セックス・アンド・ザ・シティ2 - 渡まち子

セックス・アンド・ザ・シティ2

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◆大人気ドラマの劇場版の続編だが、雰囲気はゴージャスでも、物語に新鮮味が感じられない(50点)

 仕事も恋も遊びも貪欲なあの4人が再び登場。浮世離れしたセレブ・ライフと下世話な本音トークに笑いがこみ上げる。結婚式ドタキャンという事件を乗り越えてようやく結ばれたキャリーとミスター・ビッグ。2年目の結婚記念日を迎えるが、どうやら倦怠期のムードだ。一方で、ミランダとシャーロットもそれぞれの問題で頭を悩ませていた。そんなとき、中東の都アブダビへの豪華旅行に招待されたサマンサが3人に一緒に行こうと提案する。夢のようなバカンスではしゃぐ4人だったが、キャリーは元カレのエイダンと偶然に再会し…。

 大人気ドラマの劇場版の続編だが、雰囲気はゴージャスでも、物語に新鮮味が感じられない。NYの場面が少なすぎるのも不満だ。今回は、サマンサの多彩な人脈によってアリエナイほど豪華なアブダビ・ツアーが実現するのだが、なぜ休暇が必要かという理由が切実だ。サマンサは更年期障害の薬なしには落ち着かず、ミランダはいけすかない上司にイラつき、シャーロットは子育てでブチ切れ寸前。そしてキャリーの不満はといえば、キラキラした生活が過ごせないこと。自宅でくつろぎたいと言うビッグに文句をぶつける始末だ。4人それぞれの幸せをつかんだはずなのに、なんだかちっとも落ち着いてないなぁ…とため息が出るが、このジタバタ感がSATCなのだ。中東でハジケまくるアメリカ娘…いや、肌も露わな米国おばさんグループは、実際にいたらヒンシュクものだが、スクリーンの中では何でも許されるのだ。

 オイル・マネーの底力を思い知る中東のエキゾチックなひと時は、ある事件で激変し、大ピンチに。そんなときこそ女4人の“女子力”が炸裂する。キャリーの気持ちの揺れなどは中学生の女の子並みなのだが、それでも真剣にアドバイスする親友たちの絆は変わっていない。個人的には、馬のように長い顔のサラ・ジェシカ・パーカーをおしゃれと思ったことは一度もないのだが、このシリーズに世界中の女性が熱狂する気持ちはやっぱり分かる。デフォルメされた“自分に正直”とアメリカの田舎娘たちが夢見るであろう成功を手に入れた4人に、ひと時の憂さ晴らしを代行してもらえばストレスも吹っ飛ぶというものだ。ファッションはもちろんのこと、ライザ・ミネリにペネロペ・クルス、マイリー・サイラスまで登場するカメオ出演がこれまた豪華。映画界にもファンが多いこのシリーズならではの華やかさだった。

渡まち子

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