あらゆる面でよくなった続編(70点)
『アンダーワールド:エボリューション』は、2003年の映画『アンダーワールド』の正当なる続編だ。前作のラストシーンを踏まえ、そのあとの物語ということになる。
同族からも終われる羽目になった女吸血鬼のセリーン(ケイト・ベッキンセール)は、いまや唯一の味方となった、ライカン(狼男族)との混血種マイケル(スコット・スピードマン)と逃亡を続けていた。二人はやがて、強大な敵との戦いを繰り広げつつ、両種族の創生の秘密に迫っていく。
『アンダーワールド』シリーズの特徴であり人気のポイントは、狼男と吸血鬼の戦いという古典的なモチーフに、斬新な新解釈を加えた点。古代から続くこの戦いは、現代では重火器まで使用する、ハイテクなものになっている。これを、身体に密着したラバースーツを着用するヒロインをはじめ、スタイリッシュこの上ない演出でみせるというわけである。
なお、変身能力を持つライカンは、変身すると吸血鬼を圧倒するほどの野性的身体能力を発揮し、銃などもろともしないパワーで襲い掛かる。太陽を苦手とする不死の種族を倒すため、「紫外線弾」なんていうアイテムの登場も面白いアイデアであった。
どちらも、人間とは比べ物にならぬ強靭な肉体や不死の特性を持っているため、バトルも派手だ。多少のことじゃどちらもビクともせず、いったいどこまでやれば死ぬかわからないので、見ていてもじつに豪快だ。
こうしたアクションシーンの迫力は前作を大いにしのぎ、墜落したヘリの前で戦うラストシークエンスなど、アイデアも素晴らしい。残酷なシーンも、どちらかというとドライで気持ち悪さはない。セットや衣装、敵キャラクターの造形など、ビジュアルの美しさも健在で、映像には新鮮味がある。
今回は、人気のヒロイン、ケイト・ベッキンセイルがより魅力的で、ベッドシーンのサービスもある。スレンダーかつ、きれいな肌を堪能できる。マイケルとのW主人公は、存在感もバッチリだ。
唯一、ストーリーがわかりにくい面があるので、まずは前作を観てから鑑賞してほしい。上映時間も短めでちょうどよく、テンポもよい。このPart2は、本当によくなった。
(前田有一)