じわじわ来るスパニッシュホラーです。無邪気な美少女がめちゃこわい!(点数 85点)
(C)2011 Oberon Cinematografica, S.A.
血しぶきが飛び、悲鳴が飛び交うスプラッタより、淡々と物語が進んでいくホラーの方がじわじわと恐怖を感じますよね。
特に相手が純粋無垢な存在だったとしたら、もう、どうしていいかわからないくらい、恐怖を感じてしまいます。
この作品もじわじわっとくるホラーです。
38歳のダニエル(ファン・ディエゴ・ボト)と34歳のラウラ(バルバラ・レニー)夫婦は、同じ小学校に勤める教師ですが、なかなか、子供に恵まれません。
ある日、子供のころ、一夏だけ一緒に過ごしたマリオ(マルク・ロドリゲス)が学校に現れ、彼の7歳の娘・フリア(マヒカ・ペレス)と会って、
「あの夏」のことを話して欲しいと懇願します。
思い出したくないダニエルは、彼を追い返します。
しかし、翌日、彼の自殺記事が新聞に載り、身寄りのないフリアを一時的に預かることになって……。
ダニエルの父が再婚相手として考えていた女性には、マリオとクララという子供がおり、あの夏、3人で行動を共にしていました。
父の再婚に反対だったダニエルは、マリオと共にクララに辛く当たります。
現在と「あの夏」が交互に現れ、ダニエルの思い出したくない過去が少しずつ、明らかになっていきます。
フリアは、ダニエルに「あなたを知っている」と思わせぶりに言い、クララの持っていたのと同じ真っ赤なリボンを髪に結び、クララの歌っていた
「書き取り歌」を口ずさみます。
ただのリボン。ただの歌なのに、何故、ダニエルは、こんなに怯えるのでしょうか?
ダニエルの壊れていくさまに、ぞわぞわきてしまいます。そして美少女・のフリアの笑顔もまた、こわいです。
本当に生まれ変わりはあるのか? そして、過去に犯した罪は、あがなわれるのか?
いろいろな疑惑がぐるぐると頭の中を駆け巡り、居心地の悪い気分になってしまいます。そして、訪れる衝撃のラスト。
うっわあ、たまらない。人の悪意って怖いなとしみじみ思ってしまいました。
心理的に、ジワジワ責められたい方に、オススメ。
(小泉 浩子)