ジャケット - 前田有一

面白いが、つくりが荒っぽい(40点)

 ジャケットは、このジャンルの白眉『バタフライ・エフェクト』(99点)に似た、タイムスリップ恋愛サスペンスである。

 ときは1992年、頭に重症を負った主人公の元軍人(エイドリアン・ブロディ)は、ある事件に巻き込まれ、気が付くと病院で拘束衣=ジャケットを着せられ、奇妙な"治療"を受けさせられるハメに。ところが不思議なことに、目覚めるとそこは別の場所。そこで彼は、荒れた生活を送る女性(キーラ・ナイトレイ)に出会う。信じられないことに、彼女は彼がつい先日、道端で出会った幼い少女と同一人物であった。彼は、15年後の2007年にタイムスリップしていたのだ。

 さて、この2007年で彼はさらに衝撃的な事実を知り驚く。自分がすでにこの時代、死んでいるというのだ。彼は運命に抗い、彼女と自分を救うことができるのか、というサスペンスである。

 エイドリアン・ブロディ(『戦場のピアニスト』の主人公役ほか)は、その独特の穏やかな風貌そのものといった、お人よしのキャラクターで、なかなか共感を感じられる。……が、そうした役者の色に頼るばかりでこの映画、人間描写が少々薄い。

 またこの作品は、説明不足と説明過剰のポイントが全く逆である。二人が恋をする理由は、もっと説得力をもたせなくてはならないし(いくら美人だからといって、主人公にとっては昨日まで幼女ですぞ)、タイムスリップらしきものの法則、必要性についても、もっと厳密にやるべきである。ファンタジー要素だからといって、ご都合主義を感じさせるような使い方は良くない。うまくそれを気づかせない事が演出家の腕の見せ所だ。

 そして逆に、結末周辺の出来事は、あまりに説明過剰であった。あれは、もっとサラリと匂わす程度で十分。くどくど言われると、せっかくの感動も薄れる。

 アイデアは悪くは無いが、やはり『バタフライ・エフェクト』の劣化版という印象がぬぐえない。もう少し大きな驚きや感動が欲しいところだ。

 ところでキーラ・ナイトレイ(「パイレーツ・オブ・カリビアン」のヒロイン役ほか)は、この映画でまたも大胆に脱いでいる。さすが若いだけあって、ぴちぴちである。それにしても、世界的にブレイクした21歳の女優がこれだけポンポン脱ぐというのは凄い。彼女は85年生まれなので、日本でいえば上戸彩や前田亜季や蒼井優が裸になるようなモンである。そう考えると、こりゃ、なんとも貴重な映像だ。

前田有一

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