トゥー・ウィークス・ノーティス - 前田有一

役者もプロットも同じに作ったロマンティック・コメディ(30点)

 ハリウッドでは、ロマンティック・コメディというジャンルが、ドル箱として昔から大人気であるが、現在までに作られたそのジャンルの作品全部を足して、総作品数で割ると出来あがるのが、この『トゥー・ウィークス・ノーティス』である。

 主演は、38歳にはとても見えないサンドラ・ブロック。この人の事を、私は昔から隣のお姉さんと呼んでいるが、それくらい嫌味の無いルックスで、感じのいいひとである。

 相手役は、ヒュー・グラントという、ロマコメの87%くらいに出演しているんじゃないかといわれる、タレ目のナイスガイだ。

 さて、前田式ロマコメ批評とは、『女優・音楽・あり得ないほどの奇跡的展開』という、傑作なら必ず高レベルでまとまっているこの3本柱を中心に見ていくというものなので、今回もその順で見ていくと、まず女優については文句は無い。

 サンドラは、市民運動をやってる弁護士という、良く考えてみれば年収もたくさん貰っていそうで、一見ひがまれそうな職業だが、持ち前の感じの良さで、観客の共感を得るには充分。ルックスも声もかわいらしい。

 次に音楽であるが、冒頭に流れる曲からしてなかなかいい。特に問題なし。で、奇跡的展開についてだが、これは微妙な所である。

 確かに、大金持ちのハンサムボーイが、気の強い女性に依存しまくるこの展開は、母性本能をくすぐるし、仕事上の成功も(恋と)同時に得る部分などは、昨今のフェミニスト的思想の強いキャリアウーマンにとって、見ていて気持ちのいい部分であろう。

 特に、サンドラ扮する女弁護士が、渋滞中に突然腹を下すという、ロマコメとは思えないほどネタがシモな場面は、その象徴である。

 このとき、ヒュー・グラントことタレ目の金持ちは、普段の優柔不断ぶりはどこへやら、彼女を抱っこしてトイレまで走っていくという、経験者には非常に良く分かる、コレ以上ないほど、頼り甲斐のある男を演じてみてる。こうしたギャップにガツンとやられる女性陣は多いはず。そういう女性、あるいは、渋滞で同じ目にあった事のある女性には、オススメできる作品だ。

 なお、『トゥー・ウィークス・ノーティス』には、泣き場面はない。さらに、エンドロール後にちょっとした絵があるので、最後まで席を立たぬようアドバイスする。

前田有一

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