臭いや皮膚感覚を伝えられない中、視覚のみでここまで不快にさせる作品を作ったクリエーターたちには脱帽するしかない。 (点数 60点)
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子供のいたずらの延長から、悪趣味の極致のような事まで嬉々として
挑む男たち。時に大ケガをしながら、一歩間違えると命に危険が及び
かねないスタントに、ただ面白い映像を撮りたいがためにトライする。
そこにあるのはあくなきチャレンジ精神とサービス精神。フツーの人
ならひらめいても絶対に実行に移さないアイデアを手間暇かけて準備
し、笑いながらも痛さに耐え、真剣に取り組む姿はある種感動的だ。
下劣も究極を目指せば立派なエンタテインメントとして成立すること
をこの映画から教えられた。
ジョニー・ノックスヴィル率いるスタントチームがとんでもないおバ
カの数々を披露する。ジェットスキーで庭を飛び、蜂の巣を刺激して
蜂に刺され、強力接着剤で胸毛を取り、バファローやヤギを怒らせる。
今回強化されたのは「下ネタ系」だろう。火山に見立てた男の尻から
勢いよくクソ噴射したり、チンポでトスバッティングしたり、誰彼か
まわず小便をかけまわる男など、まさに「がきデカ」レベルのアホら
しさ。最後に人が入った簡易トイレを逆バンジージャンプで空中に打
ち上げるネタに至っては、汚水タンクからあふれ出した糞尿が3Dのス
クリーンから飛び出してくるようで、思わず顔を背けてしまった。
CGをはじめ3D、D-BOXなど様々な表現技術が発達したが、臭いや皮膚感
覚を伝えられない中、視覚のみでここまで不快にさせる作品を作った
クリエーターたちには脱帽するしかない。
(福本次郎)