もう少し表現方法を工夫しないと、せっかくの「学問としてのエクソシズム」という切り口が生かされてこないではないか……。(点数 40点)
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悪魔の存在を信じることは、神を信じること。信仰に自信を持てない
神学生が悪魔祓いのOJTを通じ、自分の進むべき道を見つけていく。患
者の妄想なのか本物の憑依なのか、懐疑的な主人公は現場を体験して
もなお疑いの目を向ける。理性を超えた現象、しかし、対処法を学び
実践すればその謎は解けなくても事態の収拾は図れる。物語はそんな、
ローマカトリック教会から正式な職業として認められているエクソシ
ストの実態を明らかにしていく。
神学校に通うマイケルはバチカンのエクソシスト養成講座を受ける。
悪魔憑きが精神疾患ではないかと考えるマイケルは、一流のエクソシ
スト・ルーカス神父のもとで実際の悪魔祓いを見聞する。
16歳の妊婦は、袋に隠したマイケルの私物の中身を当てた上、太い釘
を3本も吐き出す。本人とは関係のない特異な能力が発揮されるのが悪
魔憑きの証拠とされる上、悪態をつき罵りの言葉を口にする。ところ
が、彼女の血管が浮かび上がり憎悪を湛えた表情は「実話を元にした」
という割には、過去の作品から剽窃したとしか思えないような特殊メ
ーク。
さらにおどろおどろしい音楽やショッキングなカット、暗く陰鬱な映
像は、まったく普通のホラー映画から受ける印象と変わらず新鮮味が
ない。もう少し表現方法を工夫しないと、せっかくの「学問としての
エクソシズム」という切り口が生かされてこないではないか……。
(福本次郎)