あまりにも強引なこじつけは、それこそ「驚愕の結末」と呼ぶにふさわしい。(点数 40点)
偶然の出会いなのか仕組まれた必然なのか。
旅行中、美女に声をかけられた男が彼女と道行を共にする。
その先で待ち受けていたのは、高級ホテルのスイートルームと武装した物騒な男たち。
訳が分からないまま逃げまどう男は、自分がいつの間にか、ギャングが行方を捜している横領犯に仕立て上げられていたことを知る。
不運にもトラブルに巻き込まれた男、正体を隠した女、そして手紙だけで姿を見せない謎の男。
映画はミステリーにアクションを絡ませて予想もしない方向に舵を取る。
手紙を受け取ったエリーズは、指示に従いベネチア行きの列車に乗り、米国人のフランクに声をかけ親しげに振舞う。
エリーズを見張る警察はフランクを捜査中の逃亡犯・ピアスと勘違いして手配書を配る。
事情が飲み込めないうちに銃を突き付けられ、地元警察に保護されたと安心したのもつかの間、手錠をかけられてギャングに引き渡されるフランク。
ハプニングは旅の醍醐味とはいえ、エリーズとホテルにチャックインするのは楽しいが、命を狙われる危険までは冒したくない、そんな彼の焦りと戸惑いが心をくすぐる。
だが、彼が真実に近づいていく過程は道半ばで終わってしまう定石破りの展開を見せる。
だが、あまりにも強引なこじつけは、それこそ「驚愕の結末」と呼ぶにふさわしい。
まあ、旅先で見知らぬ美女に誘惑されても、鼻の下を伸ばす前に冷静になれという警告にはなったが。。。
(福本次郎)