本当の奇跡に涙してしまう!(点数 90点)
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繊細で力強いたぐいまれな歌声(リリコ・スピント)をもつオペラ歌手・ベー・チェチョルは、ヨーロッパで活躍していました。
妻と一人息子にかこまれ、幸せな日々をおくっていた彼は、甲状腺がんを患ってしまいます。しかも、手術中に声帯の片方の神経が切れてしまい、歌うことができなくなって……。
男たちの友情にときめくけれども、女性としては、彼を支え続けた妻に心ひかれてしまう実話です。
仕事を失い、祖国・韓国に帰った失意の彼を懸命に支えたのは、妻と彼の才能を高く評価し、深い友情で結ばれた沢田でした。
声を取り戻すために再び難手術にのぞみ、リハビリする姿にウルウルしてしまい、復帰後のコンサートでは、大泣きでした。
ギフトという名の才能を与えられ、懸命に努力して高めてきたのに、突然あっさりと奪われてしまう。人生はあまりに残酷です。
だけど、支えてくれる人がいれば、またがんばれるハズ。たった一人では、なしえない偉業すら、支えられることにより、達成できるのです。
冒頭の『誰も寝てはならぬ』から、彼の美声に引き込まれて、震えてしまいました。劇中の数々の歌声は、すべて彼の声で吹き替えられていますが、歌の部分だけでも圧巻です。オペラ大好きな方は、特に必聴ですよ。
見終わったあと、大切な人ともう一度見たくなる作品です。
(小泉 浩子)