クライマックスは二転三転、もちろんアッと驚く結末が用意されているのだが。。。(点数 40点)
(C)2011 フジテレビジョン/東宝/電通/ポニーキャニオン/日本映画衛星放送/アイ・エヌ・ピー
スキーリゾートのホテルに残された日本人の死体に巨悪の臭いを感じ
取った3人の男女。パリ、アンドラ、バルセロナ、アンダルシア・・・
物語は舞台は南欧を転々とし、事件は壮大な国際犯罪に結びついてい
く。ところが、屋上屋を重ねた構成はどこかちぐはぐで、主人公が謎
をひとつずつ解決して核心に迫る過程もぎこちない。そういった脚本
の欠点もスピーディに展開させればごまかせるのだが、結局話がもた
ついてエピソードが間延びしてしまう。唯一、断崖の上に建築された
ロンダの街と中心部に架かる巨大な石橋の俯瞰だけは目を見張ったが。
アンドラで日本人が死亡、現場に急行した黒田はインターポールの神
足に門前払いされる。その夜、第一発見者の地元銀行員・結花が賊に
襲われ黒田が救出、彼女の身柄をバルセロナの日本領事館に預ける。
死んだ日本人は投資詐欺で100億円の損を出し自殺したとみられるが、
警視総監の息子ということで単なる強盗殺人として片付けろと神足は
指示されている。一方、命を狙われている結花は警察に保護を求めて
も何か秘密を隠していそう。そのあたり、大掛かりな犯罪組織が背後
で糸をひいているような不気味さを漂わせ、後半に興味をつなぐ。
やがて、銀行幹部と国際テロ集団の面談情報を入手した黒田・神足・
結花はアンダルシアに向かう。3人の思惑は複雑に交錯し、それぞれが
自分のため、組織のため、国益のために行動する。クライマックスは
二転三転、もちろんアッと驚く結末が用意されているのだが。。。
(福本次郎)