城壁を這いあがった青年が、砦の中ではロープを使って空間を立体的に使ったアクションを見せる。短いカットを積み重ね、破壊と混乱の中で剣を振り回して敵をなぎ倒す主人公のスピード感に圧倒される。(50点)

ネタバレ注意! この批評は結末に触れています。

 ほこりの舞うスラム街で少年が軒に登り屋根の上を走るかと思えば、血気にはやる青年が石弓から放たれた矢を足場にして城壁を這いあがる。さらに砦の中ではロープを使って空間を立体的に使ったアクションを見せる。短いカットを積み重ね、破壊と混乱の中で剣を振り回して敵をなぎ倒す主人公のスピード感に圧倒される。後半にはフックのついた鞭、手裏剣、毒蛇まで駆使する暗殺団が登場、彼らとの死闘は変化と意外性に富み、映像の疾走感は最後まで衰えない。

 ペルシア王に助けられたダスタンは王子として養子に迎えられる。勇敢な戦士に成長したダスタンは聖都アラムート攻めの先陣を切って手柄を立て、戦利品として宝剣を得る。しかし、凱旋の席で王が暗殺、濡れ衣を着せられたダスタンはアラムートの女王・タミーナと共に逃亡する。

 アラムート侵攻の理由が高性能兵器の製造と密輸なのが笑える。情報がでっちあげだったのも含めて、イラク戦争を強烈に皮肉り、物語に現代性を持たせている。結局、大国による小国の侵略など、いつの時代も権力欲に駆られた一部の好戦派によってもたらされるということなのだろう。一旦は砂漠に逃げたダスタンとタミーナは、汚名を雪ぐために都に戻ろうとするが、そこでも罠が待ち受け命を狙われる。その過程で宝剣に収められた秘密を知り、ダスタンは真の裏切り者に気づく。ところが、宝剣に仕込まれた砂で時間を戻すシーンはCGの使い方が安っぽく、神秘性に乏しいのが残念だ。

 やがてダスタンとタミーナはアラムートの地下にある「時間の砂」の井戸にたどり着く。先王の弟・ニザムは権力を手に入れるために奪った宝剣で時間をさかのぼろうとする。それは世界が崩壊しかねない危険な所業、エネルギーの噴出で地下迷宮が崩れ落ちる場面はこの映画一番の見どころのはずだが、ここでも今までのスペクタクル映画にあったような表現法にとどまり盛りあがりに欠けた。やはり、時間を過去に戻せる能力を武器に戦う展開の作品は、そのネタを多用すればするほど面白さが減じていくのは否めない。

福本次郎

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