◆ジム・キャリーとユアン・マクレガーというハリウッド二大スターがゲイカップルを体当たりで演じている(70点)
懲役167年の刑に処せられ、現在もムショ暮らしを送っている脱獄とサギの名人スティーヴン・ラッセルの実話を基にした作品。
妻子と幸せな人生を送っていたIQ169の元警官スティーヴン(ジム・キャリー)が交通事故に遭ったことをきっかけに自分に正直に生きていくことを決意する。妻には自身がゲイであることをカミングアウトして別れ、金が掛かるゲイ生活のためにサギ師となる。ある日、保険金サギでムショ送りとなったスティーヴンは、所内でフィリップ(ユアン・マクレガー)と出会い、二人の間に愛情が芽生える。スティーヴンは愛するフィリップのためにサギと脱獄を繰り返していくが……。
ジム・キャリーとユアン・マクレガーというハリウッド二大スターがゲイカップルを体当たりで演じているのが最大の見所であり、これだけでも興味を抱いてしまう。二人のゲイ恋愛を念入りに描いており、その恋愛模様に驚かされる。二人のキスシーンや性行為までもがしっかりと取り入れられており、これらを有名スターが違和感を感じさせることなく自然体でやってのけているものだから、スゴいとしか言いようがない。また、ゲイ映画に対して抱きがちな嫌悪感等を感じさせないのが最大の良きポイントでもある。
ストーリーが進展するにつれてスティーヴンとフィリップの間に亀裂が生じてしまう。スティーヴンの行動に対し、フィリップは「自分にウソをつかれている!!」ということで愛想を尽かしてしまう。それでもスティーヴンはフィリップを強く愛しているためにサギと脱獄を繰り返す。果たして二人の愛はどうなってしまうのか?! ということを気に掛けてドラマの後半部分に注目したい。
ラブストーリー、刑務所ドラマ、人間ドラマ、コメディーとしても面白い本作は、「これが実話なのか!!」ということがスゴ過ぎる!! 決してゲイ映画だからといって簡単に侮ってはならない。観る価値はありだ!!
(佐々木貴之)