ガーフィールド - 前田有一

日本語版はおすすめできない(30点)

 1972年から新聞の連載漫画として世界中で愛されている猫“ガーフィールド”を、実写と3Dアニメの合成で映画化した作品。

 怠け者で皮肉屋のデブ猫ガーフィールドは、今日も朝から食欲旺盛。隣の猛犬をテキトーにあしらい、配達された牛乳は盗み食いと、悠々自適の暮らし振りだ。そんなある日、飼い主のジョンが、ひそかに心を寄せる獣医リズ(ジェニファー・ラブ・ヒューイット)から天敵の“犬”を預かってきたからさあ大変。ジョンのやつは内気だから、リズに告白しにいったくせに結局できなかったんだ。おかげでガーフィールドののんきな暮らしは一変、なんとかこのうるさい“犬”を追い出さなくては……!

 不適な表情に太りきった体、悪態ばかりついている皮肉屋の性格が愛らしい。ガーフィールドは誰が見ても思わずその行動にくすっと笑ってしまう、世界中で愛されるキャラクターだ。犬や猫を飼った経験がある人ならば、何度も頷いてしまうシーンも満載、動物好きが楽しめる映画になっている。

 なんやかやいって飼い主の愛情を独り占めしたいガーフィールドの嫉妬深いトコも楽しい。そんな彼(?)が、それでも後半は“犬”のために一念発起してしまう「友情ドラマ」的な展開も定石通り。

 決して破綻は無い……とはいえ、やはりこのありがちなストーリーには吸引力が無いのも事実。有名過ぎるキャラクターを使うと、このあたりの無難な話に落ち着くというのもわからないではないのだが。個別のシーンは面白いが、全体としては退屈な印象だ。

 CGの猫と実写の合成はお見事な出来映え。CG猫がやわらかい無機物と絡む場面では、どうしても弱点である「質量を感じさせない」点を感じてしまうが、それ以外では違和感を感じない。

 そして最後にひとつ言っておかねばならないのは、私が観賞したのは日本語吹き替え版であるということ。そして、このアテレコが実によくなかったという点だ。ガーフィールドの声を藤井隆がやっているのだが、私は最後の最後までなじめなかった。声優以外がアニメの声をあてるケースはよくあるが、ここまで似合わないケースは珍しい。このレビューの点数が低い主な原因はここにある。よって、この映画を見たい方はビル・マーレイ(「ロスト・イン・トランスレーション」主演など)が声をあてた字幕版の方が良いかもしれない(そちらは見ていないので想像に過ぎないが)。

 私にとっては、好みの女優さんが出ている事もあってなんとか見れたが、それを差っぴいて点数をつけるとすればこんなものか。

前田有一

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