◆クライマックスの夜の遊園地を舞台にしたアクションは、とにかく見応え抜群(80点)
ルーベン・フライシャーがメガホンを取ったゾンビ・アクション・コメディー。
新型ウイルスの感染拡大が原因で人喰いゾンビばかりの世界となったアメリカ。引きこもり大学生コロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ)は、自身が定めたルールに従ってこの世界で生き延びている。故郷へ帰る途中、ゾンビを心底憎んでいるタフガイのタラハシー(ウディ・ハレルソン)や元詐欺師の姉妹ウィチタ(エマ・ストーン)とリトルロック(アビゲイル・ブレスリン)に出会い、ゾンビがいないとされるロサンゼルス郊外の遊園地“パシフィックランド”を目指して旅をするのだが……。
ゾンビ・ホラーをはじめ、ロードムービー、青春モノ、恋愛モノ、アクション、コメディーと多様なジャンルの要素が盛り込まれたことによって娯楽性は高まり、誰もが楽しめるような作風に仕上がったことが最高に良いポイントなのである。しかも、ゾンビ・ホラーならではのグロいシーンもしっかりと描かれているのだから実に素晴らしい。
また、ビル・マーレイが本人役で出演しているのも要注目ポイントだ。コロンバスとウィチタがビルの豪邸で主演作『ゴーストバスターズ』を鑑賞するシーンをはじめ、レイ・パーカー.Jr歌唱の有名な主題歌も流れ、さらにはパロディーまでも観られる。しかも、ビルの役どころも面白可笑しいため、爆笑させられること間違いなしだ。このような遊び心を活かした演出も高く評価したい。
クライマックスの夜の遊園地を舞台にしたアクションは、とにかく見応え抜群だ。走ってくるゾンビ軍団を銃で蹴散らすのだが、遊園地を舞台にしているだけにアトラクションのような面白さと『バイオハザード』等のようなゲーム感覚の面白さが融合しているかのように思え、存分に楽しめた。あとは、オバケ屋敷を利用したシーンも微笑ましい。
最初から最後の最後まで楽しませてくれる本作。ルーベン監督の初監督作品とは思えないほどの腕前は脱帽モノだ!!
(佐々木貴之)